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扱いづらい。職人気質な人の特徴と付き合い方

秋カヲリ

「職人気質」と聞くと、良いイメージの反面どうしてもこだわりが強くかかわりづらいといった悪いイメージがつきまといますよね。今回は、職人気質な性格の特徴やおすすめの職業、そして仕事上で付き合うコツを心理カウンセラーの秋カヲリさんに教えてもらいます。

「職人気質」と聞くと、プロフェッショナル、クリエイティブ、気難しい、神経質など、さまざまなイメージが思い浮かぶのではないでしょうか。ただ、職人気質な人はこだわりが強いイメージから、本人も周りも活かし方や付き合い方に悩むことがありますよね。

そこで今回は、職人気質な人の特徴から長所・短所、向いている職業、付き合い方のコツまで詳しく解説します!

職人気質の人の特徴

まずは、職員気質の言葉の意味とその性格の特徴をご紹介します。

職人気質とは

職人気質とは「職人に特有の気質。自分の技能を信じて誇りとし、納得できるまで念入りに仕事をする実直な性質」(出典:小学館『デジタル大辞泉』)という意味です。

専門的な知識があり、技術に長けているプロフェッショナルならではの気質だともいえるでしょう。

職人気質な人の3つの特徴

職人気質な人には以下の3つの特徴があります。

1.個性的で独自のこだわりがある

職人気質な人は「職人」という言葉からイメージできるように、専門的な特性や技術を持ち合わせていることが多いです。

その専門性を突き詰めれば突き詰めるほど、自分の中で求めるもののハードルが高くなり、強いこだわりが生まれてくるもの。そして、「こうしたい」「こうするべき」といった理想を持つようになります。

そんな強いこだわりがオンリーワンの個性を生み、強みとなるのです。

2.自信があり自尊心が強い

職人気質の人は、多くの経験を積み特定の能力を高めてきた人が多く、その実力と経験に確固たる自信があり、強い自尊心を持っています。

日本人は謙遜を美徳とする人も多いので、露骨に自信家な素振りを見せる人はあまりいませんが、実際には高いプライドと自分の軸があり、はっきりとした言動が目立ちます

3.感情的で繊細

職人気質な人は感受性が豊かで、人の感情にも自分の感情にも敏感です。ときには激しい感情を抱いたり、ナイーブになったりすることも。

特に自分が作ったものへの評価を気にして一喜一憂します。他者評価に敏感な繊細さも、職人気質な人の特徴だといえます。

職人気質な人の長所と短所

職人気質な人は、仕事上ではどのような長所(メリット)・短所(デメリット)があるのでしょう。代表的なものをそれぞれ3つ紹介します。

長所(メリット)は?

1.完成度の高いものを作り上げられる

職人気質の人は「唯一無二の存在でありたい」という思いから強い向上心を持っていて、人に影響を与えたり功績を残したりすることを常に目指しています。

そのためには努力を惜しまず行動し、ひとつのものを突き詰め、結果的に完成度が高いハイレベルなものを生み出せるのです。

2.努力家でキャリア志向

「どうやったらもっとうまくできるか」を常に模索する職人気質の人は、探求心が強く自己研鑽に積極的な努力家です。「この道でステップアップしたい」「いつまでにキャリアアップしたい」と上を目指すキャリア志向の持ち主でもあります。

興味がある物事には粘り強く取り組んで一定以上の成果を出すため、専門職以外の一般的な会社員だとしても、本人が望む職種で働き続ければ着実に力を伸ばせる人材だといえます

3.冒険心と想像力があり、新しいものを生み出せる

職人気質な人は冒険心があり、直感的に行動できるフットワークの軽さが強みです。未知の物事にも、興味を持てば自ら飛び込んでいく行動力があります。

さらに想像力にも富んでいるので、あらゆることに独自の色を加えてオリジナリティを出すことができます。

職人気質な人は、さまざまなことを自発的に体験しながら多様な経験を積み、今までになかった新しい価値を生み出せるイノベーターでもあるのです。

短所(デメリット)は?

