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頼られる先輩になるには? 「職場の後輩」への接し方6カ条

ぱぴこ

仕事において、「後輩への指導方法や接し方が分からない」という人も多いのではないでしょうか? 対面だけでなく、リモートでの指導となると難しさも増します。そこで今回は、外資系企業で働くコラムニストのぱぴこさんに、後輩指導のポイントやNG対応などを教えてもらいました。

今年はコロナ流行による緊急事態宣言で、入社式や新入社員研修が全てリモートという企業も多くあったのではないでしょうか。

そうなるとより難しくなるのが新入社員をはじめとした「後輩」への接し方です。

特に指導係として、特定の後輩のOJT係に任命されている場合などは、「どう指導していくべきか?」と、対面以上に悩ましい部分があるのではないでしょうか。

昨今は「パワハラ・セクハラには適切に対応するべき」という意識も広まっているため、真面目な人ほど距離感を考えてしまったり、モンスター社員と言われるような「常識」が通じない若手の扱いに悩んだり、なんてこともあります。

今回は、そんな後輩への接し方に悩む人向けに、後輩指導のポイントや心掛けておきたいNG対応などについて紹介していきます。

後輩に慕われる先輩とは?

難しい側面があるとはいっても、慕われる先輩像には共通性があるものです。

まずは「慕われる先輩」の共通点について、見ていきましょう。

(1)単純に仕事ができる

「仕事ができる人」は役職を問わず、尊敬される対象になります。

そのため、「仕事ができる先輩=頼れる先輩」となり、結果として慕われる対象になりやすいです。

(2)社内外で評価が高い

年次が若いと、先輩というだけで「慕う」対象になってしまうこともありますが、やはり評価を得ている人というのは外部からの評価も高いので、慕う気持ちが加速するものです。

