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アイデアを形にする「クリエイトキャリ」。ヤフー デザイナー田島佳穂さんの働き方

#働くわたしの選択肢

ameri

「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。

取材・文:ameri
撮影:洞澤佐智子
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

大学・大学院でデザイン工学を学んだ後、ヤフー株式会社に新卒入社した田島佳穂さん(29歳)。現在はフリマサービス「PayPayフリマ」アプリ・WEBサイトのデザインを担当しています。

第一線でバリバリ働く女性かと思いきや、「そんな意識が高い感じでもないんです……(笑)」とほほ笑む。ふんわりとした雰囲気を醸し出す女性、というのが第一印象。

アートやハンドメイドなどのモノ作りが学生時代から大好きだという彼女。今現在はどのようなことを大切にしながら働いているのでしょうか?

大学院でスキルを積み、デザイナーの道へ

ライターのameriです。本日はよろしくお願いします!
田島です、よろしくお願いします!
田島さんは、大学院を卒業してから、2016年に新卒でヤフー株式会社に入社されたんですよね。今の会社、仕事内容を選んだ理由は何だったんですか?
大学に入学した当初は、実はそれほど「デザイナーになりたい」とは考えていなかったんですよ。
そうだったんですか…!?

大学の専攻領域はネットワークデザインでしたが、グラフィックに携わる仕事をしたいと思っていました。

4年生の時に、広告業界の企画職やディレクション職で一度就活はしたのですが、じっくり考えてみると「企画職よりデザイナーとして働きたい」と思うようになったんです。

その頃に将来の方向性が決まったんですね。
そうですね。ですが、まだスキルが足りていないと感じたので、就活はいったんやめて大学院へ進むことを決めました。大学院ではグラフィックデザインを勉強し、その後に改めて就活をした流れです。

大学院時代に就活をした時は、ある程度業界を絞ってデザイナー職を探していたんでしょうか?
そうです、IT系に絞っていました。
何かきっかけはあったんですか?

学生時代、友人に誘われて参加した「ハッカソン」(※)がきっかけです。

アプリを作ったりWEBデザインに関わったりするのが楽しくて、グラフィックで表現するよりも「人に使ってもらうためにデザインすること」が好きだと気付いて。なので、IT系サービスでデザイナーとして働きたいと思うようになりました。

※「ハッカソン」とは……ソフトウェア開発分野のプログラマーやデザイナーなどが複数のチームを作って、1日~数日の短期間で集中的に開発作業を行うイベントのこと

数あるIT系企業の中で、ヤフーを選んだ理由は何だったのですか?

就活イベントの際にヤフーの人事の方と話してみたら、話がとても合って。その方に「受けてみなよ!」と勧められたことがきっかけになりました。

その後、面談で出会う社員の方が、相手の気持ちを考えられる素敵な方ばかりで……。働きやすそうな環境だということも入社の決め手になりました。

社員の方々の印象って重要ですよね。他にも入社の理由はありますか?
「Yahoo! JAPAN」という大きなサービスを手掛けていることもすごいと思っていました。あとは、2011年の東日本大震災の際に「3.11企画」という東北復興プロジェクトを起こしていた企業であることも知っていたので。自分もその一員となって世の中の課題解決に貢献したいと思ったんですよね。

成長できる環境「PayPayフリマ」チームへの異動

入社してからはどのような仕事を担当されているんですか?

入社してすぐは、「Yahoo!プレミアム」という有料の月額会員サービスで、キャンペーンページのデザインやサービスページのリニューアルを担当しました。

2018年に「Yahoo!プレミアム」特典である雑誌・マンガ読み放題サービスのアプリの立ち上げに関わった後、去年の10月に今の部署に異動し、現在は「PayPayフリマ」のデザインを担当しています。

希望を出して異動されたんですか?
はい。ヤフーの中で新たな経験にチャレンジしたい場合、その希望を自己申告できる異動制度「ジョブチェン」制度を活用し、希望を出して異動しました。
異動を希望した理由は何だったのでしょうか?

読み放題アプリの立ち上げを経験した時に、プロダクトを直接ユーザーに届けられる部署に行きたいと感じたことが理由の一つです。

もう一つは、スピード感を持って学べる環境である新規事業にチャレンジしたかったからです。その当時は「PayPayフリマ」チームが“新規事業部”という名前だったので、これだ! と思って。

かなりチャレンジングな志望理由だったんですね! 田島さんが手掛けている「PayPayフリマ」の魅力を教えてください。

キャッシュレスで買い物できることはもちろん、デザインや機能も日々改善しているので、使いやすさも感じてもらえると思っています。

弊社の中でも「PayPayフリマ」チームはスピード感を持って改善を進めていて、ユーザーの声を聞いて改善案があればすぐにリリースをするように動いています。ぜひ多くの方に使っていただきたいです!

