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会社の人間関係を改善したい。ストレスフリーに働く方法

小日向るり子

おぜきめぐみ

1日の多くの時間を過ごす会社。だからこそ、人間関係がうまくいっていなければ、高いパフォーマンスを出せなくなるものです。人間関係を改善して、前向きな気持ちで出社したいですよね。今回は、会社の人間関係に悩んでいる方のために、トラブル別の人間関係改善法について、心理カウンセラーの小日向るり子さんにお聞きました。

会社の人間関係がストレスになる理由

ストレスとは刺激による反応です。人間関係も人と人が刺激をし合うものなので、少なからずストレスは発生するもの。しかし、会社の人間関係で感じるストレスは、深刻かつ重症となる傾向があります。その原因は2つです。

原因1:会社が生活基盤であること

友人関係や趣味のサークルなど、経済面が絡まないものであれば、嫌なことがあればその関係を自ら断ち切ればいいだけです。もちろんそれにともなう寂しさや、活動の幅の縮小といった弊害はありますが、少なくとも人間関係のストレスからは解放されます。

しかし会社とは、生活の基板となる「経済的安定を得るための重要なツール」です。そのため、簡単に「人間関係がストレスだから辞める」という結論は出せなくなります。つまり、「人間関係はストレスだが、そこから逃れると生活基板を失う」という未来に対する不安が、人間関係のストレスに輪をかけるのです。

原因2:会社は人間関係が目的ではない

会社とは「働いて成果をあげ、収入を得ること」を第一目的とする組織。そのため仕事で成果をあげ、かつまわりに気配りもできる人は、上司や同僚・部下からの信頼も厚くなり、結果として円滑な人間関係が築けます。

しかし、一緒に働く人に迷惑ばかりかけて、組織の生産性を下げる働き方をしていては、人間関係もうまくいかなくなってしまいます。

このように会社の人間関係がうまくいくかどうかは、仕事の出来・不出来と大きく関係してきます。またそれ以外でも、同僚の昇進・左遷や異動といった、業務上の出来事でも感情は動かされます。つまり、社内のコミュニケーション以外にも注力しなければいけないことがあるのが、会社の人間関係の難しいところなのです。

会社の人間関係を改善する方法

会社でよくある人間関係のトラブルについて、ケース別に原因と改善案をご紹介します。

会社で孤立してしまった

会社で孤立していると感じている方の多くが、「そんな私はかわいそう」と自己憐憫の感情になっています。ですが、それを解決したいのであれば、まずはこの「私はかわいそう」と思う気持ちを捨ててください。なぜなら、孤立する原因の根本にあるものが、このような「私が○○だから」という、自分の感情や欲求を最優先する思考だからです。

たとえば、孤立する人はまわりとリアルな接触を避ける傾向にあります。言葉で話したほうが効率的なことを、わざわざメールで伝えたりする行為がその代表的なものですが、この行為は自分が相手と直接話すのが嫌だからです。つまり「私が嫌だから」が最優先になっていますよね。

この「私は○○だから」という主張は、一歩間違えるとただの自分勝手な言動になりかねません。組織とはみんなで協力して運営していくもの。仕事をしていれば必ず「自分はこう思うのに……」ということがあると思います。孤立していると感じている人は、そういった場面で、「自分はこう思う」のあとに必ず「だけどまわりはどう思うか?」と考える癖をつけてみてください。

そしてもうひとつ。一緒に働いている人を見下す感情がないか、確認してみましょう。「まわりはくだらない話ばかりしていてバカみたい」「意味のない業務をしていてくだらない」などの感情を抱いていませんか? この感覚は自分の優位性を感じられる思考なので、癖になってしまいがちですが、見下される側は非常に不快です。人間性に優劣をつけると孤立してしまいますよ。

「私が最優先になっていないか」、「働いている人を見下していないか」。孤立している状況から抜け出したいと思ったら、まずはこの2つをチェックしてみてください。

上司との関係がうまくいかない

「仕事のホウレンソウ」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。ホウ=報告、レン=連絡、ソウ=相談、ですね。上司とうまくいかないと悩んでいる人は、この基本のホウレンソウができていない場合が多いです。

報告は、口頭やメールで伝える場合以外にも、日報や週報といった決まった書式で伝える会社もあると思います。その際、記入の仕方が雑であったり、要領を得ていなかったりという状態では、正しい報告ができていることにはなりませんので注意してください。

