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「フェーズ」の意味とは? ビジネスシーンでの正しい使い方を解説

Sai

会議や商談などでよく聞く「フェーズ」という言葉。使うシーンによって意味合いが変わる言葉ですが、正しく使えていますか? 今回はビジネス用語に詳しいライターのSaiさんに、「フェーズ」の意味やビジネスにおける使い方を解説してもらいます。

近年、ビジネスシーンでは外来語と呼ばれるカタカナの用語が使われる機会が非常に増えてきています。「フェーズ」もその1つで、複数の意味があるため、あいまいな使い方をしている人は少なくないでしょう。

そこで本記事では、「フェーズ」の意味や語源、ビジネスシーンにおける使い方などを例文付きで詳しく解説します。

また、「フェーズ」と意味が似ている他の外来語との違いや「フェーズ」を含む用語などもあわせて紹介します。


「フェーズ」の意味とは?

まずは、「フェーズ」という言葉の語源や意味を詳しく確認してみましょう。

「フェーズ」は英語「phase」を語源とする外来語

「フェーズ」は、英単語「phase」を由来としている外来語です。「phase」にはさまざまな意味があり、「(変化や発達の)段階」や「時期」という意味から、「(天体の)象」や「面」という意味まで、幅広いニュアンスを含んでいる単語です。

ビジネスでは「段階」や「局面」を意味する

英単語「phase」にはいろいろな意味がありますが、ビジネスシーンで「フェーズ」を使う場合は、「段階」や「局面」を指す単語となります。事業の進捗状況を示したり、状況が変化した時などに各段階を表したりする意味合いで使われる場合が多いです。

「フェーズ」はどんな時に使う言葉?

ビジネスシーンにおいて「フェーズ」が使われる場面は、大きく2つに分かれます。どのような時に使う言葉なのかを理解するためにも、それぞれのシーンを確認しておきましょう。

プロジェクトの区切り(段階)などを表す

「フェーズ」は、長期的なプロジェクトのプロセスをいくつかの工程に分ける時や、プロジェクトの進捗状況を管理する時に使います。

事業の成長や発展規模を分かりやすくするために段階ごとに区切る場合や、各工程にてやるべきことをはっきりさせるために使用されることが多いのです。

なお、「フェーズ」単体で使われることもあれば、段階を分かりやすくするために「フェーズ1」や「フェーズ2」、「第1フェーズ」などというように番号をふって使われる場合もあります。

物事が新たな局面に入ったことを表現する

もう1つ「フェーズ」が使われるシーンとして挙げられるのが、「物事が新たな局面に入った場面」です。

物事を取り巻く環境が大きく変化して新たな時期に入った場合や、これまでとは違う新しい局面を迎えた時などに使用されます。具体的には、マーケティングについて話す時や、市場の変遷をたどる場面などで使われる場合が多いです。

【例文付き】「フェーズ」の具体的な使い方

ビジネスにおいては大きく2つの意味を持つ「フェーズ」。しかし、馴染みの薄い外来語のため具体的な使い方が分からないという人は多いでしょう。そこでここからは、ビジネスシーンで使える「フェーズ」の例文を紹介していきます。

「段階」の意味で使う時

まずは、事業の区切りを表す「段階」の意味で使われる場合の例文を見てみましょう。

例文

  • 第1フェーズにてやるべきことは明確に決められている。
  • フェーズ2では海外支社と協力してプロジェクトを進める予定だ。
  • 来週から次のフェーズに移りたいと思います。
  • フェーズごとに区切って事業の内容を説明いたします。
  • 今回のフェーズでのタスクが全て完了した後、次のフェーズへと移行します。

「局面」の意味で使う時

次に、物事が新たな時期に入ることを示す「局面」の意味で使われる場合の例文を紹介します。

例文

  • エネルギー市場は新たなフェーズに突入した。
  • 十分な準備ができたので、実践フェーズへと移行する予定だ。
  • 現在のフェーズに到達するまでには数々の困難があった。

