「若者の恋愛離れ」って本当なの? ~恋愛マーケッターが原因と問題点を解説~
みなさんは、恋愛が面倒くさいと感じたことはありますか? 仕事や趣味の時間が充実していると、「恋人は必要ないかも……」なんて思うことがあるかもしれません。そこで今回は、「若者の恋愛離れ」の実態を大調査! また、大人気ブロガーで恋愛マーケッターのトイアンナさんに、「恋愛離れ」について解説をしてもらいました。
若者たちの恋愛観とは?
最近は「若者の恋愛離れ」といった言葉もあるように、恋愛に興味のない若者が増えているのかもしれません。実際に若い世代の人たちは、恋愛についてどのように考えているのでしょうか。ここでは、若者たちの恋愛観について、調査していきます。(※1)(※2)
恋愛に対して積極的? 消極的?
まずは、自分が恋愛に対して積極的なのか、消極的なのかを、未婚の男女それぞれに聞いてみました。
Q.あなたの恋愛タイプはどちらですか?
【男性】
・積極的なタイプ(33.0%)
・消極的なタイプ(67.0%)
(※1)有効回答数176件
【女性】
・積極的なタイプ(22.7%)
・消極的なタイプ(77.3%)
(※2)有効回答数198件
男女ともに、恋愛に対して消極的なタイプが圧倒的に多い結果となりました。女性に関しては、8割弱が消極的だと答えています。
恋愛に対して自分が積極的だと実感したエピソード
恋愛において、積極的なタイプの人は少ないことがわかりました。その数少ない積極的な男女に、どんなときに自分が積極的だと感じたのかを聞いてみました。
自分からグイグイ行く
・「好きな人にはグイグイ行くから」(27歳女性/その他/販売職・サービス系)
・「気になったら、何人かの友達を通してでも連絡先を聞き出す」(24歳女性/その他/技術職)
・「気になる子には自分からグイグイ行くから」(32歳男性/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)
・「好きになったらガンガン行くので」(31歳男性/その他/販売職・サービス系)
自分から話しかける
・「気になる相手がいたら自分から話しかけちゃう」(25歳女性/運輸・倉庫/その他)
・「消極性を装っていても、気がつくと、気になる異性に自分から声をかけている」(32歳男性/その他/営業職)
・「好きな人ができると駆け引きは関係なく連絡しないと我慢できなくなるから」(32歳男性/自動車関連/技術職)
・「自然に声をかけるなど」(30歳男性/その他/その他)
自分から告白する
・「気づけば今までいつも自分から告白していたから」(24歳女性/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「好きだと思ったら自分から告白するから」(23歳女性/医療・福祉/専門職)
・「好きな人には好きとけっこう伝えるタイプだから」(23歳男性/その他/営業職)
・「自分から告白するから」(22歳男性/小売店/販売職・サービス系)
自分から誘う
・「いいなと思った人には自分から食事に誘う」(24歳女性/医療・福祉/専門職)
・「自分から食事やデートに誘うから」(27歳女性/その他/販売職・サービス系)
・「好きな人ができると比較的積極的にアプローチする」(33歳男性/その他/販売職・サービス系)
・「気になる人には自分から話しかけるし、遊びに誘ったりもする」(30歳女性/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
とにかく「自分からアクションを起こす」ことが、積極的なタイプの人のよう。こういう積極性のある人が、世の中から少なくなっているということですね……。
恋愛に対して自分が消極的だと実感したエピソード
逆に、自分が消極的なタイプだと答えた方に、そう感じたエピソードを紹介してもらいました。
自分から話しかけられない
・「気になる子がいてもなかなか話しかけられない」(22歳男性/学校・教育関連/販売職・サービス系)
