好きな人がタバコを吸っていたらどうする? 喫煙者とうまく付き合う方法まとめ
タバコが嫌いな人にとって、喫煙する男性との交際は不満や戸惑うことが多いでしょう。「彼のことは大好きだけど、タバコの煙が嫌い」、「キスのとき、タバコのニオイが気になる!」などなど。そこで今回は、社会人男女に取ったアンケートをもとに、「タバコを吸う人とうまく付き合う方法」について紹介します。さらに呼吸器内科の吉武姿子先生にもアドバイスをもらいました。
「喫煙者」と付き合う女性の実態
そもそもタバコ嫌いなら「喫煙者」と付き合わなければいいだけのこと。それなのに何故「彼氏が喫煙者で~(泣)」と悩む人がいるのでしょうか。まずは、タバコ嫌いの女性と喫煙男子による恋の実態について探っていきます。
タバコ嫌いなのに「喫煙者」に恋したことがある女性6割!
マイナビウーマンがタバコ嫌いな女性403名に行ったアンケートによると、なんとタバコ嫌いなのに、喫煙者を好きになったことがある女性は6割もいることが判明!
Q.タバコ嫌いなのに、喫煙者を好きになったことがありますか?
(※1)有効回答数403件
いくら自分がタバコ嫌いでも、始まってしまった恋は止められなかった人が多いことが分かりました。
●好きな人が喫煙者と知ったときの心境
では、好きな人がタバコを吸っているのを知ったとき、女性たちの心境はどうだったのでしょうか。やはりショックなのでしょうか……人によっては、恋を諦める人もいそうですよね。喫煙男子を好きになったことがある女性たちに、そのときの心境を教えてもらいました。
(1)自分の前では吸ってほしくない
・「タバコを吸ってもいいけど、私の前ではあまり吸ってほしくないと思った」(31歳/医療・福祉/専門職)
・「自分の前では絶対に吸わないでほしい」(33歳/医療・福祉/その他)
喫煙自体はいいけども、自分の前では吸わないで! という意見が多くあがりました。彼の喫煙自体は受け入れるけども、配慮ある行動を求めるようですね。
(2)できればやめてほしい
・「できれば禁煙してほしいが無理にはすすめない」(24歳/自動車関連/その他)
・「できればタバコをやめてもらいたいけど、無理ならせめて私といるときだけは我慢してもらいたい」(34歳/団体・公益法人・官公庁/その他)
本当はタバコをやめてほしいけど、強要はしたくない(できない)……。だけどせめて自分と一緒にいる間くらいは吸わないで欲しいという声も。どうやら女性の心境としては、「自分の前では吸ってほしくない」「できればやめてほしい」の2つを思うようですね。
●好きな人が喫煙者と知ってあきらめた女性の割合
つづいて、彼が喫煙者と知って恋を諦めた人の数について調査してみました。
Q.好きな人が喫煙者と知った後、あなたはその恋をあきらめましたか?
(※1)有効回答数403件
ほとんどの女性は、好きな人が喫煙者でも諦めないようですね。みなさん、どんな理由から諦めなかったのでしょうか。
(1)ヘビースモーカーじゃない&非喫煙者に対して配慮がある
・「タバコを吸うということを含めてもその人が好きだったし、1日の喫煙量を聞くとヘビースモーカーではなさそうだったから」(33歳/学校・教育関連/専門職)
・「タバコを吸っているときも好きだし、ヘビースモーカーではなく、吸わない私を配慮してくれるから」(28歳/その他/販売職・サービス系)
1日の喫煙量から「ヘビースモーカー」ではなさそう……と判断し、それなら許容範囲だと思う女性の意見です。たしかに1日1箱(20本)も吸う人と、1日に数本だけ吸う人では、全然違いますよね。
(2)好きだから
・「好きだから。でも自分の前では吸ってほしくないし、できればやめてほしいと伝える」(33歳/医療・福祉/専門職)
・「好きという気持ちが大きくて変えられそうになかったから」(28歳/その他/その他)
あきらめられない理由は、相手のことが好きだから。これに尽きるかもしれませんね。一度好きになってしまった気持ちを、簡単に忘れることはできませんよね。
(3)嫌いになる十分な理由にならない
・「それで嫌いになるなら、その程度の気持ちだと思うから」(32歳/運輸・倉庫/技術職)
・「それで嫌いになる理由にならないし、吸ってる人は特に嫌いではない」(33歳/医療・福祉/その他)
タバコを吸うくらいで嫌いになるくらいなら、もともとその程度の気持ちだったという意見も。本当に好きなら喫煙は恋の障害にはならないという人もいるようですね。
●喫煙を理由にあきらめず、交際にいたった女子の割合
タバコ嫌いの女子のうち、95%が好きな人が喫煙者だとしても諦めないと答えました。では実際に思いを貫き、喫煙者と付き合った人はどのくらいいるのでしょうか。
Q.喫煙者と付き合ったことがありますか?
