男性用商品にも女性向けPRは有効? 6割の女性が薬局での代理購買を経験
日本写真印刷は、生活者心理データベース「裏づけくん」(調査標本15~69歳の男女2,877人、調査実施時期は毎年12月)の活用事例サイト「裏づけくんアカデミック」の第9弾レポート「ドラッグストアにおける女性の購買行動」を公開した。
【清涼飲料水の購入場所。「自販機」から「ドラックストア」へ】
●男性4割、女性6割が「配偶者の代理購入経験がある」と回答
ドラッグストアで取り扱っている商品に対して、配偶者のみが使用する商品を、代理購入したことがあるか聞いたところ、「代理で購入した経験がない」と答えた男性は59.6%、女性は41.0%だった。このことから「代理購買の経験がある」男性は4割、女性は6割ということが判明。女性の方が2割高いことがわかる。
●女性用「整髪剤・整髪料」の購入は男性にとってハードルが高い?
男性が女性の代理購買をした経験として多いのは、利用頻度が高く男女で別々の銘柄を使うことの多い「シャンプー」、体調が悪く自分では買いに行けない場合に頼まれるかぜ薬、胃腸薬などの「医薬品」。しかし、これらを抑えてもっとも多い回答となったのが「覚えていない」だったことから、代理購買の経験があっても回数や頻度は少ないことがうかがえる。
一方、女性が男性の代理購買をした経験として多い商品も、男性と同様に「シャンプー」、風邪薬・胃腸薬などの「医薬品」。次いで「歯磨き粉」、「目薬」、ワックス、ムース、ジェル、スプレーなどの「整髪剤・整髪料」、「栄養ドリンク」となっている。
なお、代理購買経験で男女の差が最も大きかったのは「整髪剤・整髪料」で、男性が1.4%であるのに対し女性が12.5%。要因として、細分化されている女性向け整髪剤の購入は男性にとって非常に難易度の高い商品であるのに対し、男性もの(特に30代以上)はアイテム数も限定され、女性でも代理購買がしやすいことが考えられる。
●ジャンプーの代理購買時、女性は多少高くても質を重視する傾向に
代理購買をする際に重視する点について、男女ともに多かった「シャンプー」をもとに比較したところ、「配偶者に指定された商品を買うことが多い(男性45.6%、女性43.9%)」が男女ともに最多となった。
一方、「配偶者には商品選びを任されることが多い」という回答を男女別にみてみると、男性が8.9%であるのに対し、女性は約3倍にあたる23.5%。さらに、商品選びのポイントとして、男性が価格や値ごろ感を重視しているのに対し、女性は「多少高くても効果がありそうなものを買う」と答えた人の割り合いが男性の2倍程度多かった。
このことから、ヘアケアに対する意識は男性よりも女性の方が高く、商品選びもシビアなため、配偶者(男性)のみが使うものであっても、女性の価値観にかなうものでなければ選ばれない可能性が推察される。
今回の調査から同社では、「ドラッグストアにとって女性の購買決定権は非常に大きい」とコメント。女性向けのみならず、家庭向け、男性向けなどすべての商品において、女性が納得し「使ってみたい」、「すすめてみたい」と思える説得材料が必要であると分析している。