「男のプライド」を傷付けてしまう5つの言動
男心を理解したいなら、まず「男のプライド」について心得ておく必要があるかもしれません。どのような言動に気を付けたら、彼を闇雲に傷付けずに済むのでしょう? リアライフカウンセラーの藤本シゲユキさんに、「男のプライド」について解説してもらいました。
「男はプライドの生き物」と呼ばれることがあります。
この言葉の後には、「だから男性のプライドを傷付けるような発言をしてはいけない」と続くことが多いです。
では、この男のプライドという無形の存在をどのように解釈して、どのように扱えばいいのか?
今回のコラムでは、男のプライドとは何かを知り、恋人や気になる異性を傷付けないようにするための方法をお話させていただきます。
「男のプライド」ってどういうもの?
プライドとは言うまでもなく、「誇り」「自尊心」を意味します。
しかし、この2つの言葉をもってしてもいまいち分かりづらいのが、「プライド」です。
しかもプライドの中には、「しょうもないプライド」と呼ばれるものも存在するので、余計に分かりにくいですよね。
しょうもなくても、そうじゃなくても、そんなプライドを分かりやすく説明するのであれば、次のようになります。
1.「自信を持っていること」
2.「その人が守りたいもの」
3.「意地を張りたいこと」
4.「突っ込まれたくないこと」
この4つのいずれかに該当するものが、「男のプライド」と呼ばれるものになります。
どういうことか、具体例を挙げて解説していきます。
(1)仕事に対するプライド
一例を挙げながら、前述で挙げた4つの「男のプライド」に分類してみると、以下のようになります。
・仕事ができる自分 →「自信を持っていること」
・仕事が好きで取り組んでいる自分 →「その人が守りたいもの」
・成績の良さや社会的地位の高さ →「意地を張りたいこと」
・仕事ができないと思われたくない →「突っ込まれたくないこと」
いかがでしょうか?
ひとえに仕事のプライドといっても、いろんなケースが存在するわけです。
実は「男のプライド」とは、「その人が好きな自分でいるための在り方」と、「周りから○○と見られたい、見られたくないという虚栄心」の2種類があるんです。
つまり、「自信を持っていること」「その人が守りたいもの」の2つが前者に該当。
そして「意地を張りたいこと」「突っ込まれたくないこと」の2つが後者に該当します。
もちろん、虚栄心はプライドとは関係がありませんが、一般的にプライドが高いと言われる人の多くは「人からの見られ方」を異常に気にしている場合が多いですね。
だから、プライドという概念がややこしくなってしまうわけです。
(2)収入に対するプライド
このプライドは、どちらかというと虚栄心に分類されることが多いです。
なぜなら、お金がある自分が好きという人よりも、お金があると思われたい人の方が圧倒的に多いから。
要するに、収入に関するプライドがある人は、「いい家に住んでるね」「高そうな車に乗ってるね」「豪華な食事ができてうらやましい」というように思われたい傾向が強いわけです。
そしてこのプライドがある男性は、収入の高さを自慢してきます。
逆に収入が少ない男性にはこのプライドがないのかというと、実はあるんです。
それは、「お金がないと思われたくない」「稼いでいないことを触れられたくない」という虚栄心なんですね。
(3)モテに対するプライド
このプライドがある男性は、自分がモテることに絶大の自信を持っています。
女性にモテている自分が好きというケースもあれば、モテないと思われたくないというケースもあるので、こればかりは人によりますね。
ちなみに、モテに対するプライドが異常に高い男性って、結構いい年齢になっているのに「いかに自分がモテてきたか」「どれだけの女性を泣かせてきたか」という武勇伝を語ることが多いので、結構痛いです。
(4)趣味に対するプライド
これは「好きな自分でいるための在り方」に分類されることが多いです。
趣味って、自分が好きでやっていることなので、必然的にそうなるんですね。
人の趣味を馬鹿にする人間が今も昔も存在しますが、こういう人種は思いっきり相手のプライドを傷付けているわけです。
だって、「その人の趣味をばかにする=その人自身をばかにする」ということなのだから。
(5)学歴に対するプライド
このプライドは、どちらかというと虚栄心寄りになることが多いです。
有名大学を出ている人なら学歴を自慢したいし、賢い人間だと思ってほしいというように。
では、学歴コンプレックスを抱えている人にはこのプライドがないのかというと、収入のプライド同様にそんなことはありません。
つまり、「低学歴だと思われたくない」「なめられたくない」という虚栄心があるんですね。
なぜ「男はプライドが高い生き物」なのか
これまで、男のプライドを「その人が好きな自分でいるための在り方」と、「周りから○○と見られたい、見られたくないという虚栄心」という2種類に分類してご説明してきました。
ですが、悲しい現実として、虚栄心だけを「男のプライド」だと錯覚している男性が多いです。
なぜそうなってしまうのか? そこには、「男はプライドが高い生き物」といわれる理由も絡んでいます。
(1)承認欲求が強いから
「褒められたい」「認められたい」という気持ちが承認欲求になるわけですが、この欲求が強い人になるほど虚栄心が強くなります。
しかも承認欲求を満たすことが目的になると、この欲求には終わりがないので、自分らしさよりも自分の見られ方に重点を置いてしまうんですね。
(2)自己顕示欲が強いから
自分のすごさを周囲の人々に知らしめたいという欲求です。
いかに自分が稼いでいるか、いかに社会的地位が高いかをSNSなどで発信する男性が分かりやすいのではないでしょうか。
ちなみに、自己顕示欲は承認欲求と混同されがちですが、前者は自分のすごさを開示して注目されたいという欲求なのに対し、後者は「分かってほしい」「受け入れてほしい」という欲求になります。
(3)「仕事・収入」が男のプライドになることが多いから
これが、虚栄心だけが「男のプライド」だと錯覚してしまうことになる、一番大きな理由といっても過言ではありません。
なぜ「男はプライドが高い生き物」といわれるのに、女性はそういわれることがないのか?
