「箱入り娘」ってどういう意味? 結婚相手として男性にどう思われるの?
こんにちは、ライターの仁科友里です。
何かと他人からの評価が気になる若きみなさんのお悩みを、今日も「亀の甲より年の功」で一緒に考えていきたいと思います。今回は「箱入り娘」の恋愛について。
箱入り娘とは
最近めっきり聞かなくなった言葉ですが、「友だち親子」が増えていると言われている今、箱入り娘は増えているのかもしれません。
国語辞典によると、「めったに外へ出さないように、家庭の中で大事に育てられた娘」を箱入り娘と呼ぶそうです。
しかし、日常生活で使われる言葉というのは、辞書とまったく同じ意味で使われるとは限りませんし、言語感覚は人によってちがいます。
どんな言葉もポジティブ、ネガティブ、両方のニュアンスで使われることがありますから、前後の会話や人間関係に応じて判断したほうがいいでしょう。
「箱入り娘」と呼ばれる女性の特徴
昨年、日本テレビで放送されていた『過保護のカホコ』というドラマをご覧になったでしょうか。
主人公のカホコは、母親の過干渉に悩む女子大生でしたが、彼女は典型的な箱入り娘といっていいかもしれません。カホコの特徴を列記してみましょう。
特徴1:家族以外の人間関係がない
学校が終わるとまっすぐ家に帰り、いつも家族と一緒にいるため、友だちもボーイフレンドもいません。また、本人もそこに疑問を感じていません。
特徴2:身のまわりのことができない
お母さんがいろいろと身のまわりの世話を焼いてくれるため、基本的な家事ができません。本人も、そのことに対する危機感がありません。
特徴3:勤労経験がない
勤労経験がないので、お金を稼ぐ大変さがわかっていません。当然、金銭感覚もしっかりしているとはいえません。
特徴4:他人と接することが苦手
親や親戚など「絶対的に自分を肯定してくれる存在」だけに囲まれて育っているため、関係性が常に変化する他人との交際が苦手です。
悪気はないのに、怒らせてしまいます。
特徴5:相談相手がいつも親
両親が身近な相談相手であることはまちがいありませんが、相談内容によっては、ご両親の意見があまり参考にならないこともあります。
そこに気づかずに、時代性を無視して両親の価値観だけで判断してしまうことがよくあります。
箱入り娘に対する男性の本音
昭和の時代は「お嬢さまブーム」がありました。平成も終わろうとしている今、箱入り娘はどうとらえられているのでしょうか。
「箱入り娘」に対する男性の印象とは
男性たちに、「箱入り娘」に対する印象を聞いてみました。「箱入り娘」を世間知らずな女性と解釈するか、深窓の令嬢と解釈するかで評価は分かれそうです。
Q.箱入り娘と聞いて、どんな印象を持ちますか?
いい印象(51.9%)
悪い印象(48.1%)
※有効回答件数453件
いい印象と悪い印象がほぼ半数といえる結果になりました。男性は何をもって「箱入り娘」をいい(悪い)としているのか、見ていきましょう。
いい印象を持つ男性の意見
大切に育てられている
・「大事に育てられてきた感じがするから」(男性/33歳/機械・精密機器/技術職)
しつけられている
・「親のしつけがきちんとされていて、いい教育も受けてそう」(男性/35歳/運輸・倉庫/その他)
マナーがしっかりしている
・「良家のお嬢さまで知識やマナーなどがしっかりわかっていそうなイメージ」(男性/39歳/警備・メンテナンス/その他)
上品そう
・「上品なイメージがある。純粋な心を持っていそう」(男性/37歳/その他/販売職・サービス系)
男性の評価ポイントは、しつけのよさと、立ち居振る舞いの美しさのようですね。しかしながら、遊び人の女子でも立ち居振る舞いの美しい子はいるわけですから、箱入り娘かどうかは問題ではないと見ることもできるでしょう。
悪い印象を持つ男性の意見
世間知らず
・「世間知らずではないかと心配になる」(男性/25歳/その他/その他)
ガードが堅い
・「ガードが堅すぎて、手が出せない」(男性/31歳/電力・ガス・石油/事務系専門職)
わがまま
・「かわいがられすぎてわがままなイメージです」(男性/35歳/警備・メンテナンス/その他)
遊び方を知らない
・「遊び方を知らないと、教えたりすることが面倒だからです」(男性/38歳/機械・精密機器/技術職)
ネガティブなイメージを持つ男性は、年齢相応の常識を持っていない、自分がすべて世話を焼いてあげないといけない、距離を詰めるのが大変そうな部分に「面倒くささ」を感じているようです。
箱入り娘が恋愛するには?