1.協調性に欠ける

職人気質な人は自分の技術や才能に気を取られがちで、周囲にまで目を向けられなかったり気が回せなかったりと、協調性に欠ける部分があります。

我が道を行くタイプも多く、大勢の人たちが集まる場で悪気なく浮いてしまうことも。社交性が求められる場面では、居心地が悪いと感じるかもしれません。

2.融通が利かない

職人気質の人は自分のこだわりが強いぶん、自分と合わない意見や考えに対して拒絶反応を示したり、やや排他的な考えをしたりと融通が利かない面があります

折り合いをつけるのが苦手で、人と対立したり、ネガティブなイメージを植え付けたりと、敵をつくりやすいのがデメリットです。

3.感情がコントロールできない

自分が生み出したものに強い思い入れがあるので、悪い評価をされたり受け入れられなかったりすると「こんなもの作ったってなんの意味もない」「自分が作ったものは人から受け入れられない」と過剰に悲観的になり、自信を喪失することも……。

感情的になりやすく、自分の気持ちをうまくコントロールできない傾向にあります

職人気質な人に向いている仕事

では、こうしたメリット・デメリットを持つ職人気質な人には、どのような仕事が向いているのかもご紹介します。

1.デザイナー

デザイナーは基本の知識や技術の上に、自身の個性を上乗せすることで唯一無二のものを作ります。自分自身が納得できるものをつくりあげられるので、こだわりが強い職人気質の人にはぴったりです。

2.エンジニア

技術職であるエンジニアは、ひとつの技術を極める専門性を求められるので、こちらも職人気質の人にぴったりの職種です。

勤勉で妥協せず、目標に向かって突き進む職人気質な性格が、仕事の質を向上させることでしょう。

3.芸術家・音楽家

画家、彫刻家、作曲家など芸術や音楽の道は、職人気質な人でなければ生き残ることが難しいでしょう。人とは違った視点で物事を捉え、新鮮な価値を提供する職人気質の人は、芸術家・音楽家に向いています。

彫刻家、画家、建築家といった多くの顔を持ち、ルネサンス期に一世を風靡したイタリアの芸術家ミケランジェロも、職人気質な人物として知られていますよ。

職人気質な人との付き合い方

そんな職人気質な人と仕事をするとき、どう接したらいいか困ったことはありませんか? うまく付き合うコツは3つ。たったこれだけで一気にコミュニケーションがスムーズになるので、ぜひお試しください。

1.力量を認める

職人気質な人は自ら作り出すものに自信を持っている反面、とても繊細で周りの評価を気にします。「自分の仕事が認められていない」と感じると、まるで自分の人格そのものを否定されたかのようにショックを受け、心の壁を作ってしまいます。

相手の力量を認めて「〇〇さんの仕事がすごく好きで」と肯定する姿勢で向き合いましょう。

2.プライドを傷つけない

同様に、プライドを傷つけないように注意してください。

相手の仕事を否定するのはもちろん「ここがよくわからないんですけど」といったちょっとした疑問視も、思った以上に職人気質な人のプライドを傷つけます。

「とても素敵なんですが、ここが気になっていて」「ここだけわかっていなくて、ご説明いただけますか?」というように、質問や意見をするときも、ひとつクッション言葉を入れてから、コミュニケーションを進めると協力的な姿勢を持って接してくれます

3.相手の意思を尊重する

職人気質な人は人一倍こだわりが強く、言動の裏にはさまざまな意図があります。軽い気持ちで意見すると想定していた以上に反発を受け、関係が悪化してしまうリスクも……。

意外な意図が秘められているかもしれませんから、基本的には相手の意思を尊重し、その上で相談するようにしましょう。「意図がうまくくみ取れていなかったら悪いのですが」と前置きを入れたり、言い方に気をつけたりするだけで相手の反応が軟化し、仕事がしやすくなります

協力の姿勢を忘れないで

「めんどくさい」と思われることもある職人気質な性格にも、たくさんの長所があります。人とは違った希少な能力や視点を持っているので、新しいものを生み出すこともできるでしょう。

ただ、それはきっとひとりでは成し遂げられません。本人も周りの人も職人気質な性格を理解した上で、互いに協力し合うことを忘れないでください。

(秋カヲリ)

※画像はイメージです

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