独身女性が不動産を購入する必要はある? FPが回答!
一昔前は、「独身女性がマンションや一戸建てを購入するなんて」などというニュースが報道されたものです。しかし、今やめずらしくもないお話。そこで現役でバリバリ働いている女性たちに、不動産を買う意志があるかを聞いてみました。
一生独身でも家を買いたい女性は36.4%
以下のような質問を独身女性にしてみました。
Q.自分が一生独身だろうと思ったとき、マンションや一戸建てを買おうと思いますか?
・買うと思う(買った)……156人(36.4%)
・買わないと思う……272人(63.55%)
「買わないと思う」という意見が多めでしたが、不動産は一生で一番大きい買い物と言われるだけに、「買うと思う」という意見が予想よりも多かったことに驚きました。なぜその結論に至ったのか、詳しくみていきましょう。
「買うと思う(買った)」と回答した人の意見
●年を取ると賃貸は無理だから
・「引っ越しせざるを得ない状況になった場合、いずれ保証人になる親族がいなくなるから」(34歳/商社・卸経営・コンサルタント系)
・「老後家賃を払い続けるのは大変だから」(27歳/医療・福祉/専門職)
・「高齢になると借りられなくなるから家を買うかもしれない」(31歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
保証人のことは盲点でした。確かに年を取ると新しく物件を借りられない、契約更新を渋られる、という話は聞きます。独身で身寄りもなく、住むところも借りられない……。ゾッとする話ですね。
●家賃を払うのがいや
・「家賃支払いが、勿体無いと感じる。安定した生活を送りたいから」(27歳/医療・福祉)
・「家賃を払っていくお金をローンを払うお金に当てられると思ったから」(28歳/医療・福祉/専門職)
・「賃貸で月々支払うくらいなら中古マンションでいいので月々ローンを支払った方がいい」(28歳/情報・IT/技術職)
賃貸物件は、その土地に飽きたらほかにうつれる気軽さがありますが、月々の家賃やその他の出費が痛いですね。そのお金で一戸建てやマンションを手に入れられるかもしれません。退職後に家賃を支払い続けるのも厳しいですね。
●資産が欲しい
・「運用したり、将来安心して過ごせる」(32歳/マスコミ・広告/営業職)
・「自分の所有物が欲しいし、人生一度きりだから自分の家は代々欲しい」(32歳/食品・飲料/事務系専門職)
・「マンションだったら買っても売ることができそうだから」(32歳/医療・福祉)
不動産を所有していれば、いろいろ使い道があります。老人ホームに入る費用にあてるために売却したり、賃貸物件として貸し出して老後の生活費を得ることもできますね。自分の家があるという安心感を買うといっていいかもしれません。
「買わないと思う」と回答した人の意見
●買える収入がない
・「独身だったら、買えるほどの収入はないと思うから」(34歳/その他)
・「現在の収入だと買おうと思ったところで中古のボロ家しか買えないと思うので」(26歳/医療・福祉/専門職)
・「今現在奨学金の返済で苦労してるから払い終わったとしてもまたローンを組んで借金を背負いたくない」(27歳/医療・福祉/専門職)
ローンの支払いや現在の収入を考えると購入に踏み切れない、という意見が多くありました。退職してからもローンを払い続けることになると、ずっと働き続けるか、体を壊してせっかく買った不動産を手放すという事態にもなりかねません。
●家を残されたら困ると思う
・「死んだあと家族や親戚が困るから」(34歳/医療・福祉/専門職)
・「自分が死んだ時のその物件の処理に困ると思うから」(34歳/学校・教育関連/専門職)
・「自分が亡くなったときにその後どうするか考えるのが大変そうだから」(28歳/医療・福祉/専門職)
年を取ってから自分で処分できればいいのですが、寝たきりなどになってしまったら……と考えると、購入に踏み切れないのもわかります。親族に迷惑をかけたくない、との意見が多くみられました。
●買ったら結婚できない!?
・「女性が家を買ったら結婚を100%諦めたようで嫌だから。いろいろな街に住んでみたいから」(26歳/小売店/販売職・サービス系)
・「一生独身でいたくない。広いところに1人はいやだ」(25歳/その他)
・「一生独身と思いたくないし、買ったら結婚出来ないと聞くから買いたくない。他に使いたい」(31歳/医療・福祉/専門職)
「不動産を買った女性は結婚できない」なんて言われることがありました。また、結婚をあきらめた、と見られてしまう可能性も否めません。でも、もっと年齢を重ねれば、周囲の視線など気にならなくなるかもしれません。それから不動産購入を検討してはいかがでしょうか。
FPが回答! 独身女性は不動産を買うべき?
独身女性が不動産を購入するのはいまやめずしい話ではなくなってきました。そこで、ファイナンシャルプランナーの双子パパYuichi先生に、不動産購入のメリットとデメリットを伺いましょう。
「一戸建てやマンションなどの不動産の購入で得られるメリットの一番は『老後に住まいの心配をしなくて済む』と言う安心感ではないでしょうか」(双子パパYuichi先生)
確かに、老後に住む家がなくなることを心配する意見が多かったですね。
「逆にデメリットは、病気などで働けなくなったときにもローンの支払いが残ること、結婚が決まったり子どもが生まれたら部屋が手狭になる可能性があること、売却した場合に損をする可能性があるということです」(双子パパYuichi先生)
不動産は金額が大きいだけに、少しでも問題があればストレスは大きそうです。では、もしも不動産を購入するなら、何歳くらいがベストなのでしょうか。
「手持ちの資金が多ければ多いほど、ローンの支払いは楽になります。そしてローンの支払い期間に余裕を持たせるためにも不動産購入資金をしっかり貯めて、30代のうちに購入できれば理想的です。検討する不動産は、新築物件だけでなく中古物件も選択肢に入れておけば資金面・条件面で余裕が出てきますので、メリット・デメリットと併せて検討するといいでしょう」(双子パパYuichi先生)
ローンは35年が一般的ですから、30代で購入に踏み切るのはよさそうですね。
まとめ
女性が家を買う、猫を飼うという行為は一生独身決定! のような扱いを受けています。しかし、一生1人でいる覚悟ができたなら、不動産購入を検討する価値はありそうですね。リスクをしっかり把握して、購入するかしないかは慎重に決めましょう。
(オダ マユミ/OFFICE-SANGA)
※『マイナビウーマン』にて2016年4月にWebアンケート。有効回答数428件(22~34歳の働く女性)
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