・「好きな人ができても自分から声がかけられない」(33歳女性/電力・ガス・石油/秘書・アシスタント職)
・「好きな人になかなか話しかけられない。話しかけられても緊張してしまうから」(29歳女性/団体・公益法人・官公庁/その他)
・「なかなかうまく話しかけられない」(33歳男性/学校・教育関連/営業職)
告白できない
・「好きな異性がいても自分から告白することがないから」(22歳女性/その他/その他)
・「嫌われたくないのでどんなにいい雰囲気でも告白できない」(22歳女性/金融・証券/専門職)
・「告白したこともされたこともないから」(23歳男性/その他/その他)
・「告白したことがほとんどない」(33歳男性/小売店/販売職・サービス系)
誘うことができない
・「好きな人ができても自分からガンガン誘ったりすることはない。すぐにあきらめる」(30歳女性/情報・IT/技術職)
・「好きな人がいても絶対自分からデートに誘えないから」(33歳女性/医療・福祉/専門職)
・「気になる人がいても誘えない」(28歳男性/その他/その他)
・「自分から行動できない。相手をごはんに誘ったりとか」(31歳女性/その他/その他)
自分から動けない
・「気になる人がいてもなかなか自分から動けない」(30歳女性/小売店/その他)
・「気になる人ができても、嫌われたくないので近づけない」(31歳女性/医療・福祉/その他)
・「その女性にどう踏み込んでいいかがわからないので」(28歳男性/その他/その他)
・「なかなか自分から踏み出せないから」(25歳男性/機械・精密機器/技術職)
恋愛に消極的な人の多くは、やはり自分から行動するのが苦手なよう。好きだという気持ちや、恋愛をしたいという気持ちよりも、不安や緊張のほうが勝ってしまうのかもしれませんね。
恋愛が面倒くさくなった理由って?
積極的に異性にアプローチできない人も多いですが、恋愛を面倒と考える若者も多くなってきていると聞きますよね。そこで、若者たちが恋愛を面倒に感じる理由について、調査しました。(※1)(※2)
恋愛が面倒くさくなったことがある?
まずは、恋愛が面倒だと思ったことがあるかどうかを、未婚の男女に聞いてみました。
Q.恋愛が面倒くさくなったことがありますか?
【男性】
・ある(61.4%)
・ない(38.6%)
(※1)有効回答数176件
【女性】
・ある(68.2%)
・ない(31.8%)
(※2)有効回答数198件
男女ともに、恋愛が面倒だと感じたことがある人が多い結果となりました。どんなことが原因で恋愛が面倒だと感じてしまったのでしょうか?
恋愛が面倒くさくなった理由って?
ではさっそく、恋愛が面倒だと感じた理由について、ズバリ聞いてみました。
自分の時間がなくなるから
・「自分の時間がなくなるし、交際費がムダに高い」(23歳男性/その他/営業職)
・「自分の時間を割くのがもったいない。その時間でやりたいことはいくらでもあるから」(31歳男性/運輸・倉庫/その他)
・「相手との時間が合わなかったり、自分の時間が持てなくなるから」(32歳女性/医療・福祉/専門職)
・「一緒にいる時間が長くて自分が時間がほしいと思ったとき」(33歳女性/その他/その他)
仕事が忙しいから
・「仕事が忙しく、疲れて休みたいけど、デートの予定を立てるのが面倒」(30歳男性/商社・卸/営業職)
・「仕事が忙しくて連絡を取るのが面倒になった」(24歳女性/情報・IT/技術職)
・「仕事で忙しくて、恋愛をする気力がわかない」(25歳男性/機械・精密機器/技術職)
・「仕事とかが大変だと他人にやさしくできなくてそういうときに実感した」(25歳女性/学校・教育関連/専門職)
相手に合わせないといけないから
・「相手に合わせたりしないといけないので、自分中心に行動できないから」(25歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「相手に合わせること自体が面倒くさい」(26歳男性/その他/事務系専門職)
