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想像力とは? 欠如する理由と簡単に鍛える方法

小日向るり子

仕事をしていると「想像力が足りない」自分にうんざりすることはないですか? 今回は、そんな想像力を鍛えて仕事を軌道に乗せる方法を心理カウンセラーの小日向るり子さんに教えてもらいます。

仕事などで「想像力が足りない」「もっと想像力を働かせて!」といった注意を受けたことはありませんか? しかし、「想像力を身につけろと言われてもどうしたらいいかわからない……」と感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は主に「仕事の場で必要とされる想像力」に焦点をあて、想像力を鍛える方法をお伝えしていきたいと思います。

「想像力」とはどんな力?

想像力とは未来のことを想像し、考える力のことです。さらに、仕事上で言われる場合は未来について考えるだけでなく、その未来に対して今の行動を変えたり対策をとったりしてくださいという意味も含まれています。

もちろん「目の前の業務に集中する」「今だけを乗り切る」といったスタイルのほうが有意義な場合もありますが、こと仕事においては刹那的に仕事をしているばかりでは支障をきたすことも多いのです。

想像力はリスク管理としても、仕事への革新力としても大切な力なのです。

想像力が豊かな人の特徴5つ

では、想像力が豊かな人にはどのような特徴があるのかをお伝えします。

1.コスト意識がある

組織での立場に関わらずコスト意識があります。いくら自分がやりたい仕事であっても、それが組織に利益をもたらすことでなければしません。

また、キリのいいところまでやったほうが自分がスッキリするから、友人との食事までまだ時間があるから、といった個人的理由で残業をしたりもしません。

業務の先にある「利益を生み社会に還元する」という組織の目的を見失っていないのです。

2.顧客への意識が高い

経営学者であるドラッカーの言葉に「顧客はどこにいるか」という名言があります。

多くの人は顧客が実際にみえないところで仕事をしていますが、想像力が豊かな人ほどどんな業務においてもこの名言にあるように「顧客」のことをしっかり想像しながら仕事をする傾向があります。

3.社内的な人望がある

想像力が豊かな人は好奇心が旺盛なため、積極的に人と関わることができます。その結果、社内での横のつながりが多くなり、他部署との調整が必要なときに調整役を頼まれるなど頼りにされることが多くなります。

自分の部署のためだけに仕事をする人より社内調整ができる人には、自然と人脈と人望が集まります

4.業務の提案ができる

前述したように常に顧客のことを想像しているため、さらにどうしたらお客様が喜ぶかという「提案」もできます。

5.社内改善に意欲的

お客様満足を達成するには、サービスを提供する側がやりがいを持って生き生きと働いていることが大切です。お客様満足からさらに想像力を働かせて従業員がより快適に働けるよう、企業風土の改善に意欲的になる人も多いです。

想像力が足りない、欠如する原因

ここまでで、想像力が豊かな人は仕事がうまくいくことが理解できたのではないでしょうか。

では、次に想像力が足りなかったり、欠如してしまう理由をお伝えします。

1.好き嫌いが激し過ぎる

苦手、難しいと決めつけて絶対に手を出さない、いわゆる「食わず嫌い」が激しい人は想像力が枯渇しがちです。

好きなことに対して想像力を働かせていけばいいと考えることもできますが、残念ながら自分に好ましいことだけで成立する人生はありません。嫌なことや苦手なことにも想像を働かせるからこそ想像力は豊かになるのです。

2.刹那主義

刹那主義とは「今が楽しければそれでいい」という考えが強い性格傾向のことです。

刹那主義自体は本人が納得していれば否定するものではありませんが、問題はそこに安住し、さらに開き直っている人です。

「今がいいのだから放っておいて、文句ある?」といった態度は行き過ぎると善悪という必要な思考すら奪いかねません

3.思考の放棄

ネット環境の普及により物事の詳細や他人の意見を簡単に調べたり見たりすることができるようになりました。

しかし、自分で考えずにただ情報を鵜のみにしたり、多数派の意見に迎合したりするだけを繰り返していると、次第に「自分で考えて自分なりの意見を持つ」という作業が面倒になり、想像力が衰えてきます。

想像力を鍛える方法

では、どうすれば想像力が鍛えられるのか。想像力を鍛える方法を5つお伝えします。

1.情報を取捨選択し過ぎない

スマホが普及しニュースも情報も取捨選択できるようになりました。しかし、好きな情報しか「見ない、聞かない」では、リスク管理への想像力は培われません。ニュースはひと通り目を通す習慣をつけてみましょう。

2.別の立場から物事を見つめてみる

ドラマや映画などを見る際に、ある人物に照準を定めてその人物目線で見てみることをしてみてください。ポイントは感情移入しやすい人ではなく、なるべく反発を覚えるキャラクターでやってみること。

なかでも、初めてみるものではやりづらいと思いますので、複数回見たものがおすすめです。

3.人に対して食わず嫌いをしない

一度も体験せずに「そういう集まり無理」「あの人苦手」といった感覚で人を避けることはやめましょう。

体験しないで難癖をつける癖は想像力が磨かれないだけでなく、僻みや妬みといった負の感情を増幅させるので自分自身も辛くなってしまいます。

4.コスト意識を持つ

コスト意識を持つためには計画を立てなければなりません。

この「計画を立てる」ということが、様々なことへの想像力につながっていきます。考えるだけでなく実際に家計簿をつける、使用用途別に袋を分けて使う、など身近なことから実践してください。

5.目的意識を持つ

たとえば会議の資料を作るという業務を任されると「いかに見栄えがする資料を作るか」にこだわってしまう人がいますが、目的は「見た目の美しさ」ではありません。

本当の目的は、「その会議で何を伝えたいのか」ということです。仕事をする際は、物事を「遂行する目的」を常に意識するようにしてみましょう。

想像力が仕事を円滑に進める

いかがでしたでしょうか。「仕事で必要とする想像力」に限ってみると、まるで経営者のような視点を持たなければならないではないかと、うんざりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、私たち誰もが自分の人生の経営者です。考えることは時に苦しく面倒なことですが、仕事だけでなく自身の人生そのものをより豊かにするために、ぜひ考えることを放棄せず、想像力を育てていってください。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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