また、業務遂行状況の連絡や判断に迷ったときの相談ですが、上司との信頼関係が構築されるまでは、やりすぎるくらいにやっておくのがベターです。信頼関係ができる前に省略してしまうと、信頼関係の基盤ができません。人間関係は初期の対応が大切というのは、相手が上司でも変わりません。「ホウレンソウ」に対する横着は絶対にしないように。

そして、もうひとつ。「上司も自分と同じ人間である」という意識を持っておきましょう。組織上では上の立場の人ですが、それはイコール「人間ができている」「精神が成熟している」ということではありません。あなたにも体調が悪い日もあれば、プライベートでゴタゴタしていて仕事に気持ちが乗らない日もあるでしょう。上司も同じです。それを念頭に置かずに、上司に完璧性ばかりを求めると、自分自身が疲弊するだけです。「お互いに気持ちよく仕事をしていこう!」という意識は、部下側にも必要なのです。

同僚女性との関係がうまくいかない

はじめに、女性同士の人間関係には必ず「嫉妬」「妬み(ねたみ)」がつきものだということを念頭においておきましょう。そこに上司・部下・先輩・後輩といった職務上の立場や年齢、仕事の遂行能力という要素が複雑に絡み合っているのが職場です。

重要なのは、まず自分が嫉妬や妬みをする側なのか、される側なのか、を分析することです。自分が嫉妬や妬みの感情を「抱く側」であれば、自分がその感情を排除するように努めなくては、関係性の改善はありえません。

たとえば「あの人は男性社員に媚びてばかりでムカつく」という感情から、同僚女性に冷たくしているとしたら、その感情自体がどこからくるのかを考えてみてください。恋人とうまくいっていなかったり、男性から人気がなかったりする自分に拗ねているだけということはありませんか? ということは、この問題は自分自身の考え方や環境を改善すべきで、同僚女性に不快感情を抱くのは筋違いだと気づきますよね。

自分が嫉妬や妬みを「受ける側」である場合は、その逆で、嫉妬や妬む女性と同じ土俵に自分がわざわざ降りて悩むことはナンセンスだと気づいてください。なぜなら、嫉妬や妬みは精神的に未熟な人が抱く感情だからです。自分はその未熟さに付き合う暇はない! と割り切ってしまいましょう。

人間関係に疲れたときのリフレッシュ方法

人間関係に疲れたときのリフレッシュ方法はいくつかあります。どれが自分にとって心地いいかは、各個人の性質や疲労度によって異なりますので、ご自分に合った方法を選んでください。

会社以外の人との交流で発散させる

人間関係の悩みは人間関係で発散させる、という方法です。会社の人間関係に疲れているときは、自分のコミュニケーション能力に自信をなくしがちです。だからこそ、気の合う友人や仲間と話して、「自分にも楽しくコミュニケーションを取れる仲間がいる」ということを再確認するのです。

このときに注意したいのは、その場で会社の人間関係の愚痴ばかり言わないこと。コミュニケーションを楽しむ、という感覚を大切にしてください。

専門家に相談する

体が疲れているときに軽いストレッチをすると、スッキリすることってありますよね。心もそれと同じです。相手が何を考えているのかわからない、自分の感情をどう整理したらいいのかわからない。そんなときは、カウンセラーなど心の専門家に相談してみましょう。専門家が状況と思考の整理を手伝ってくれます。凝り固まった思考を専門家と一緒にほぐすことで、リフレッシュできますよ。

ひとりで過ごす

こちらは疲れがかなりひどいときにおすすめの方法です。とにかく人間関係の刺激を身のまわりから排除します。家で引きこもる空間がある場合はそれがベストですが、落ち着ける場所があるのでしたら、そこに出かけてもいいでしょう。人が話している声や笑い声なども、人間関係に疲弊している心には刺激が強すぎるので、テーマパークや繁華街などは避けてください。静かにひとりで過ごせる場所でゆっくりと英気を養いましょう。

ケース別対処法で会社の人間関係を円滑に

今回ご紹介したケース別対処法は、会社の人間関係に悩んでいる女性にとって、すぐにでも実践できそうなものばかり。自分自身を見つめ直して、ときにはリフレッシュして。日々ストレスフリーに働きましょう!

(監修:小日向るり子、文:おぜきめぐみ)

※画像はイメージです

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