催促メールの注意点や書き方のポイント・例文を紹介
仕事において、メールの返信がなかなか来ない場合、催促していいものかどうか判断が付かずに悩んでしまうこともありますよね。マナー講師の三上ナナエさんに、催促メールを作成する上での注意点やポイント、例文を紹介してもらいました。
待っている返事が来ないと仕事も滞りますし、「忘れられているのでは?」と不安にもなりますね。
特にメールでの催促は、ニュアンスや感情が伝わりづらいので、門が立たないような配慮が必要です。
相手を不愉快にさせずに返信をしてもらえる催促のメールには、いくつかのポイントがあります。
こちらの思いがうまく伝わるための具体的な内容を文例とともにご紹介します。
催促メールを送る前に注意すること
まずは、催促メールを送る前に注意しておくことについて紹介していきます。
催促メールを送る前にメールボックスを確認
まず確認することは、自分のメールが相手にちゃんと送られているかどうかです。
下書きのフォルダーに入ったままになっていないか、エラーで戻ってきてしまっていないか?
そして、相手からの返信が迷惑メールフォルダに入ってしまっていないかも確認を忘れないようにしましょう。
催促メールを送るタイミングを考えよう
どの時間だったらすぐに返事をしてもらえる可能性が高いのか、相手の仕事内容や行動パターンを考えて送りましょう。
何らかの返信をもらう上でも、遅い時間にならないように配慮します。
一般的には、業務開始から10時くらいまでの間はバタバタしやすいので、10時以降~15時くらいまでがおすすめです。
行き違いを考慮した文章を考える
例えば、「先日お送りしましたが、ご確認いただいておりますでしょうか」は少々責めるようにも聞こえます。
・締め切り日の認識がお互い違っていたかも?
・システムの不具合でメールが届いていないのかも?
・締め切り日の件でこちらに伝言連絡があったかも?
これらを念頭に置くことで、配慮が伝わるメールの内容を考えられることにもつながります。
催促メールのポイント6つ
次に、催促メールを作成する上でのポイントについて解説していきます。
(1)件名を工夫する
件名を工夫することで、あなたが送るメールに注目してもらうことができ、返信してもらいやすくなります。
ポイントは、「メールを開かなくても内容が分かる」件名にすること。
結論をカッコ書きで記し、次に「何を」を明示します。
例文
・【ご確認】A社へのお見積もり内容につきまして
・【ご相談】来月Aミーティング日程候補日につきまして
(2)クッション言葉で配慮を伝える
本題から伝えずにクッション言葉からスタートすると、相手の立場を考えていることが伝わりやすくなります。
例文
・行き違いでご返答いただいているかもしれないのですが
・最近メールが届かない事例がございましたので念のため再送させていただいております
・お忙しい時期に恐縮ですが
・こちらの都合で恐れ入りますが
・勝手ばかりお伝えし申し訳ございませんが
・こちらがはっきりと期日をお伝えしておらず恐れ入りますが
(3)前回はいつ、何の件でメールをしたのか分かるようにする
相手には、あなたの他からも日々たくさんのメールが届いているはずです。
そのため、相手の立場に立ち、いつ、どんな内容で連絡をしたのか丁寧にお知らせしましょう。
例文
・○月○日にAイベントの提案の件でご連絡させていただきましたが、その後いかがでしょうか?
・8月末に〇〇のお見積もりをメールにてお送りしておりますが、ご不明な点はございますでしょうか?
(4)催促する理由を示す
理由を簡潔に示すことで、個人的な理由ではない、やむにやまれぬ事情で催促をしていることも伝わります。
例文
・◯月◯日にサイトにアップする予定ですので
・出席人数により予約するお店の個室の大きさが変わりますので
(5)日付だけでなく時間まで細かく設定する
返信期限を、日付だけではなく時間まで細かく設定する方が、行き違いが少なくなります。
例文
・15日(金)13時までにご返信をお願いできますでしょうか?
例えば今週中と伝えても捉え方に差が出るように、15日中にと言ってもその日の何時までかは人によって感覚がずれている場合があります。
お互いの認識を一緒にした方が、双方ヤキモキしなくて済みますし、締め切りを守ろうとする緊張感も出ます。
時には相手への要望をしっかりと伝えた方が、逆に親切にもなりうるのです。
(6)その他の配慮
上記以外で配慮しておきたい点は、次の通りです。
言葉遣いのチェック
相手にとって攻撃的な言葉になっていないか再度確認しましょう。
下記はNGな例ですので、こういった言葉遣いになっていないか注意しましょう。
《NG例》
・どうなっていますか
・いつお返事をいただけますか
・早急にご対応お願いいたします
再度情報をお知らせする
相手が以前のメールを探すことに時間をかけさせないために、再度何をしてほしいのか、内容のお知らせと資料を再添付するなど一手間かけましょう。
協力姿勢を示す
催促内容に応じて先方へ協力姿勢を示すことも、相手を不快にさせず催促する上では大切なポイントになります。
例えば「何かお手伝いできることがありましたらお知らせください」というような表現をすると良いでしょう。
相手別「催促メール」例文
ここでは、催促メールを送る相手別でのメール例文を紹介していきます。
取引先への催促メール例
篠田様
お世話になっております。〇〇社の吉田です。
行き違いでご連絡をいただいておりましたらご容赦くださいませ。
△の内容につきまして、その後いかがでしょうか。
お忙しいところ失礼とは存じますが、確認のためご連絡を差し上げました。
お願いする身で恐縮ですが、先方へ○日までにお返事する関係で、○日(木)13時までにお送りいただけると幸いです。
何卒、よろしくお願いいたします。
ここでのポイントは、会社対会社のお付き合いであることを忘れず、礼儀正しさを意識し、クッション言葉にバリエーションを持たせることです。
社内の人への催促メール例
田中さん
お疲れ様です。経理部の鈴木です。
いつも正確な精算書を提出くださりありがとうございます。
〇〇部は特にお忙しい時期にすみません、8月分の精算書提出の最終締め切りが
5日13時となっております。
こちらの都合で恐れ入りますが、ご協力どうぞよろしくお願いいたします。
ポイントは、距離感や関係性によっても丁寧度は変わりますが、何らかのお礼や労いからスタートすることです。
上司への催促メール
吉田部長
お疲れ様です。〇〇課の林です。
さて、月初にメールでお願いいたしましたAプロジェクト資料につき、ご状況はいかがでしょうか。
誠に勝手を申し上げますがメンバーへの事前資料配布の都合により○日18時までにいただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますがお取り計らいのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
ポイントは、忙しい上司への配慮の言葉は必要ですが、要点が分かりやすくなるようにすることです。
自分が催促メールをもらった場合の返信
鈴木様
いつもお世話になっております。銀座商事の木村です。
〇〇の件、お返事が遅れご心配をお掛けし大変申し訳ございません。
丁寧なご連絡までいただき恐縮に存じます。
すぐに〇〇に確認を取りまして、本日14時までには一度ご連絡を差し上げます。
お待たせし申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。
ここでのポイントは、即返信はもちろん、いつまでに何をするかはっきりと伝え、相手の心情に触れお詫びをすることです。
催促メールではより配慮した言葉選びを
対面では何気ない確認や催促であっても、表情や声のトーンでニュアンスを伝えられないメールは、読み手の受け取り方によって大きく印象が変わってしまいます。
そのため、より配慮した言葉選びが必要になってきます。
お互いの協力体制や信頼関係を保つためにも慎重に内容を考えて送信しましょう。
(三上ナナエ)
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