それは、多くの男性のプライドの原点が、虚栄心を生じさせる場面が多い「仕事・収入」だからなんですよ。
だからこそ、仕事ができる人間でいることや、社会的地位、稼いでいることをステータスに感じる男性が多くなるわけです。
逆に女性のプライドの原点が何になるかというと、結婚や出産に関することになるケースがよくあります。
なので、結婚や出産がプライドの原点になっている女性の場合、先に友達の誰かが結婚したり、出産したりすると、少なからずプライドが傷付いているというわけです。
仲の良い女友達が結婚したのに素直に喜べないのって、これが原因なんですよね。
男性のプライドを傷付けてしまう言動5つ
最後は僕が思う「男のプライドが傷付く言葉や行動」を、お話したいと思います。
(1)「なんでそんなに仕事できないの?」
これは、仕事のできない人が言われたくないせりふです。
気にしていることを突かれるわけですから、傷口をえぐられるようなものなんです。
(2)「もっと稼げないの?」
収入のことはプライド関係なくデリケートな話題になるので、このせりふを言うのはかなり酷です。
結婚後、旦那さんに対して「あんたの稼ぎが少ないから」と言う女性がいますが、収入の低さだけじゃなくて能力の低さまで責められているように感じるので、かなりの地雷発言になります。
なぜなら、「収入が低い=その程度の仕事にしか就けない自分」と直結してしまうからなんです。
(3)「そんな子どもじみた遊びしないで」
これは自分の趣味を否定されたケースです。
前述したように「その人の趣味をばかにする=その人自身をばかにする」ということですから、存在を否定されたみたいで悲しくなるんですよね。
(4)「頼りないよね」
男性にはヒーロー願望があるといいますが、これは子どもの時にヒーローものの番組やマンガを通じて培われた部分が大きいです。
なので、「自分もヒーローになりたい」と思うわけですが、大人になるにつれ「頼りがいある男になりたい」といった気持ちに変化していくので、その思いを踏みにじられると、自分がすごく無価値な人間に思えて傷付くというわけです。
(5)「そんなの絶対に無理」
これは何か新しいことにチャレンジしようとしている時に、言われると傷付くせりふです。
転職していい会社に勤めたい、起業したいなどが分かりやすい例かと思います。
せっかく新しいことへのチャレンジに意欲が湧いているのに、全否定されると嫌な気持ちになるのは当然だといえるでしょう。
これって、男性に限ったことではありません。
「男のプライド」の多くは“虚栄心”がベース
以上になりますが、「男のプライド」の多くが虚栄心ベースだったことに対し驚かれた女性も多いかと思います。
つまり、それだけ「自分を良く見せたい」「大きく見せたい」と見栄を張りたい男性が多いということなんです。
だからといってそれが悪いと言いたいわけではなく、人間誰しも「人にこう思われたい自分」は存在するので、その自分を否定、拒絶、嫌悪すると大なり小なり傷付くのは当たり前なんですね。
その地雷を踏まないためにも、相手の男性が「自信を持っていること」「守りたいもの」「意地を張りたいこと」「突っ込まれたくないこと」を知るのが大切だといえるでしょう。
特に、「その人が好きな自分でいるための在り方」を批判するのは、本当にプライドを深く傷付けることになるのでご注意を。
(藤本シゲユキ)
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