(※1)有効回答数403件
およそ93%の女性が喫煙者と交際経験があるようですね。そこで気になるのが、タバコ嫌いな彼女たちが、どのように「喫煙男子」と付き合っているのかです。タバコをめぐるケンカは起きないのでしょうか。ここからはタバコを吸う彼との付き合い方について、アンケート結果を見ていきましょう。
●彼に「タバコ嫌い」は打ち明けるべき?
晴れて彼氏彼女になったものの、タバコ嫌いの事実が変わるわけではありません。とはいえ「タバコ嫌い」を正直に打ち明けていいものか、悩みますよね……。彼に打ち明けたと言う人はどのくらいいるのでしょうか。
Q.交際中、彼はあなたがタバコ嫌いなことを知っていましたか?
(※1)有効回答数403件
約8割近くの人が、自分はタバコ嫌いだということを彼氏に告げたようですね。では、タバコ嫌いを打ち明けたことによって、何か変化はあったのでしょうか。
(1)目の前では吸わなくなった
・「私の前では吸わない、どうしてものときは常に換気した状態で煙もこちらに流れないように気をつけてくれた」(32歳/医療・福祉/専門職)
・「私の前では吸わないようにしてくれた。どうしても吸いたいときは、離れたところで吸ってくれた」(28歳/その他/その他)
自分の前でも平気でタバコを吸っていたのが、打ち明けたことで、目の前では吸わなくなってくれた彼氏もいるようですね。
(2)禁煙・減煙した
・「タバコを嫌いだと伝えたら、やめてくれた」(31歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「タバコの本数を減らし、最後には禁煙してくれた」(33歳/小売店/販売職・サービス系)
彼女がタバコ嫌いならと、思い切ってタバコをやめてくれた男性もいるようですね。よっぽど彼に愛されているようでうらやましい限りです。
(3)吸う場所を変えた
・「ベランダでタバコを吸ったり、換気扇の下でタバコを吸ってくれていた」(24歳/その他/その他)
・「ベランダで吸ってくれることもある。ベッドルームでは絶対に吸わない」(29歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
おうちデートやお泊まりデートをするときは、タバコの煙が気になるもの。彼女を気遣って、ベランダや換気扇の下など、吸う場所を変えてくれた男性もいるようですね。
タバコ嫌いを打ち明けることで、大多数の男性は喫煙場所を変えたり、減煙したりと行動を変えてくれるようです。お互いに気持ちよく付き合うためにも、勇気をもって「タバコ嫌い」は打ち明けたほうが良さそうですね。
●タバコにまつわるルールは決めるべき?
タバコ嫌いを打ち明けずに我慢するより、打ち明けたほうが彼も配慮してくれることがわかりました。でもときには、配慮だけじゃ足りないこともありますよね。そこで「喫煙ルール」を作っていたカップルはどのくらいいるのか調査してみました。
Q.タバコに関するルールを2人で決めていましたか?
