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不機嫌にもタイプがあった!? 不機嫌になる原因や抜け出す方法

大塚統子(心理カウンセラー)

Kaoru Sawa

常に機嫌よく過ごせればよいですが、浮き沈みがあるのが人の気持ち。ときには自分でも理由がわからないまま不機嫌になってしまうこともあるでしょう。不機嫌な自分を客観視して、自己嫌悪に陥る女性もいるかもしれませんね。まわりとよい関係を築くためにも、できれば不機嫌な自分から抜け出したいもの。また、周囲にいつも不機嫌な人がいると、どのように付き合ったらよいか悩んでしまうこともあるでしょう。心理カウンセラーの大塚統子さんに、不機嫌になる心理や、不機嫌になる人との付き合い方、不機嫌になってしまう自分から抜け出す方法などについて詳しく教えてもらいます。

不機嫌になる原因とは

不機嫌とひとことでいっても、いくつかのタイプに分けることができます。不機嫌のタイプと、そうなってしまう理由について解説します。

不機嫌のタイプとは

不平・不満型の不機嫌タイプ

「Aさんが○○してくれない」「Bさんに○○と言われて傷ついた」と不平・不満を口に出すタイプ。たいてい「誰かのせい」で不機嫌になっています。すねたり、卑屈になったり、ひがんだりして、周囲から気にかけてもらおうとすることがあります。

威圧型の不機嫌タイプ

威圧的な態度で、周囲に気をつかわせるタイプ。不機嫌な態度をとって、思い通りの結果になるようコントロールしようとします。素直にお願いをしたり、上機嫌で楽しんだりするのが苦手です。本当はさみしがりやであることも。

攻撃型の不機嫌タイプ

何かの拍子で突然不機嫌になり、ヒステリックになったり、正しさを主張して相手を論破したりするタイプ。見下されたり、バカにされたりすることに敏感で、負けることが大嫌いです。周囲からはなぜそんなに熱くなるのかが理解されにくいでしょう。

無関心型の不機嫌タイプ

直接の反抗的な態度はとらないけれど、引きこもって抵抗するタイプ。不機嫌なのかどうかは周囲にはわかりにくい傾向が。チームで話し合うときに姿を消したり、引き受けたはずの仕事に手をつけなかったり、怒りを内側にため込む傾向があります。

なぜ、不機嫌になってしまうのか

「誰かに何とかしてほしい」と思っているから

このような考えだと他人の言動に影響を受けやすく、人に振り回されて不機嫌に。心理的には「誰かに何とかしてほしい」と思っていて、それが満たされない不満でいっぱいの状態です。不平・不満型の不機嫌タイプがまさにこのタイプ。これは「自分には状況を改善する力がない」といった誤解からくるものです。相手と自分を対等に思えると、相手に求めすぎなくなるでしょう。

自分の希望を伝えるのが苦手だから

実は威圧型の不機嫌タイプは「こうしたい」と希望を伝えたり、「こうしてほしい」とお願いしたりするのが苦手。思っていることがあるのに、うまく伝えられずに不機嫌になります。心理的にはどこかで「普通に頼んでも自分の言うことなど聞いてもらえないのではないか」という恐れを持っています。本当は自信がないのに、逆に「私の言うことを聞きなさい」と上から目線で人に接してしまうのですね。周囲の人に煙たがられ、なおさら不機嫌になることもあるでしょう。

責められた・否定されたと感じているから

「自分に何か悪いことがあるのではないか」「自分は不足しているのではないか」と、自分自身に対しての理解が否定的だと、他人の言動で「自分が責められている」「自分が否定されている」と感じやすくなります。責められた・否定されたと感じることで不機嫌になり、相手に攻撃的な態度をとってしまうのです。これが攻撃型の不機嫌タイプの心理。攻撃をしていると、周囲から優しくはされません。自分はひどく扱われていると感じ、また不機嫌になるといった負のループに陥ってしまうこともあるでしょう。

怒りの発散がうまくできないから

無関心型の不機嫌タイプは怒らないし、不満も言わないし、一見よい人で従順そうに見えます。しかし、一方で頑固な一面が。嫌な仕事を頼まれても正面からは断れず、我慢をためて、その仕事を完了させない形で不満を表現することもあります。怒りの感情に向き合うことが苦手で、腹が立つとその場から離れようとしたり、人との間に壁を作って引きこもったりといった対応に。健全な怒りの発散ができず、周りに気づかれずに一人で悶々と耐えているのです。

不機嫌になってしまう自分から抜け出す方法

不機嫌な状態は、他人だけではなく自分をも苦しめてしまうもの。できれば避けたい状態です。不機嫌にならないようにするための方法を説明します。

不機嫌にならないための対策

自分の感情に責任を持つ

自分が感じていることは誰かに感じさせられているのではなくて、自分が選んで感じているもの。「何を感じるかは自分次第」と心得ましょう。

上機嫌な自分を維持する

「今日も私はラッキーだ。なぜならば……」と自分がラッキーな理由を探してみましょう。不機嫌の理由ではなくて、上機嫌の理由を探すのを習慣にしましょう。

「ある」「できる」に焦点を当てる

自分には「ない」「できない」と思うと、劣等感や無力感で不機嫌になりやすいもの。自分にあるものや自分ができることに目を向けるようにしましょう。

人に感謝する

「ありがとう」と言おうとすると、誰かが自分にしてくれたことや、自分に向けられた善意に気がつきやすくなります。人の優しさに反応しやすくなり、気分がよくなるでしょう。

【番外編】不機嫌になる人との上手な付き合い方

自分だけではなく、まわりに不機嫌になる人がいる場合もありますよね。不機嫌な人に接するのはあまり気分のよいものではないでしょう。自分がいつも相手のご機嫌を取っていたのでは疲れてしまいます。また、相手が自発的に変わることを期待してもなかなか難しいもの。ですから、できるなら相手を「理解しよう」と試みてみましょう。表面的な態度に影響されるのではなく、「どんな気持ちでそんな態度になっているのだろう」と相手に興味を持つことが大切。

不機嫌な態度の裏側には「わかってほしい」という気持ちが隠れています。それがうまく表現できず、伝わらないためにモヤモヤして不機嫌になっているのです。たとえば、子どもが「ママなんてキライ」と不機嫌になるとき、その子が訴えたいのは「お菓子を買ってほしい」とか「もっと褒めて」とか「私をちゃんと見て」といったこと。不機嫌な人の態度で自分が傷つくのではなく、不機嫌な人が感じている気持ちに反応しようとしてみてください。ただし、基本的には相手の機嫌は相手の責任。巻き込まれて自分も不機嫌にならないようにしましょう。

不機嫌には理由がある! 自分の気持ちと向き合おう

誰にでも不機嫌になる瞬間はあるものです。しかし、それを前面に出してしまうと、円滑な人間関係を築くのは困難になるかもしれません。不機嫌になるのには必ず理由があります。自分がどうしたいのか、なぜそのような気持ちになったのか、今一度自分の胸に聞いてみましょう。悪いことばかりに目がいってしまう場合はよいことに焦点を当てるようにしたり、意識してまわりへの感謝の気持ちを持ったりすることで、不機嫌な自分から脱却できるかもしれません。また、周囲に不機嫌な人がいて扱いに困っているときも同様です。不機嫌な人の気持ちに反応することで、解決の糸口が見えることもあるでしょう。

(文:大塚統子、構成:Kaoru Sawa)

※画像はイメージです

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