働きやすくて、刺激もある。ヤフーの職場環境

ここからは今の職場の雰囲気について聞かせてください! 先ほど、入社前に「働きやすそうな環境だと感じた」とおっしゃっていましたが、実際入社してから印象は変わりましたか?
入社前後でギャップはないです。好きな場所で仕事ができる「どこでもオフィス」制度や、女性の活躍推進プロジェクトなども魅力です。多様な人が集まっている数千人規模の会社で“働きやすさ”を実現しているのは、すごいことだと改めて思いますね。

田島さんが所属している「PayPayフリマ」のデザインチームは、現在何名いらっしゃるんですか?
男性2人、女性3人の計5人です。
年齢層は幅広いんですか?
実は、リーダーだけ年上ですが、他のメンバーは全員新卒同期なんです! 全くの偶然なんですけど(笑)。
それはすごい(笑)! 働いていて「職場のここが好きだな」と思うところがあれば教えてください。

今のチームは、知識を共有するのが好きなメンバーが多く、ディスカッションが豊富なところが好きです。知らないことを知れるのは刺激になって楽しいです。

あとは、自分が作ったデザインを見せて意見をもらいやすい環境であるところも好きですね。1人で作っていると悩むことが多いので、相談できるのは心強いです。

画面を作るだけが、デザイナーの仕事じゃない

田島さんは入社してからいろんなサービスのデザインに携わられていますが、これまでのデザイナー人生で、一番心に残っていることはありますか?
自分の中で意識が変わったきっかけは、「Yahoo!プレミアム」特典の読み放題アプリを立ち上げた経験ですね。その時初めてアプリデザインを担当したのですが、デザインだけではなくシステムの知識がないと良いものが作れないんだ、ということに気付かされました。
何かトラブルがあったんですか?

そうなんです。実は、作った当初はアプリが上手に機能しなくて。どこに原因があるのかと、システム部分まで考えるきっかけになりました。「デザインのクオリティを高めるだけ、画面を作って渡すだけがデザイナーの仕事ではないんだな」と気付いて。

ユーザーの手に届けるまでが仕事であり、そのために必要な情報を勉強したり、システム担当者とコミュニケーションを取り続けたりすることが大切なんだと思いましたね。

その気付きを得てから、具体的に改善したことはありますか?
今はエンジニアに「これはどこの機能を動かすために作っているんですか?」などと自分から尋ねるようにしています。何を重視して作業を進めているのかを理解しようという意識に変わりました。
視野が広がったんですね。
そうですね。「ここからここまでがデザインです」と決め付けないように意識しています。与えられた仕事の領域にはこだわらないのが今のモットーです。

ベースにあるのは「アイデアを形にしたい」気持ち

田島さんが働く上で大事にしている軸はなんですか?

アプリやWEBの見た目にこだわれるのはデザイナーだけだと思っているので、1ピクセル単位でこだわる責任があると感じています。必ずしも小さなこだわりが大きな売上に直結するわけではありませんが、その積み重ねでサービスの使いやすさにつながると思っているので。

あとは、常に新しいことを経験してスキルを磨くことを大切にしています。自分の中で伸ばしたい部分を常に意識して、自主的にインプットするように意識していますね。

ワークライフバランスの比率はどれくらいですか?

具体的に比率はあまり考えたことがないんですが、土日に友だちと遊んだりしてリセットするようにしています。

クリエイティブ職はプライベートとの境目が曖昧になりがちだと聞いたことがありますが、きちんとメリハリを付けられているんですね。

そうですね、休日は極力仕事をしないように過ごしています。デザインに行き詰まるとどうしても、頭の中がモヤモヤしてしまいがちで……。

でも、意外と何も考えずに休日を過ごした方が週明けにすっきりすることが多いんです。なので、意識的に自分の趣味に時間を使うようにしています。

趣味というのは例えば……?
マンガを読んだり、ハンドメイド作品を作ったりするのが趣味です。学生時代はデザインフェスタに出展するくらい好きでした。あとは、ハンドメイド作家さんのイベントや美術館へ行くことも好きです。
アートやモノ作りが好きという部分がベースにあるんですね!

そうですね。「自分のアイデアを形にすることが好き」という気持ちが、わたしのキャリアのベースになっていると思います。

正直、それがお金になるかは後付けなんですよね。自分の気持ちを優先していたら、ここにたどり着いた感じです。これからも続けていけたら良いな、と思います。

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