(※1)有効回答数403件
アンケートの結果、ちょっと少なめの35%の女子が彼とルールを決めていたようです。一体どんなルールなのでしょうか。見ていきましょう。
(1)一緒にいるときはタバコは禁止
・「自分の前では吸わない! そのうち絶対にやめる!」(33歳/その他/その他)
・「一緒にいるときは吸わない、電子タバコでガマンする」(30歳/その他/その他)
一緒にいるときはタバコはNG! にしたカップルもいるようです。彼氏の喫煙度合いにもよりますが、ヘビースモーカーの人にとっては苦行になりそうです。また、葉タバコはだめだけど、電子タバコであればOKという意見も。
(2)家の中では吸わない
・「家の中では吸わない、結婚を考えているならやめることを考えておく、など」(30歳/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「家では吸わないこと、吸いたくなったら外に出ること」(27歳/その他/販売職・サービス系)
家の中でタバコを吸われると、家中タバコくさくなってしまいますよね。せめて外で吸うように、約束をしているようですね。
(3)タバコ代を決める
・「1日の本数、1カ月のタバコ代などを話し合った」(28歳/その他/その他)
・「タバコ代は月に一万円までと決めた」(33歳/その他/その他)
タバコも年々値上がりを続けており、月のタバコ代だけでもかなりの出費となるもの。1カ月のタバコ代を決めることで、彼にタバコを控えさせる作戦でしょうか。
みなさん、いろんなルールを決めて実行しているようですね。気をつけたいのが、お互いに納得できるルールを作ること。ルールは運用できてこそ意味があります。いきなりハードルの高いルールを設け、「守れない!」なんてことにならないようにしたいですね。
「喫煙者」と付き合う人が抱える不満と解消法
タバコ嫌いを打ち明けたり、2人で喫煙ルールを決めたり……。おのおの工夫して喫煙者と交際していることが分かりましたね。しかしそれでも約57%の女性は、彼に対してひそかに不満を抱えているようで……。一体どんな不満を抱えてるのでしょうか。女性たちが抱えている不満とその解消法について、呼吸器内科の吉武姿子先生のアドバイスとともに紹介します。
Q.タバコを吸う彼に対して不満はあります(ありました)か?
(※1)有効回答数403件
●タバコを吸う彼氏への不満と解消法
(1)歯が汚い
・「たばこを吸う人は歯の裏がとても汚いのでそれが嫌だった」(33歳/その他/その他)
・「歯が汚くなる、口臭が強くなる副流煙など」(33歳/その他/その他)
タバコを吸うと歯にタール(ヤニ)がつく話を聞いたことがある人は多いでしょう。女性たちもそれを実感しているようです。好きな人の歯が汚いと幻滅ですよね。
★解消法★
吉武先生:
喫煙者の歯の黄ばみはタール(いわゆるヤニ)が歯の表面に付着することによるもの。また、歯の表面だけでなく舌や歯垢にも付着します。ということは、歯を清潔に保つには、タールの口腔内残存をできるだけ少なくする工夫と、付着量をできるだけ少なくする工夫が必要です。
タールの口腔内残存をできるだけ少なくするには、まず喫煙後すぐの「うがい」が有効です。付着する前に物理的に洗い流すという考え方です。歯みがきも有効ですが、タールは歯だけでなく舌や歯垢にも付着するので、歯垢の溜まりやすい歯間や歯と歯茎の間も念入りに磨く、舌を傷つけないようにガーゼで拭うといった工夫が有効です。つまり、歯を清潔に保つためには、歯だけでなく口腔内全体の環境を良くする必要があると考えた方がよいです。できれば定期的に歯科受診し歯科健診とクリーニングを習慣化するとなおよいでしょう。
(2)なかなか禁煙できない彼にイライラする
・「やめると言ってたのに一向にやめる気配がない。やめる気あるのか?という優柔不断さ」(31歳/医療・福祉/その他)
・「隠れて吸っていたり、嘘ついてまで吸ったりしてた。」(33歳/その他/その他)
止めると言ってる割になかなか止めれない彼にやきもきしている女性は多い模様。なかには隠れてすったり、嘘をついてまで吸ってる男性も。これには女性もショックですね。
★解消法★
吉武先生:
