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人間関係がストレス。原因と解消方法

服部希美(心理カウンセラー)

職場の人間関係にストレスを感じていませんか? 人はどのような時に人間関係にストレスを覚えるのか。原因とその解消方法について、心理カウンセラーの服部希美さんに教えてもらいました。

あなたはストレスを感じやすい人ですか? 職場の人間関係でストレスを感じた時、どんな風に対処していますか?

人間関係にストレスはつきものとはいえ、ただやり過ごすだけでは、いずれ限界が来てしまいます。

今日は心理カウンセラーの視点から、ストレスと上手に付き合う方法をお伝えします。

毎日を頑張るあなたのお役に立てたらうれしいです。

大前提! 人間関係にストレスを覚えるのは普通のこと

「人間の悩みのほとんどが、人間関係からきている」と心理学ではいわれています。

確かに、人と関わることを避けては通れないこの社会において、人との関係で悩みを抱えてしまうことは仕方がないことなのかもしれませんね。

特に、1日の3分の1の時間を費やしている職場での人間関係は、ストレスを引き起こす原因になりやすいと思います。

とはいえ、同じ環境下でも、ストレスを感じやすい人と感じにくい人といますよね。

また、ストレスに対して上手に対処している人もいれば、ストレスが体調に出てしまう人、仕事に行けなくなってしまうぐらいに思い詰めてしまう人もいます。

その違いは、いったいどこにあるのでしょうか。

チェック! 人間関係がストレスになる原因

まず、私たちは人間関係のどんなところにストレスを感じるのかチェックしてみましょう。

我慢強い方の中には、ストレスがたまっていることに自覚が無く、病気になって初めて気付くというケースもとても多いです。

「私はまだまだ大丈夫」と感じている方も、一度チェックしてみてくださいね。

(1)職場に嫌いな人がいる

社会ではいろんなタイプの人と協力していかなければなりません。

合わない人、苦手な人ともうまくやっていかなければいけないと思った時、私たちは自覚している以上に心のエネルギーを使っています。

(2)人からの評価を気にし過ぎている

あの人はできるのに、私にはできない。

あの人は上司に気に入られているのに、私は全然評価されてないと感じる。

人から嫌われていないか異常に気になる。

そんなふうに人と比べたり、周りの評価を気にし過ぎると、心のエネルギーを過剰に消耗してしまいます。

(3)人と合わせなければいけないと感じ過ぎている

相手の機嫌をうかがったり、話題を合わせるためだけに興味の無いドラマを見たり……。周囲と仲良くするために、ムリに人に合わせていませんか?

自分を抑え込み、人に合わせる生き方はとてもストレスがたまります。

カウンセリングで伺う相談でも「仕事をしている時よりランチの時間が憂鬱」「仕事でのやり取りより、雑談が苦手」なんて女性は多いですよ。

(4)断れない

残業を頼まれると断れない。気が乗らない飲み会でも、誘われたら付き合ってしまう。

ある程度の協調性は大切ですが、何でもかんでも引き受けてしまうとキャパオーバーになってしまいます。「いい人」に多いパターンですね。

人間関係のストレスを解消する方法

ストレスは、ため込み続けると必ず限界が来ます。人によっては「生きることすらつらい」という気持ちまで思い詰めてしまうこともありますから、感じたストレスはなるべく早めに解消していくことが大切です。

ストレス解消方法をいくつかご紹介しますので、ぜひ自分に合いそうなものを試してみてください。

(1)スポーツに打ち込む

悩み事を抱えていると「どうしたらいいだろう」「きっとこうなるに違いない」と、ぐるぐる考え過ぎてしまいます。

幸いなことに私たちは、体に意識を向けると思考がストップするという仕組みを持っています。

近場を散歩するだけでもOKです。日常に運動を取り入れてみてくださいね。

(2)ノートに気持ちを書き出す

モヤモヤを感じた時には、まず、思っていることを紙に書き出してみましょう。

大きな文字で書き殴ってみるとスッキリしますし、だんだんと心が整理されていきますよ。

(3)感動する映画や小説を読む

感情のアウトプットの1つとして、感動するものに触れることも効果的。

自分に起こった出来事で泣くよりも、本や映画で感情を動かす方が負担が少なくて済みます。

(4)好きなことをする

のんびり休みたい時には、思い切りゴロゴロする日を作る。緑が好きなら、家の中に花を飾ったり、緑の多い公園に出かけたりしてみる……。

自分がやりたいことや好きなことをする時間を必ず確保しましょう。自分のことを置き去りにしていると、ストレスをため込みやすくなります。

(5)マッサージなどを受ける

人に自分の体に触れてもらったり、ほぐしてもらうことで、張りつめている緊張が解け、ストレスを解消することが可能です。

マッサージにもいろいろな種類がありますから、自分に合うものを探してみてくださいね。

人間関係にストレスを感じずに生きるコツ

たまったストレスは都度解消していくことが大切ですが、できるなら、ストレスを感じずに過ごせたらいいですよね。

ここからは、人間関係にストレスを感じずに生きるコツを5つご紹介しますので、取り組みやすいところから試してみてください。

(1)自分の生きる場所を複数持つ

「ここ以外に自分の居場所が無い」と感じると、限界まで自分を追い詰めてしまいます。

いろいろな立場の人とつながって、自分らしくいられる場所を複数持っておきましょう。

(2)どんな自分でも変わらず応援してくれる人を持つ

失敗した時には励まし合い、成功した時には共に喜び合える、そんな人がいると心強いものです。

あなたのことを大切に思っている人は、あなたが思うよりもたくさんいますよ。ぜひ遠慮せず、周りを頼ってみてくださいね。

(3)人と自分の境界線を意識する

「私は私、あの人はあの人」という人との境界線があいまいになっていると、人の分までやることを引き受けてしまいがちです。

「私にできること、できないこと」「私がやるべきこと、人がやるべきこと」を分ける意識をしながら過ごしてみましょう。

(4)完璧主義をやめる

ストレスと上手に付き合えたり、自分のベストを尽くせたりする人は、上手に手を抜いています。

完璧主義だと感じる人は、「8割できたらOK」と自分に言ってあげましょう。

(5)人に話を聞いてもらう

あまりにストレスフルの場合は、人と会いたくない気持ちになってしまうことも多いかもしれませんが、一番のおすすめは「あなたのことを大切に思う人に、助けを求めること」です。

身内に話すのがつらい場合は、カウンセリングなど第三者に話すことから始めてみてください。

つらい時ほど、人とつながることが大切です。どうぞ、1人で抱え込まないでくださいね。

限界や症状を感じたら逃げたっていい

ここまで、ストレスと上手に付き合う方法をご紹介してきましたが、何よりも一番大切なことは、限界や何らかの症状を感じた時には、その場から離れる選択をすることです。

責任感が強い方ほど「仕事を辞めること」「休みを取ること」「助けを求めること」を「逃げ」だと感じやすいですが、決してそうではありません。

「1人きりで頑張る」という生き方からシフトチェンジする時期を迎えているということなのです。

ぜひ、しっかり休み、まず体と心を整えることから始めていただけたらと思います。

この記事が、毎日を頑張るあなたのお役立てたら幸いです。

(服部希美)

※画像はイメージです

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