「フェーズ」を含むビジネスでよく使われる用語や語句

単体で使われたり、番号をふられたりすることが多い「フェーズ」ですが、他の名詞とあわせて熟語として使われることもよくあります。

例えば、「開発フェーズ」や「製作フェーズ」などは、具体的な段階を表現する言葉として使われる場面が多いです。

また、近年聞く機会が増えている言葉の1つに、「フェーズフリー」が挙げられます。

「フェーズフリー」とは、平常時と災害時という2つの局面(フェーズ)間にある壁を取り払い、身の回りにあるものやサービスを非常時にも役立てることができるという考え方のことを言います。

企業や行政にて認知が進んでいる言葉なので、覚えておくといいでしょう。

「フェーズ」の類語

「フェーズ」と似たようなニュアンスを含む他のカタカナ語や外来語はいくつかあり、意味を混同している人や使い分けに悩む人は多いでしょう。そこでここからは、「フェーズ」の類語である「ステップ」や「プロセス」の意味や、「フェーズ」との違いを詳しく解説していきます。

「ステップ」の意味と「フェーズ」との違い

「ステップ」は、「歩調」や「足取り」などを意味する英単語である「step」がカタカナ語となったものです。「フェーズ」と同じく多様な意味を持つ単語ですが、ビジネスシーンで使う場合は、主に「段階」や「進歩」という意味で使われます。

「物事を進行する上での段階を表す」という意味では、「ステップ」と「フェーズ」はよく似ており、実際に「フェーズ」を「ステップ」に置き換えても意味が通じる場合は多いです。

ただし、「ステップ」には「一つ一つ上昇して進歩していく」というニュアンスが含まれているため、上昇していく過程を表したい場合は「フェーズ」より「ステップ」の方が適しています。

また、「フェーズ」よりもさらに細かい段階を表す場合も「ステップ」を使う方がいいでしょう。

例文

  • 成功への第一ステップとして、新しい仕組みを作り出す。
  • 社員全員が一つ一つのステップを丁寧に進める必要があるだろう。
  • 確実にステップアップするためにはさまざまな準備が必要だ。
  • 段階を分けて配信するステップメールは、顧客の定着に適している。

「プロセス」の意味と「フェーズ」との違い

プロセスは、英単語「process」から来ている外来語で、ビジネスシーンで頻繁に見聞きする言葉の1つです。

「process」は、「経過」や「成り行き」から「訴訟手続き」まで幅広い意味を持つ単語ですが、外来語「プロセス」をビジネスシーンで使う場合は「過程」や「手順」という意味で使われます。

一見似ている2つの言葉ですが、物事を段階ごとに区切っている「フェーズ」とは異なり、「プロセス」は「物事の過程や流れそのもの」を表している言葉です。「ステップ」のように「フェーズ」に置き換えられる場面は少ないため、意味を混同しないように注意する必要があります。

段階ごとに区切られた「フェーズ」においての進行状況や、細かいタスクの手順などが「プロセス」である、と考えると分かりやすいでしょう。

例文

  • 第一フェーズにおいての業務プロセスを見直す。
  • フェーズごとのプロセスを正しく理解できていますか?
  • 結果よりもプロセスを重要視する。
  • 作業プロセスをフローチャートで視覚化します。

意味や使い方を理解して正確に「フェーズ」を使おう

職場などで頻繁に見聞きするものの、馴染みの薄い外来語のため、あいまいに理解している人が多い「フェーズ」という言葉。似たようなニュアンスを含む「ステップ」や「プロセス」との違いも分かりにくく、使い方に悩んでしまいますよね。

ただし、ビジネスシーンにおける「フェーズ」の意味や、「フェーズ」が使われる場面などをしっかり確認しておけば、プロジェクトの説明や進捗状況の報告の際などに正しく使えるようになるでしょう。

「フェーズ」を含む用語や例文なども併せて確認しておき、ミーティングや商談時などにスムーズに「フェーズ」を使えるようにしましょう。

(Sai)

※画像はイメージです

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