前提として、禁煙には本人の意思が必要不可欠です。本人が止める必要性を感じなければうまくいかないということを念頭に置いてください。具体的な禁煙の方法(次の章「好きな人にタバコを止めさせるor減本させる方法」参照)を試みるにしても、本人が自分の意思で禁煙しようと思っていることが大前提で、その動機付けの部分を彼女なり家族なりの身近な人から行っていただくといいと思います。
とは言え、この動機づけの部分が一番難しいのも事実。そこで一番大事なのが、禁煙を勧めるステップの前に、まずは傾聴、共感です。平たく言えば、相手の言い分を否定せずにとにかく聞いてあげること、そしてその気持ちには理解を示すこと。仕事のストレスなど、喫煙者には喫煙者なりの「吸わずにはいられない」理由や背景があるという点には理解を示す姿勢が大事です。まずは共感です。「大変だね」「仕事が忙しいとストレスがたまるのね」など、相手の言い分のオウム返しだけでも共感になります。最終的には禁煙を勧めるにしても、先に共感の順番が大事です。
(3)口臭が気になる
・「キスをする時に口の中が臭かった時もあった。」(28歳/その他/販売職・サービス系)
・「口臭とか手のにおいが気になった」(28歳/その他/その他)
せっかくのキスも、タバコのニオイがしたらガッカリですよね。また喫煙者は息がくさくなるともいうので、普段会話をするのにも不快な思いをしてしまうようです。
★解消法★
吉武先生:
喫煙者の口臭の原因は、タールなどタバコの成分そのもののにおいと、ニコチンや一酸化炭素の影響で唾液分泌量が低下することにより口臭が発生しやすくなること、この2つの原因があります。
タバコの煙そのもののにおいは、不満(1)の解消法で説明したように口腔内ケアが口臭予防にもなります。一方、ニコチンや一酸化炭素などの血管収縮作用により口腔内の血流低下が起こると唾液分泌量が低下します。唾液にはもともと自浄作用がありますから、唾液分泌が低下すれば口腔内の清潔を保ちにくくなります。このように発生する口臭を予防するには、口腔内を乾燥させないため水分を十分とること、口臭のもととなる歯垢を溜めないようにすることです。口臭についても上記1とほぼ同様の対策でよいというわけです。
また、タバコとコーヒーの同時摂取は避けましょう。タバコとコーヒーのにおいの組み合わせそのものが不快であるだけでなく、コーヒーの利尿作用も口腔内乾燥の一因となるためです。とはいえ、根本的には禁煙が一番の解決策ではあるので、可能な限り禁煙をおすすめします。
(4)副流煙が気になる
・「副流煙がきになるし、匂いがつくのがいや」(25歳/その他/その他)
・「くさいし副流煙がほんとうにいやだった」(28歳/その他/その他)
★解消法★
吉武先生:
これは呼吸器内科医としては非常に答えづらい質問ではありますが……。極論を言ってしまえば、副流煙の被害を避けるには禁煙してもらう以外方法がありません。空気清浄機や換気扇では副流煙の被害を避ける十分な効果は得られないのが実情です。
ただ、どうしても禁煙できない男性と過ごす場合に比較的現実的に取れる手段としては、相手と一緒に過ごす建物内を完全禁煙にすることがあげられます。喫煙場所は屋外で、建物自体の出入り口からできるだけ離れた場所にしてもらえればなおよいでしょう。別室で喫煙する、いわゆる分煙では効果は不十分です。喫煙部屋のドアの開閉や、退室する人の背後の空気に巻き込まれて煙が漏れ、全く煙が漏れない部屋を作ることは現実的に不可能だからです。
とはいえ、彼に向かって「家の中では吸わないで!」とはなかなか言いにくいかもしれませんね。同居していないのであれば、いっそ全面禁煙の公共の場所でなるべく会うように心がけるのも一つの手段です。あとは、煙にさらされてのどが痛い、咳が出る、目がしみるなどの受動喫煙の初期症状を自覚したら早めにその場所を避けることが大切です。初期症状に慣れて自覚症状がなくなったとしても、その後も受動喫煙が慢性的に続けば、喘息、肺がん、心筋梗塞などの慢性影響に移行していくリスクがあるためです。
好きな人にタバコを止めさせるor減本させる方法
不満を上手に解消して付き合う方法が分かりました。しかし欲を言えば、「彼にタバコをやめさせたい! 禁煙させる方法はないの!?」と思う女性もいるでしょう。そこで最後に、彼の禁煙に成功させた女性たちの体験談とともに、医学的観点から禁煙させる方法を吉武先生にアドバイスいただきました。彼を禁煙させたい女子必読です!