・「相手の趣味や生活リズムに合わせてストレスを感じたときに面倒くさいと感じた」(33歳女性/医療・福祉/専門職)
・「相手に合わせるのが面倒」(28歳男性/その他/その他)
相手の気持ちがわからないから
・「相手の気持ちがわからずもどかしい気持ちが面倒くささに変わった」(31歳女性/医療・福祉/その他)
・「相手のことを考えるのが面倒になってしまったときがある」(29歳女性/小売店/販売職・サービス系)
・「その人の気持ちを考えるのが難しい」(29歳男性/情報・IT/その他)
・「相手は自分のことが好きなのかとか、相手の気持ちを考えると面倒くさくなる。自分の時間がなくなったりするときも面倒くさく感じる」(31歳女性/その他/その他)
恋愛が面倒になる状況としては、時間的な問題が大きいよう。忙しければそれどころではないですし、また、相手に合わせるのもストレスとなるようです。こういった苦労をしてでも会いたいと思える相手でなければ、恋愛は面倒となってしまうのかもしれませんね。
恋愛マーケッターが解説! 恋愛離れの原因と問題点
これまでの調査で、若者が恋愛に対して消極的だったり、面倒くささを感じたりしている現状が浮き彫りとなりました。しかし、若者の恋愛離れは、本当に起こっていると言えるのでしょうか? もしそうなら若者が恋愛離れをする原因とは? 今回は、恋愛マーケッターのトイアンナさんに「若者の恋愛離れの原因と問題点」について解説してもらいました。
若者の恋愛離れって本当? 恋愛離れの原因とは
若者の恋愛離れは本当です。2015年に独身を対象にした調査で「交際している異性はいない」と回答した方が5年前と比較して男性で8.4%、女性は9.6%増えました(※3)。その一方で未婚率は劇的に改善しているというデータもあります(※4)。つまり「結婚できる人」と「結婚したくても恋愛すらできず苦しんでいる人」のギャップが大きくなっていると推察されます。
こうして見るとあたかも「恋愛する気がない独身が増えている」ように見えますが、男女ともに年収が高い人ほど恋人がほしいと答えています。若者で恋愛できない、したくないと答えている人はお金がないだけかもしれません(※5)。結婚まで考える恋愛ならなおさら「安定収入がない自分には恋愛する余裕や資格がない」と考えてしまう。これらが恋愛離れの背景でしょう。
恋愛離れで生じる問題は?
今の20~30代は、不景気の影響を物心ついたころから被った世代です。ですから親世代の豊かな暮らしにあこがれを抱く一方で「それほど稼いでいない自分には結婚する資格がない」と自ら烙印を押しています。さらに恋愛結婚ありきの世代なので、「婚活を通じて結婚するのは売れ残り」と思って踏み出せないのが現状です。
けれども恋愛と結婚はそもそも別モノ。まずは「将来結婚してもしなくてもいい」リラックスした恋愛の機会を増やしてもいいと思います。また、結婚することで年収300万同士のカップルが世帯所得600万になれるから……と生活のために婚活してもいい。恋愛も結婚もする資格がない、と自分を切り捨ててしまう前に「自分が肩の力を抜いて楽になるためにどちらがいいか」という目線が生まれるといいですね。
まとめ
「なんだか恋愛が面倒だな」「私なんて恋愛をする資格がないわ」と思ってしまうのも、今の時代は仕方のないことなのかも。トイアンナさんの言うように、恋愛と結婚を別モノとして考えられるようになれたら、気持ちも楽になりそうですね。
(監修:トイアンナ、文:ファナティック)
※画像はイメージです
マイナビウーマン調べ
(※1)
調査日時:2017年3月13日~3月14日
調査人数:176人(22歳~34歳の未婚男性)
(※2)
調査日時:2017年3月13日~3月14日
調査人数:198人(22歳~34歳の未婚女性)
参考
(※3)http://www.nippon.com/ja/features/h00150/
(※4)http://blogos.com/article/188453/
(※5)http://news.mynavi.jp/news/2015/06/23/687/