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自己肯定感と自尊心の違い。自己肯定感が低くなる原因と高める方法とは

桑野量(心理カウンセラー)

「自己肯定感」という言葉を目にしたり耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか? 今回は、心理カウンセラーの桑野量さんに「自己肯定感」はもちろん、「自尊心」「自己効力感」といった、似ているように見える言葉の意味に加え、自己肯定感を高める方法について教えてもらいました。

最近、本やインターネットで「自己肯定感」という言葉を目にすることが増えたかもしれません。

「自己肯定感を高めれば、心が安定する!」

このような書かれ方もありますが、「自己肯定感って何?」と、いまいちその意味がつかめない方も多いのではないでしょうか?

今回は、自己肯定感の意味から、自己肯定感を高める方法まで紹介します。ぜひ役に立ててください。

自己肯定感って何?

まずは自己肯定感の意味をしっかりと押さえていきましょう。

自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れるという自己を肯定する感覚です。

誰にだって短所も長所もあるものです。自分のできないことばかり気にしてしまって、過度にネガティブな気持ちになる必要はありません。

自分の良いところも、悪いところも、そのまま受け入れる。そのような自己肯定感を高められれば、人間関係などで必要以上に自分を落ち込ませることがなくなっていきます。

「自尊心」や「自己効力感」との違いは?

自己肯定感と似たような言葉に、「自尊心」や「自己効力感」があります。

自尊心は、自己肯定感と同じ意味で扱われることも多いです。英語に訳される際はどちらも「self-esteem」と同じ表現にもなります。

自己肯定感と自尊心は、どちらも自分のことを肯定したり、尊重したりと、前向きに受け入れる言葉ですが、自尊心は能力や魅力などの根拠や理由があって自分を受け入れるという意味で使われることが多く、自己肯定感は根拠無く受け入れる意味で使われるケースが多いです。

一方、自己効力感とは、心理学者のアルバート・バンデューラ氏が提唱したもので、ある状況下において目的を遂行するための適切な行動ができる確信の度合いのことです。

自己肯定感は目的などに関わらず自分を認めることですが、自己効力感はある特定の状況下で達成できるかどうかという自信の度合いを指します。

自己肯定感が低いとどうなる?

自己肯定感が低いと、どのような影響があるのでしょうか? 自己肯定感が低い人の特徴と併せて見ていきましょう。

(1)心が不安定になりやすい

自己肯定感が低いと、ちょっとしたことでもネガティブに捉えて、気持ちが振り回されてしまいがちです。そして、その落ち込んでしまった気分をいつまでも引きずり、不安定になる傾向があります。

(2)自分の短所に目がいくようになる

自分と相手を比べてしまうことも多くなります。短所もあれば長所もあるのが当たり前ですが、自己肯定感が低いと、自分の短所と相手の長所を比較する傾向があります。その結果、自分の短所にばかり目がいき、落ち込んでしまいます。

(3)ネガティブな表現が多くなる

「どうせ」「だって」など、相手の肯定的な発言に対してもそれを打ち消すようなネガティブな反応が多くなる傾向もあります。自己肯定感が低い場合、自分に自信を持つことが難しいので、褒め言葉をそのまま素直に受け取りづらくなってしまうのです。

(4)依存しやすくなる

自信が無いと、判断することが苦手になってしまい、自分以外の誰かに依存しようとするケースもあります。しかし、依存した相手に振り回されて、ますます気持ちが不安定になってしまうことも多いです。

(5)消極的になる

新しいことや、より高いレベルの仕事にチャレンジすることなどが苦手になり、消極的になるケースもあります。自己肯定感が低いことで、「どうせ失敗するから」と、自分の可能性や未来を否定的に捉えてしまうのです。

自己肯定感が低くなる原因は?

次に、自己肯定感が低くなってしまう原因について見ていきましょう。

(1)否定されることが多かった

子どもの頃に親に否定されることが多かったり、自分の意見を聞き入れてくれることが少なかったりすると、自己肯定感は低くなってしまいます。誰かに認められるためには、そのままの自分ではいけないと思ってしまうからです。

(2)大失恋をした

大きく傷つくような失恋が原因で自己肯定感が低くなることもあります。お互いの性格や環境が合わなかっただけかもしれないのに、全て自分のせいだと思い込んでしまい、自信と共に自己肯定感も低くなってしまうのです。

(3)就職や試験で失敗した

人生には、就職や試験など自分の能力や素質を他者に判断されるシーンがあります。そこで自分が思ったような結果を出せなかったことが原因で、自己肯定感が低くなってしまうケースもあります。

試験や就職に失敗したとしても、それがあなたの価値全てを決定づけることにはなりませんよ。

(4)学生時代の人間関係がうまくいかなかった

友達ができなかった、いじめに遭ったなど、学生時代の人間関係がうまくいかなかったことをきっかけに、ありのままの自分を受け入れられなくなってしまい、自己肯定感が低くなることもあります。

思春期は多感な時期でもあるので、どうしても周りからの評価をそのまま自分の評価として思い込んでしまうところがあるのです。

自己肯定感を高める方法

このように、自己肯定感は環境や経験の影響を受けてしまいがちですが、ちょっとした方法で高めることができます。その方法をいくつか紹介していきますね。

(1)感謝をテーマに日記を書く

「感謝」をテーマに1日を振り返って、箇条書きでもいいので日記として書いてみましょう。

自己肯定感の低い人は、どうしても日々をネガティブに振り返ってしまい、そのことでまた自己肯定感を低くしてしまうという悪循環にはまってしまいます。

感謝するという視点から1日を振り返ることで、そのスパイラルから抜け出せて、ポジティブになっていけるでしょう。

(2)人を褒める

人を褒める習慣をつけるのもおすすめです。相手の良い面を見る癖がつくと、自分の良い面も見られるようになります。自分の短所ばかりが目についてしまう人はチャレンジしてみてくださいね。

(3)小さな習慣を継続する

物事を継続することは、自信につながります。大きなことを習慣にする必要はありません。玄関の靴を毎朝そろえる、寝る前に洗面所の鏡をきれいに拭くなどでも良いので、継続してみて下さい。

(4)「大丈夫」と唱える

自己肯定感が低いとネガティブな気持ちになり、そんな自分を強く責めてしまうことがあります。

しかし、誰でもネガティブになることはります。そんな時に否定するのではなく、「大丈夫」「それでも良いんだよ」と、ありのままの自分を受け入れるような言葉を心で唱えてみてください。

(5)自分の良いところを周りに聞く

自分の良いところは、自分では見えなくなってしまうことがあります。あなたにとっては当たり前でも、周囲にとっては魅力的に思えることもあるはず。

自分の良いところを教えてもらって、あなたの自己イメージを変えていきましょう。

自己肯定感を高めて楽しもう

自己肯定感が低いとしても、ネガティブに捉え過ぎる必要はありません。

もっと自分のことを好きになれる可能性や、人生を楽しめるチャンスだってたくさんあります。

ちょっとした習慣で自己肯定感を高めて、他人からの評価などで心を消耗し過ぎず、人生を楽しんでいきましょう。

(桑野量)

※画像はイメージです

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