Q.喫煙彼氏の禁煙・減本に成功させたことがありますか?
(※1)有効回答数403件
彼の喫煙に成功させたことがある女性はやっぱり少数派のようですね。では実際にどのように止めさせたのか見ていきましょう。
●みんなが成功した方法3つ
(1)やめないと別れる!
・「タバコ吸う人とは付き合えません。タバコをやめたら付き合う。タバコを吸うなら側に来ないでほしい。私もタバコ吸おうかな。などと言うと大抵減らすか止めてくれた」(34歳/小売店/販売職・サービス系)
・「タバコを吸ってる人とは一緒に住めない。と結婚の条件にした」(30歳/小売店/販売職・サービス系)
タバコをやめないと別れるとまで言ってしまうと、さすがの彼氏も禁煙を考えるようです。荒療治になりますが、ここまで言えばやめてくれる!?
(2)電子タバコをすすめた
・「電子タバコに変えたので少しはマシ」(30歳/自動車関連/事務系専門職)
・「電子タバコの購入を勧めたところ以前の半分の量に減りました」(32歳/学校・教育関連/専門職)
電子タバコに変えたことで、普通のタバコを吸う量が減ったという声も。電子タバコは葉タバコに比べ煙がでないほか、タール含有量が9割以上削減されているので、彼の健康被害も減り一石二鳥ですね。
(3)説得しつづける
・「体にもよくないからやめてと言い続けた!」(33歳/その他/その他)
・「体に悪いことや、お金を貯金するためにやめるとどれだけ節約できるかなどを話して、禁煙してくれた」(24歳/その他/販売職・サービス系)
タバコをやめてほしいと色んな角度から諦めずに懇願し続けたというツワモノも。諦めなければ彼女の熱い気持ちも伝わるようですね。
続いて吉武先生がオススメする禁煙方法を見ていきましょう。
●専門家おすすめの禁煙方法3つ
吉武先生:人が目標を達成するために有効なやり方は、「日常に組み込む習慣化」もしくは「期間を決めて一気に頑張るプロジェクト化」です。禁煙に関して言えば、一定期間できればいいというものではないので習慣化の方が望ましくはあるのですが、プロジェクト化して一定期間頑張れれば「ここまで頑張ってきたんだから、また吸ってしまったらもったいない」という心理が働いて永続的に禁煙成功する可能性もあるので、プロジェクト化も悪くはない方法です。
それを踏まえて、具体的に3つご紹介します。
(1)一緒に取り組む
職場での緊張状態やストレスなどでつい喫煙してしまうのに、その上さらに彼女からも禁煙の努力を強いられるのは苦痛……という心理も、男性側にはおそらくあるでしょう。その心理に理解や共感を示した上で、彼女の方も「一緒に頑張る目標」を作ってしまうというやり方があります。例えば、彼が禁煙を頑張る期間、彼女はダイエットを頑張るなど。このように、一緒に目標に取り組む期間というのを2人のプロジェクト的に作ってしまえば、「俺だけが頑張らされている」という反発心を生むことなく禁煙にトライしてもらいやすいのではないでしょうか。禁煙は、「いつか」ではなく開始日をはっきりさせることが成功の一つのコツなので、2人の記念日(例えば誕生日など)をスタート日に設定するなど、切りのいい日を開始日にしてプロジェクト化すると始めやすいでしょう。
(2)ご褒美を用意する
これも一種のプロジェクト化の例ですが、「何日禁煙が続いたら、欲しかった〇〇を買う」などのご褒美を設定するのも有効です。1週間目のご褒美、1か月目のご褒美など、できた期間に応じて違うご褒美を決めておき、禁煙期間が長くなるほどご褒美がグレードアップしていくようにするとモチベーションが保ちやすいです。また、1の方法と併せて、2人で決めた期間目標を達成できたら一緒に旅行するなどのように、2人で一緒に楽しめるご褒美にするのもよいでしょう。ただし、禁煙達成のご褒美がタバコ、という設定にはしないでくださいね。
(3)強制的に吸えない環境を作る
習慣化のアプローチでいくならば、喫煙できない環境を一緒に作ってしまうのが有効。人は環境の力を利用することで目標達成できる場合もあります。灰皿自体を撤去してしまう、タバコ代に相当する金額をあらかじめお小遣いから減額してしまうなど(家計を同一にしている相手であれば)。
