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【マナー講師監修】結婚祝いでのご祝儀袋、失敗しない選び方・書き方

林拓鶯

最近のご祝儀袋は、かわいくてカラフルなものから豪華なものまでいろいろ。つい好みで選んでしまいそうだけれど、ご祝儀袋は袋の選び方、書き方、袱紗(ふくさ)の包み方など知らないと恥ずかしい決め事がたくさん。結婚祝いの席で恥をかかないよう、ご祝儀袋の正しい書き方について書道講師の林拓鶯さんにお聞きしました。

ご祝儀袋

ご祝儀袋の正しい書き方

結婚祝いのご祝儀袋について、表書き、中袋の書き方や使う筆記用具などを紹介します。

筆記用具

表書きの書き方

まず、贈る趣旨を記載する「表書き」は、「寿」「御祝」「御礼」などの文字がご祝儀袋の中心に来るように書きます(袋によっては中心ではないものあります)。中心の取り方は付箋などを使って工夫するとわかりやすく、付箋の中心に矢印を書いてそこから書き始めるようにすると安心して書き出すことができます。文字は「御」を少し小さめに書くときれいです。他の文字は画数が少ないものは小さめに、画数が多いものを少し大きめに書くとバランスがよくなります。今では表書きが印刷されているものがありますが、気持ちを込めて自分で書いてみるのもよいと思います。

名前の書き方

ひとりの場合

中央に表書きより幾分小さめに書きます。同姓の出席者と間違いのないように、フルネームで書きましょう。

連名にする場合

格上の人の名を中央に書き、その左に順番に書いていきます。同格の場合は、五十音順で構いません。また、夫婦で連名の場合、右側にご主人をフルネームで、左横に奥さまの名前のみを書くのがきれいです。

人数が多い場合

3人を超えるようなら代表者の名前を書き、かたわらに(他一同)と小さめに書きます。このとき、別の紙に全員の名前を書いて中袋の中に入れるとよいでしょう。中袋がない場合はご祝儀袋の中でも構いません。

中袋の書き方

中袋がある場合は、入れた金額を書きます。大字(だいじ)という旧漢字(壱、弐、参、伍、拾、萬圓)などで書くのが正式なマナーで、数字を改ざんされたり間違われたりしないようにこの形を使います。中袋に金額や住所を書く欄がある場合はその欄内に、欄がない場合は表の中央に金額を、裏の左下に住所と氏名を記入しましょう。ご祝儀をいただいた方が、あとで整理する際に必要な情報になります。

書体について

正式なものは楷書(崩さない書体)ですが、今は行書(少し崩した書体)ぐらいが美しく見えます。表書きが印刷されているものにも行書・草書があり、中には仮名書きのものもありますが、仮名書きはラフな感じがしてしまうので使う状況に気をつけましょう。きちんと見せたい場合は、楷書でしっかり書くようにします。このとき、画数が少ない字は小さめに、多い字は少し大きめに書くとバランスが取れますよ。

筆記用具について

ご祝儀袋・のし袋を書くときに、オススメの筆記用具は筆ペンで、できれば先が柔らかいものがよいです。先が硬いものは書きやすいのですが、筆ペンの良さが出にくいのです。普段使い慣れない筆ペンですが、10分ほど練習するとすぐに慣れると思います。個人的なランキングとして、下記の順番で文字が美しく見えると思います。

(1) 小筆(墨で書く)
(2) 筆ペン(先が柔らかい)
(3) 筆ペン(先が硬い)
(4) サインペンの太字(水性)

まずは怖がらずに筆ペンに慣れてみましょう。いきなり祝儀袋に書き出さずに、少しメモ用紙などで練習してから清書してみましょう。

ご祝儀の相場と、ご祝儀袋・のし袋の選び方

名前や金額の書き方について、よくわかりましたね。けれど、ご祝儀袋は渡す相手や金額によって袋の種類が変わります。お札を入れる向きや袋の閉じ方など、意外と知らない決まり事についてもお聞きしましょう。

