癒しとは何か。恋愛にもたらす効果と男性に癒しを与える方法

毎日仕事でお疲れの彼……。そんなときに、彼をそっと癒してあげられる女性になりたいですよね。男性にとって癒しを与えてくれる女性は、とても大切な存在のはず。今回は「癒し」の効果と、男性に癒しを与える方法を心理カウンセラー・大野萌子さんに教えてもらいました。

そもそも癒しとは

心理学における癒し

心理学における「癒し」とは、精神的な疲れや悩み、苦しみなどを和らげたり、緩めたりすることを指します。つまり、心を緊張状態から解放し、リラックスさせる状態のこと。心の緊張状態が続くと、精神的に不安定な状態に陥りやすいため、心の健康を保つためにも「癒し」は必要不可欠です。また、緊張すると心臓がドキドキしたり、不安なときは血圧の変動があるなどのように、心と体は連動しているため、身体的なリラックスも心の癒しに繋がります。

癒しが恋愛にもたらす効果

「癒し」は一緒にいてホッとするなど、安心や信頼といった気持ちの安定を保つ効果があります。またそれ以上に、「自分のことを受け入れてくれる」、「理解してくれる」相手がいるという相互理解がもたらす効果もあるのではないでしょうか。

人間には、5段階の欲求があり（マズローの欲求5段階説）、それを満たしていくことで、幸福感を高めていくことができます。ひとつ目に、生きていくために必要な「生理的欲求」があり、2つ目に「安全欲求」、3つ目に「帰属欲求（社会的欲求）」という段階があります。この「帰属欲求」は、どこかに所属することを求めることであり、会社、家族、コミュニティなど、帰属先はさまざま。恋愛では、誰かの彼氏や彼女という立場がこの帰属欲求を満たします。自分の居場所を確保することが、安心感を得られると同時に癒しの場を持つことに繋がります。

そして癒しが最大限に発揮されるのは、4つ目の「承認欲求」。相手に認められているという安心感、価値観を否定されずに受け入れてもらう心地よさが、この欲求を満たします。恋愛における癒しは、自分の居場所と思いを受け入れてくれる環境を確保すること。これにより、自分自身の存在価値を改めて感じることができ、自信を持って物事に取り組めるようになり、自分らしく生きていくことができるようになるのです。

欲求の最終段階である5つ目は「自己実現の欲求」です。これは『こうありたい、こうなりたい』という自分の思いを実現させる欲求を指します。ここまで到達するのは一般的に難しいとされていますが、それまでの段階の欲求を満たしており、さらに『パートナーである彼（彼女）のためにもこうなりたい』という思いを強く持つことによって、「自己実現の欲求」も満たされる確率が上がると言えます。

男性に癒しを与える方法

男性を癒す方法

1.価値観を認めてあげる

人の価値観はさまざま。頭ではわかっていても、自分とちがう価値観は受け入れがたい場合もあります。特に身近な人や共通の経験を多く積んだ人になると、「きっと相手も同じ気持ちにちがいない」という錯覚に陥りやすくなり、自分の価値観を相手に押しつけてしまうことが増えていきます。そうならないために、「彼は彼、私は私」とお互いの意見や考え方を尊重し、相手の価値観を認めてあげることが大切です。これは、嫌いなことを好きになれということではありません。彼が好きなことを否定しないということが重要ですよ。

2.信頼する

相手を信頼するのも大切な癒しポイント。信頼と安心の中に、本当に心を許せる癒しが存在するため、信頼していることを相手に態度や言葉で伝えることが必要です。大切なのは、上辺ではなく本当にそう思って伝えること。「○○（彼の名前）に頼んでよかった」「○○になら任せられる」というようなことを日常のやり取りの中で伝えられるといいですね。

3.悩みなどを受け入れる

毎日の生活はいいことばかりではなく、嫌なこと、ツラいこと、理不尽なことが次々に起こりますよね。そんなときに、自分の思いを吐き出せる相手がいることは、心の「癒し」に不可欠です。気持ちや思いは、形のない概念。そうした形のないものを、言葉に変えて伝える行為そのものが心の整理に繋がります。心が整理されると気持ちが落ち着き、冷静な判断や受け入れる余裕ができるもの。心許せる彼女であれば、さらに効果的でしょう。優しく耳を傾けてくれる彼女がいれば、究極の癒し効果が見込めます。

そのときに穏やかな笑顔があれば、なおいいと思います。好きな人が笑顔でいてくれることは、何よりも安心感に繋がります。また、笑顔自体にストレスを軽減させる効果があります。副交感神経が有利になることで、呼吸や脈拍、血圧などが穏やかになり、リラックスすることができます。彼と一緒に笑うことも「癒し」に繋がるのです。

4.仕事以外の時間の共有

癒しは緊張からの解放でもあります。一緒に楽しい時間を過ごすことそのものが大切になります。共通の趣味を楽しんだり、旅行したりしてもいいですし、のんびりと散歩をしたり、おいしいものを食べたりすることも有効的。楽しい時間、リラックスする時間を作り、仕事などの気の張ることや悩み事、心配事から一時的に離れる時間を持ちましょう。

5.スキンシップ

心と身体は連動しています。心が固くなっているときは身体も凝り固まっています。心を癒すためには身体をほぐすことも必要。そのため、スキンシップやマッサージなどが効果的です。話を聞きながら、ハンドマッサージなどをしてあげれば、心も身体もほぐれて一石二鳥ですね。

彼を思いやることが「癒し」につながる

心が緊張すると身体も緊張し、それがストレスや不調を引き起こす場合も……。人の心は目には見えませんが、寄り添ってあげることは可能です。また、相手を思いやることそのものが「癒し」に繋がるとも言えます。もし彼が疲れていたら、今回ご紹介した「癒し」の持つ効果や、「癒し」を与える方法を試してみてください。彼にとってより大切な存在になれるはず。

（監修・文：大野萌子、文：篠崎夏美）

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