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パーソナルスペースが近い男性心理って? 男女差と恋愛への応用法

浅野寿和(心理カウンセラー)

中田ボンベ@dcp

恋人とならぴったりくっついて座ることは苦ではありませんが、他人とはその距離で座ることは難しいと感じるものではないでしょうか。その距離感を「パーソナルスペース」と呼ぶようです。どうして人によってパーソナルスペースは変わってくるのでしょうか? そこで今回は、パーソナルスペースの詳しい意味やその重要性、そして恋愛への応用方法を探ります。

パーソナルスペースとは

そもそもパーソナルスペースとはどんなものなのでしょうか? 心理カウンセラーの浅野寿和先生に解説してもらいました。

パーソナルスペースの意味

パーソナルスペースとは、「人が自分に近づくことを許せる、自分の周囲の空間・心理的な縄張り」のことを意味します。心理学者のエドワード・ホールによると、人には4種類の距離帯があるとされています。恋人の距離、友だちの距離、会社の同僚の距離、公衆距離です。人はこのパーソナルスペースを臨機応変に変化させるのです。

この領域に他人が侵入してくると、人は不快感や嫌悪感を覚えます。自分を守ろうとする心理的な防衛本能が働くわけですね。たとえば、電車で隣の席にかばんなど物を置きたくなったり、人がいるエレベーターに乗ると妙に緊張感が増すのはそのためです。一方、親しい相手や好意を寄せている相手であれば、その領域は狭くなります。

また、すべての人が同じようなパーソナルスペースを持っているわけではなく、男女のちがい、個々の成長プロセスの影響、文化、心理状態などによって、その大きさが変化します。

男性と女性にちがいは? パーソナルスペースの男女差

パーソナルスペースは男女によって異なると浅野先生が解説されていますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか? 浅野先生に教えてもらいました。

男性の場合

男性のパーソナルスペースは、「前後に細長い楕円型」をしています。また前方に長く、後方に短いという特徴があります。男性の視覚に入る正面側が特に広いということですね。従ってほかの人が男性と向き合うときは、男性の横から近づくともっとも警戒されにくい傾向があります。逆に正面から向き合うと、男性は警戒しやすくなります。

女性の場合

女性のパーソナルスペースの形はいわば「円」です。前後左右一定の距離感です。また男性と比べてそのスペースは狭い傾向にあります。女性のパーソナルスペースが狭いのは、不快に感じる範囲が男性よりも小さいということです。しかしそれも個人差がありますし、どんな人が近づいてきても嫌だと思わないのではありません。そのあたりは注意したいところですね。

参考記事はこちら▼

あなたのパーソナルスペースはどうなっている? 10の質問から、自分では気づいていない他人との距離感を探ってみましょう。

女性のパーソナルスペースに対する男性心理

女性のパーソナルスペースについて、男性はどう感じているのでしょうか? 気になる男性には距離を詰めたらいいのか、空けて警戒されない方がいいのか、気になりますよね。アンケートで調べてみることにしましょう。

広いor狭い、どっちの女性が好かれるの?

極端な例ですが、パーソナルスペースが狭すぎる女性と広すぎる女性では、男性はどちらを好むのでしょうか? 男性に聞いてみました。

Q.パーソナルスペースが「狭すぎる女性」と「広すぎる女性」、あなたが好きなのはどっち?

狭すぎる女性(51.5%)
広すぎる女性(48.5%)
※有効回答数101件

3%とわずかな差ですが、「狭すぎる女性」のほうが男性に好まれる傾向にあるようです。「パーソナルスペースが狭い=近くまで寄れる」ということですから、恋愛においては若干有利なのかもしれませんね。

次に、それぞれの回答理由を聞いてみました。

「狭すぎる女性」が好きな理由

仲がいい感じがする

・「親近感がないと一緒にいて楽しくないから」(34歳/機械・精密機器/技術職)

・「親近感が湧いてより仲よくなれるから」(25歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

・「警戒されていない感じがするから」(32歳/機械・精密機器/技術職)

パーソナルスペースが狭い女性は親しくなりやすいと思う男性がいるようです。親近感も湧きやすいので、自然と好きになってしまうのかもしれませんね。

相手との距離が遠いとどう接していいかわからない

・「遠すぎるとどう話しかけていいかわからないので」(32歳/機械・精密機器/技術職)

・「遠すぎると嫌われている感じがする」(38歳/通信/技術職)

パーソナルスペースが広い女性に対しては、どう接していいかわからない男性もいるようです。好きか嫌いかの判断も難しいですから、近すぎるくらいの女性のほうが好印象なのでしょう。

「広すぎる女性」が好きな理由

ある程度の距離があるほうが気分的にラク

・「距離が遠い人のほうが一緒にいて疲れなさそうだから」(30歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)

・「あまり相手と近いのはプレッシャーを感じてしまう」(23歳/機械・精密機器/営業職)

ある程度の距離を自然に保てる女性のほうが、一緒にいても楽そうだという男性もいます。男性のほうがパーソナルスペースが広いため、あまり親しくない相手に近づかれると困ってしまうのかもしれません。

自分でどう接するか決められる

・「距離感が近いとこちらが警戒してしまう。立ち入らなければいいだけだから広いほうが楽」(35歳/金属・鉄鋼・化学/その他)