和装

ご祝儀の相場について

結婚祝いの場合、親密さの程度や関係性で金額が変わってきます。目安としては2〜10万円で、近い関係ほど高額になります。お付き合い程度という場合には品物や1万円程度でも構いません。あくまでもお付き合いの程度で判断してください。お祝い事の場合には新札を用意して、合計枚数が奇数になるよう入れるとよいでしょう。例えば2万円の場合、1万円札1枚と5千円札2枚の合計3枚となります。昔から祝い事に関する数字は奇数がよいとされているからです。また、不祝儀の場合、紙幣は新札ではないお札にしますが、あまり汚れてシワの入っているものではなく多少使用感がある程度のお札にしましょう。

ご祝儀袋の選び方

ご祝儀袋を選ぶときに決して間違えてはいけないのは袋の水引で、大きく二つに分けられます。

結び切り

固く結ばれてほどけないことから「二度とくりかえさない」という願いを込めて、何度も繰り返したくない結婚祝い・傷病見舞い・災害見舞いなどに使われます。また不祝儀の場合も結び切りにしますが、水引の色が、白黒・黄白・銀銀などになります。

蝶結び

簡単にほどけて何度も結びなおせるので「何度あってもよいこと」ということで、出産祝い・入学祝い・お礼・あいさつなどに使われます。

また、ご祝儀の金額によって、選ぶご祝儀袋が変わってきます。高額の場合は立派な水引がついている格の高いもの(特に鶴や亀など縁起物の水引がついたものは高額のご祝儀に用いられます)、少額の場合は水引が印刷のものにします。ものによっては注意書きのように金額の目安が書いてあるので、それを参考にしましょう。

お札の入れ方とご祝儀袋の閉じ方

ご祝儀袋を用意したときに、特に気を付けなければならないのが「お札の入れ方」と「ご祝儀袋の閉じ方」です。

お札の入れ方

ご祝儀袋の「上包み」の表と「中袋」の表、そして「お札」の表、全て表向きでそろうようにしましょう。お札は向きをそろえて、表の肖像が上になるように中袋に入れます。

ご祝儀袋の閉じ方

上包みが紙を畳んだタイプのものは、「裏面の折り返し」で下から上向きに折り畳んだ方が上に重なるように閉じて水引をかけます。ただし、ご祝儀袋が袋のタイプのものはそのまま封をして構いません。

これを誤ってはいけない訳は、逆にしてしまうと不祝儀の形式になってしまうからです。不祝儀の場合、「お札の入れ方」は中袋の裏面にお札の表の肖像が下になるように入れ、「裏面の折り返し」は上から下向きに折り畳んだほうが上に重なるように閉じて水引をかけます。お祝いごとの席なので、間違いのないようにしましょう。

袱紗(ふくさ)の包み方・受付でのスマートな渡し方

これでご祝儀袋の用意は万全です。あとは、どうやって受付の人に渡すのか、スマートな渡し方や挨拶ができるよう、教えていただきましょう。

袱紗

袱紗

ご祝儀袋を袱紗に包むと丁寧で、また祝儀袋が汚れにくくなります。袱紗の包み方はご祝儀の場合、袱紗の爪を右にして中央よりやや左に祝儀袋をおいて、左、上、下、最後に右側を畳みます。包み方を逆にすると、不祝儀になってしまうので注意しましょう。

受付での渡し方

受付で袱紗からご祝儀袋を取り出し、畳んだ袱紗の上にご祝儀袋を置いて「新婦の友人の○○と申します。本日は誠におめでとうございます」などの、お祝いの言葉とともに両手で祝儀袋を渡します。その時には心を込めてお辞儀をしながらお渡ししましょう。形式だけではなく心を込めると、立ち居振る舞いが自然になります。

まとめ

結婚式でのご祝儀袋の選び方から書き方、渡し方まで、詳しく教えていただきました。
新郎新婦にとって大切な結婚式で、失礼のないようスマートに振る舞いたいですね。これからのライフステージで切り離せない冠婚葬祭のしきたりをしっかり押さえて、マナー美人を目指しましょう。

(監修:林拓鶯)

※画像はイメージです

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