私は婚活関連の書籍を出したことで、読者の方から婚活相談を受けることもあります。
その中で「男性とまったく接点がない」という「箱入り娘」からの相談を受けることもありますが、彼氏を作るのは厳しいと言わざるを得ません。
しかし、それは箱入り娘が悪いというより、そこからもたらされる行動パターンがよろしくないということです。
全国の箱入り娘のみなさま、胸に手を当てて、以下の項目をチェックしてみてください。
ポイント1:男性は王子様ではないと知る
基本的に女性の恋愛観のベースになるのは少女漫画だと思いますが、創作物の世界では男性がいつもリードしてくれます。
女性側の感情の変化にも敏感で、落ち込んでいるときにはやさしい言葉をかけてくれますし、いざというときには助けに来てくれます。
しかし現実では「男性がデートをリードするべき」という考え自体が廃れていますし、物の見方や思考回路は性差も個人差もありますが、男性が女性の気持ちを理解してくれるとは限らないのです。
現実と創作物はちがうという割り切りが必要です。
ポイント2:男性とお茶をする
箱入り娘たちに不足しているものは、経験です。
しかし、いきなり彼氏という基本オンリーワンな存在を作るのもハードルが高いでしょう。そこで、まずは職場の男性の先輩とお茶をしてみることをおすすめしています。
たとえばスターバックスで新メニューが出たとしたら、男性の先輩を誘って行ってみる。女性の先輩も誘って複数人で行くのもいいです。
男性と日常会話をすることで、「男性はこういうふうに物を見るんだな」と、男性と女性のちがいを分析してみてください。
ポイント3:経験が少ないことを先に言う
交際経験がないと、デートや合コンで必要以上に緊張してしまうかもしれません。
なので、先に自分から「あまりデートをしたことがない」と言ってしまうのも手です。そうすれば、相手もある程度は気を使ってくれるはずです。
ただし、ほかの女性がいる前でこの作戦を実行すると「純粋ぶりっ子」と言われる可能性があるので気をつけましょう。
結婚したいなら自分で稼ぐ努力をして
交際経験がない女性でも、すぐに結婚できる人とそうでない人がいて、その決定的な差は「自分で稼ごうとしているかどうか」です。
たとえば芸術系大学の出身者で「芸術では食べていけないので、生活費を稼いでくれて、自分の活動をサポートしてくれる男性と結婚したい」という女性がいます。
昭和のころであれば、卒業と同時にパパみたいな男性と結婚することはめずらしくありませんでした。
しかし今は、収入のある男性ほど、女性の稼ぎにシビアです。
働く女性が増えた今、男性の収入ばかりに頼って仕事をしない女性と、きちんと自分で仕事をする女性、どちらと結婚したほうが結婚生活にメリットがあるかは、言うまでもなく後者でしょう。
大金を稼げという意味ではなく、自分の食い扶持は自分で稼ぐという姿勢が求められていると考えてください。
箱入り娘よ、外に出よう。希望は箱の外に散らばっている
「箱入り娘」という言葉は、女性は何も知らないほうがいい、性的な経験がないほうがいいという古風な考えを含んでおり、つきつめていくと「女は若くて処女がいい」という蔑視を含んでいます。
女性差別の片棒を女性がかつぐと、あなた自身が損をします。箱から出て、楽しい冒険をしてみてください。
(仁科友里)
※画像はイメージです
※『マイナビウーマン』にて2016年2月にWebアンケート。有効回答件数453件(22歳~39歳男性)