余談ですが、以前診たヘビースモーカーの男性の方で、最初は全く禁煙する気もなさそうだった人がピッタリ止められたというケースを経験したことがあります。その方は、仕事の繁忙期に例年以上に忙しかったため、ちょっと一服……というスキマ時間すら取れず、後で気づいたら繁忙期の間中吸っていなかったそうです。結果的に、仕事の繁忙期が過ぎても吸いたいと思わなくなっていたそう。吸えない環境に強制的に身を置く効果はこれほど高いのかと思わされた症例でした。
以上3つの方法をお伝えしましたが、本人の意志や周囲からの動機づけの工夫の問題だけでどうにかなるものではない身体依存、いわゆるニコチン依存の喫煙者もいます。ニコチン依存の場合は身体的な依存状態ですから、本人の意志が弱いから禁煙できないなどと責めずに、治療の対象であると考えてください。禁煙外来でニコチン依存症かどうかチェックすることができますから、一度受診されることをお勧めします。とは言え、禁煙外来を受診すること自体も本人がその気にならなければ実現しませんから、その意味で上記のようなコーチング的アプローチは禁煙だけでなくその前段階の受診の動機づけに使っていただくことも有効です。
吉武先生いわく、彼の禁煙を後押しするつもりが逆効果になってしまう方法もあるようです。あなたはNGな行動をとっていないか、以下のポイントも確認してみて!
●彼を追い詰めるNGな方法3つ
(1)真正面から正論を振りかざす
喫煙はがんなどの病気のリスクを上昇させるので体に悪い、妊婦や赤ちゃんにも影響がある、喫煙は副流煙で他人に迷惑を掛ける……などなど。いずれも正論ですが、それを真正面からぶつけてしまうと、相手の方は面白くありません。喫煙される方も、それらの正論はわかってはいるのです。わかっているけどできないことをまともに指摘されてしまうと、余計に反発したくなるのが人の常です。「タバコを吸う彼氏への不満と解消法」でも触れましたが、真正面から正論で攻めてしまう前に、まずは傾聴、共感が大事です。
(2)人格否定をする
「喫煙を咎めること」と、「相手の人格を否定すること」を混同してしまうことはNGです。例えば、「いつもタバコ止める止めると言っていながら、いつまでも止めない。口ばっかりでダメね」など。ここまであからさまな言い方をする女性はあまりいないとは思いますが、「約束したでしょ」「どうしてできないの」なども同様です。つい怒りや苛立ちに任せて相手自身を否定するような言い方をしないように要注意です。
(3)批判や命令はNG
「禁煙しないとダメでしょ」「禁煙しなさいよ」のような批判・命令のニュアンスは、「わかってるよ(うるさいな)」という反発を招くだけです。ここまであからさまな批判・命令口調ではないにせよ、例えば、「禁煙しないと将来(あなたが)病気になるわよ」のように、相手を主語にした言い方は批判的なニュアンスに受け取られやすいです。
そうではなくて、「禁煙してくれたら(私が)嬉しい」とか「喫煙を続けて病気にならないかと(私が)心配している」というように、自分を主語に話す方が相手には批判的に聞こえにくいのです。言葉の選び方一つで相手の心の反発度合いがずいぶん違ってきますので、禁煙や治療への動機づけに影響します。
いかがでしたか? 彼の禁煙を成功させたいなら上記ポイントに気をつけて、彼だけに強要するのではなく、ぜひ二人三脚で取り組んでみてくださいね!
まとめ
喫煙者とうまく付き合う方法について、喫煙者と付き合う女性心理から順を追って見てきました。好きになった人がタバコを吸う人だったらそれもなにかの「縁」です。どのように付き合えばお互い幸せなのか、今回紹介した内容を参考に実践してみてくださいね!
(監修:吉武姿子 文:ファナティック)
※画像はイメージです
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マイナビウーマン調べ
調査日時2017年2月14日~2017年2月15日
調査人数:403人(22歳~34歳の女性)