・「自分で距離感を調整すればいいから」(30歳/電機/技術職)

あまり相手に近づくのが苦手な男性は、パーソナルスペースが広い女性は接しやすいとのことです。距離を取ることで、気持ちに余裕が持てるようですね。

パーソナルスペースを恋愛の場面で生かすには

パーソナルスペースを意識することは恋愛において重要だと言われていますね。そこで「パーソナルスペースを恋愛の場面で生かすコツ」を探ります。

脈あり? パーソナルスペースに入ってくる男性心理

男性が女性のパーソナルスペースに入るのは、どのような心理によるものなのでしょうか? その特徴やそれぞれの「脈あり・なし」について、浅野先生に聞いてみました。

(1)いわゆる体目的

「下心」から女性に近づきたいと思っているケース。これは男性の性的欲求から生まれる行動です。目的は女性の体なのであからさまな口説き文句、ボディタッチやスキンシップを狙っていることが多いです。この場合は本能からの衝動で行動しますので、かなり強引だったり、失礼な言動をするかもしれません。恋愛で言えば脈なしです。

(2)社交的で親密な関係を築きたい

半ば無意識に相手との距離を詰めようとしているケース。そもそも社交的でほかの人と境界や垣根がない人は女性のパーソナルスペースに意識せず近づきます。この時点で脈はないでしょう。特に社交的な男性は親密になることに慣れているので、人に近づくことと恋愛感情が結びついているとは限らないので見極めが難しいところですね。

(3)自分の強さ・魅力をアピールしたい

「俺はこんなにすごい!」と、相手の近くでアピールして意識を向けさせたい男性のパターン。男性は「力の証明」が深層心理に働いていることが多く見られます。異性に自分の力を見せたい、自分の力を感じさせて尊敬されたい、勝ちたい、といった思いで女性に近づく男性もいます。このような男性は「自分を認めてほしい」という欲求で近づいていますから、脈ありとも脈なしとも言えます。その男性をどうするかはお好みで……。

(4)もっと仲よくなりたい

「あなたともっとかかわりたい」「興味があるのでもっと知りたい」と思い近づくケース。最初は女性と距離を取っていた男性が、時間の経過とともに徐々に興味を示し、好感を持ちはじめている状態です。このタイプの男性は人との距離の取り方をちゃんと理解していると思われます。この場合は脈ありです。相手男性の意識は会うたびに「あなたの魅力」に向かっていますから、彼に対して興味があるなら「最高の自分」を表現するといいでしょう。

(5)相手の興味を引きたい

自分を意識させ、相手の興味を引きたいと女性の様子を伺っている「待ちの態度」のひとつです。自分から女性にアピールする勇気がないので、とりあえず「相手に近づくこと」で、興味を引きたいと思っています。この場合も脈ありと言えます。しかし男性が奥手な場合は、女性に好意があっても気づかない可能性があります。それぐらい相手男性は自分のことで精一杯の状態なのです。

パーソナルスペースを使った恋愛テクニック

最後に、パーソナルスペースを恋愛に生かすための「テクニック」を浅野先生に教えてもらいました。

(1)相手の「恐れ」を上手に使って興味を引く

上述のように男性のパーソナルスペースは前方に広く横に狭いもの。そのため、男性に横から近づいた場合は比較的警戒されにくいです。しかし相手に自分を強く意識させたいなら前から近づくことです。心理的に恐れを感じる対象は「興味の対象」にもなります。人に興味を持ってもらいたいときは、恐れを上手に使うことが大事なのです。ただ、近づく女性が怒っていたり、怖がっていたりすると逆効果。相手が恐れを感じている距離だからこそ、笑顔や穏やかさを見せる。そのギャップが男性の心を開きやすくするのです。

(2)スマホを2人で見る・相手から物を借りたり貸したりする

アメリカの心理学者のボッサードが「男女間の物理的な距離が近いほど、心理的な距離も縮まる」と説いています。これを「ボッサードの法則」を呼びます。物を貸し借りしたり、「これ見てよ」とスマホで情報や写真を見せるフリをして相手と近づいたりする方法は、明確な目的があるために相手に警戒感を与えにくく、なおかつお互いの一体感が高まりやすくなります。

(3)相手のことを気遣う、共感・理解する

「親密感を感じる相手とのパーソナルスペースは狭くなる」という法則をそのまま応用する方法。普段から相手に興味を持って話を聞いたり、共感するように心掛けるだけで相手のパーソナルスペースは狭くなるでしょう。相手のことを理解することはシンプルですが恋愛における王道です。

パーソナルスペースをうまく生かして距離を縮めよう

「自分の心理的な縄張り」であるパーソナルスペース。その形は男性は「前後に細長い楕円型」、女性は「円」となっているようです。もし意中の男性に近づく際は、この特徴を理解して、効果的な方法を取りたいですね。もちろん広さは人それぞれで異なるため、浅野先生の解説を参考に、相手との適切な距離感を測るよう心掛けるのも忘れないようにしましょう。

(文:浅野寿和、構成:中田ボンベ/dcp)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ(2015年2月にWebアンケート。有効回答数101件。22歳~39歳の社会人男性)

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