「ガラスのハート」診断。傷つきやすい原因と改善方法
心が繊細な人のことを「ガラスのハート」といいますが、なぜほかの人よりも傷つきやすいのでしょう? ガラスのハートの原因と改善方法を心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説してもらいました。また、ガラスのハート診断もあるので、ぜひチェックしてください!
「ガラスのハート」という言葉を聞いたことはありませんか?
ガラスのハートとは、脆くて傷つきやすい心を持ち、ガラスのように一度割れて(壊れて)しまうと元通りに修復することが難しい心を持つ人のことです。「心が繊細」と同義語であるといえますね。
今回は、ガラスのハートって私のことかも……と思われた方に、ガラスのハート診断やそうなる原因、さらにはガラスのハートを持つ自分への対処法までを解説してみたいと思います。
ガラスのハート診断
それではさっそくご自分の「ガラスのハート」診断をしてみましょう。
以下に9つの質問をあげましたので、YES、NOで答えてください。あまり考えすぎずにやってみましょう。
・完璧主義者である(どちらかというと完璧主義者である場合も含む)
・辛い体験をした記憶が急によみがえり不安や怒りに襲われることがときどき、あるいはしばしばある
・夜型人間だ
・他人が自分をどう見ているかが気になる
・怒鳴っている人や怒られたりしている人を見ると動悸や目まいなど自身の体調が悪くなることがよくある
・悲惨なニュースや映像などを観ると感情移入してしまい気持ちが落ち込むことがよくある
・気が強い人やハキハキと自分の意見を述べる人が苦手
・ゲームやアニメ、漫画など二次元の世界が好き
・大切な人との離別や死別体験がある
いかがでしたでしょうか。YESの数によって結果が変わります。
0~2……ガラスのハートの可能性は低い
3~5……現在は大丈夫だが今後の要因によってはガラスのハートになる可能性がある
6以上……あなたはガラスのハートです
ガラスのハートになってしまう原因
それではなぜガラスのハートになるのでしょうか。
性格形成にはいくつかの要因が複雑に絡み合っています。その代表的なものをあげてみたいと思います。
1.イジメなどの虐げられた体験
幼少期から思春期にかけてイジメなどの辛い体験をすると、どんな場面においてもまたイジメられるのではないかとビクビクする癖がついてしまいます。
さらに、恒常的にこうした体験が続くと「今は味方でいてくれる人も、いつか自分を傷つける側になるかもしれない」といった被害妄想的な思考が強くなり、他人の言動に敏感になっていきます。
2.褒められることが少ない成育歴
たとえば、テストで90点を取ってきた時点で十分すごいのに、とれなかった10点について責められる、常にできるきょうだいと比較されて育つなど、褒められる経験が少ないと、自己肯定感情が育ちません。
そのため、何かがあると「やっぱり自分のせいだ」「自分がダメだからだ」と落ち込むという自動思考が働いてしまいます。
3.ひとりで過ごすことが多かった幼少期
ひとりで過ごすことが多いと、どうしても読書、漫画、アニメ、ゲームなど非リアルな世界との親和性が高くなります。
嫌になったら止めればいい、リセットすればいい、という世界への傾倒はリアルな人間関係における耐性を弱くします。
4.身近な人(両親や家族)との死別・離別体験
自分にとってかけがえのない人との死別や離別体験は、なんらかの変化をおこす際へのハードルの高さにつながります。
「自分が動くことでまた大切な人を失ったらどうしよう」という感情が恐怖となって、足がすくんでしまうのです。
変化をせずに一か所に留まっていることも心の耐性を弱くしてしまいます。
ガラスのハートを強くする方法
ガラスのハートは必ずしも強くする必要はありません。
はかなくて壊れそうなものは限りある命を連想させますが、それは尊さであり美しさでもあるのですから。
しかし、割れそうな心を抱え続けていることがしんどいときもありますよね。
ここからは、ガラスのハートを強くしたいと考えている方への対処法を提案したいと思います。
1.予測されるパターンを何種類か考えておく
石橋をたたいて渡るタイプが多いガラスのハートを持つ方にはこの対処法はやりやすいと思います。
たとえば、恋愛で告白するときに断られたときのリアクションを何パターンか用意しておきます。
潔く諦める、友だちとして付き合っていけないか提案する、時期を見て再アタックするために一旦引くなど、最悪なものからいくつか用意しておきましょう。
2.朝型生活
セロトニンが不足すると気分が落ち込みやすくなる傾向があり、この状態が続くと鬱状態になりますが、太陽光はこのセロトニンを活性化させます。
強い心を作るためには太陽の光は必須なのです。
朝まで眠れなかったから昼まで寝よう、ではなくて、そういうときは午前中だけでもそのまま起きて太陽の光を浴びてください。
3.プライドを捨てる
心のガラスは意外と小さなプライドを繋ぎ合わせているだけのこともあります。
他人から見える自分を気にしてばかり、否定的な意見を言われると相手のことを無視して一切関わりを断つ、など。
傷つくことばかりを恐れてプライドを尖らせている自分に気づいたらそのガラスは一度全部壊してしまいましょう。新しく一からガラスを張りなおす気持ちで。
4.物事を多面的に考えてみる
強い風が吹いたとき、その風を避けるためにガラスを正面に向けて真っ向から風を受けたら割れますよね。
でも、風の抵抗をなるべく少なくなるよう角度に変えたら、ガラスは割れにくくなります。
心の持ちようもそれと同じです。
真正面から受け止めるだけではなく、自分が相手の立場だったら、友人から相談されたらなど、受けた言葉や事象についていろいろな側面から考えてみる癖をつけましょう。
作り直したガラスは前よりも強くなっている
物資のガラスは一度割れてしまうと、元の形に作り直すことはかなり難しいですが、心のガラスはそんなことはありません。
鈍感になることは難しいですが、風の抵抗を受けないようにかわすこともできますし、万が一割れても何度でも作り直すことができます。
対処法も参考にしていただき、取り組めるものからやってみてください。
作り直したガラスは必ず前よりも強いガラスになります。それが「心の成長」ということです。
(小日向るり子)
※画像はイメージです