自分でも「すごい」と思っていた人が、他の人からも評価が高いと「やっぱり!」と慕う気持ちが高まることはよくあります。

(3)フォローやケアがうまい

後輩が失敗しそうな部分を先回りして「こうするとうまくいく」などのアドバイスをくれる人は尊敬もされるし、後輩から見てもありがたい存在です。

過去の自分の失敗から、後輩が失敗しやすい、ミスしやすい点を先回りできる人は優秀で
す。

(4)指示の出し方が的確

後輩が先輩と接する場合は、少なからず緊張するものです。何度も分からない部分を確認したり、「“ばかか?”と思われたらどうしよう」と質問するのをためらったり。

先輩側の指示不足により、立ち止まってしまう後輩もいます。

そうならないためにも、何をすればいいのか、また困った時にどうしたらいいのかを明確に伝えてくれる人は慕われます。

(5)質問をしやすく、拒否されない雰囲気がある

先に述べたように、後輩が先輩に質問するのは緊張するものです。

後輩が緊張しながらも勇気を出して質問してきた時には、「今忙しい」などと拒否せず、しっかり耳を傾ける。

そんな先輩の「自分の話をちゃんと聞いてくれる」という雰囲気に後輩も安心し、結果として仕事も早く進みます。

一緒に仕事をするなら、コミュニケーションを取る際に威圧感がないというのは重要です。

参考記事はこちら▼

あなたにリーダーシップがあるかを10の質問から診断します。

「頼られる先輩」がやっている後輩指導のポイント6つ

せっかく指導するならば、慕われたいと思うのは先輩側も同じでしょう。

また、自分の後輩がうまく仕事をしてくれると自分も楽になります。一石二鳥の指導術はあるのでしょうか。

(1)知っている前提で話さない

業界用語や業界常識はもちろん、社内常識など、無意識に「相手も知っているのが当たり前」だと思ってしまう情報は多いです。

そのため、後輩指導の場合はなるべく専門用語を挟まない、もしくは意味を伝えることを意識しましょう。

(2)理解範囲の確認やフォローがある

一度にたくさんのことを言ったり、専門用語で話したりしてしまうと後輩がパンクしてしまう可能性があります。

また、委縮してしまい、「分からなかった部分を聞けない」ということも起こります。

そのため、適宜「ここまで大丈夫? 分からないことはありますか?」と確認しながら進めましょう。

(3)仮に後輩が失敗してもカバーできるよう準備する

どこまでやるかは難しいところですが、後輩に全部任せて完璧なものが仕上がるとは思わないで進めることは重要です。

最悪の場合の見切りをつける期日は、そこから自分が作業しても間に合うタイミングにするなど、後輩の失敗が業務に直接響かないようにケアしましょう。

負担も掛かりますが、これのいいところは「実際の失敗を振り返って指導ができる」点です。

本当に大穴が開けば指導どころではないですが、カバーできたなら「反省」で済みます。

(4)フィードバックの時間を作る

日次、週次の頻度は人や業務にもよりますが、「どうだったか」の振り返りを相互に実施することで、成長スピードは早まります。

会社から指示される定期面談はもとより、15分程度の会話の時間などを作り、コミュニケーションを深めることは指導上も重要です。

(5) ゴール設定を明確にする

「この資料を仕上げて」という指示だけで、完璧に動ける人はそういません。

仕上げのクオリティや品質などの判断は人による部分がありますし、悩むだけで進捗がない最悪のパターンもありえます。

そのためゴールイメージを明確にすることと、そこに必要な計画設計のやり方をインプットすることが重要です。

(6)できたことは褒める

実行できたことが30%程度でも、その中でいいところや伸ばすべきポイントなどを褒めると、後輩の自己肯定感も高まります。

厳しい軍隊形式が合うのか、褒めて伸ばすのかは人によりますが、褒める方が遺恨を残す可能性は低いので、積極的に褒めていきましょう。

後輩指導でのNG対応

逆に後輩指導においてNGな対応とは何があるのでしょうか?

後輩指導においても「評判が良い人」と「評判が悪い人」は、決まって存在するものです。

NGなポイントを参考にして、後輩指導に活かしていきましょう。

(1)指示が曖昧で、言っていることが変わる

最悪です。正直、一緒に仕事をしたくないタイプの人間です。

後輩への指示が曖昧だと、同僚・上司との仕事よりも事故が起こりやすいです。なぜなら、後輩側から「それはどういうことですか?」と確認の一言を発するハードルが高いからです。

何を依頼しているのかは明確にして、「いい感じにお願い」的な曖昧な言葉は使わないこと。

(2)「忙しい」を連発して、きちんと対応しない

忙しさを全身からアピールして、「話し掛けるな」というオーラを出す人はいます。

本人にそのつもりがなくとも、ただでさえ後輩と先輩という間柄なので、相手がコミュニケーションを取りづらい状況を作らないよう、先輩側で配慮するべきです。

(3)後輩からの確認待ちで、自分から声を掛けない

もちろん後輩の自主性は重要ですが、業務中はハンター試験ではありません。

相手が詰まりそうなところ、困りそうなところは、業務歴が長い先輩側であらかじめケアしてしまう方がスムーズです。

進捗を確認することや、いつでも聞きに来ていいよというメッセージを出すことは、先輩側の仕事です。

(4)「嫌われたくない」から距離を取る

今まで後輩がいなかった場合や、後輩が異性の場合、身構えてしまう人がいます。

しかし、仕事をできるようにサポートすればいいだけであり、極論、好かれる必要はありません。

あえて強く出る、いじめに近い叱責をするなどがない限り「嫌われる」ということはそうそう起こりません。自意識過剰は相互に迷惑です。

「そんなこともわからないの?」は禁句! 期待値は下げて接しよう

後輩指導がうまい人は、良くも悪くも後輩に期待していません。

期待していないから「このくらい分かるだろう」と、理解度を勝手に設定して説明を省くこともなく、確認を怠って「え、言ったことと全然違う!」という事態も発生しないよう抑えることができます。

自分で言うのもなんですが、私は比較的後輩指導での評価は高いです。それは私が「アホな新卒」だったからです。できない奴だったので、だいたいの失敗ポイントは予測もつきます。

もちろん、優秀でできる子もいますが、そのタイプは少し会話して関われば分かるので、その場合は相手に合わせて調整すればいいだけです。

自分の過去の失敗が一番生きるのが「後輩指導」ともいえます。失敗が多かったタイプはそれを生かして、優秀だった人は想像力を鍛えるチャレンジだと思って頑張りましょう。

(はぴこ)

※画像はイメージです

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