人間関係がめんどくさい! 職場でストレスを感じたときの対処法
職場の人間関係がめんどくさいと感じ、ウンザリしてしまうことはありませんか?
仕事は卒なくこなせているけれどやっぱり問題は人間関係。職場の人間関係に悩んでいる女性はたくさんいるようです。
心理カウンセラーの高見綾さんに、職場の人間関係がめんどうで悩んでしまった場合のアドバイスをうかがいました。
「人間関係がめんどくさい」と感じる原因とは
人間関係をめんどくさいと感じるのはどうしてなのでしょうか。職場の環境も様々でしょうが、それでもめんどくささにつながる原因があるもの。ここではその原因について説明していきます。
職場でのストレス第1位は「人間関係」
職場でのストレスの第1位は「人間関係」であると言われています。
たとえば、飲み会が苦手なのに参加しなければいけない、感情の起伏が激しい上司へ気遣いをしなければいけない、同僚とランチするのはいいけれど愚痴や噂話ばっかり……。みなさん社内の人間に気を使ったり、合わせすぎたりして疲れてしまっているようです。
場合によっては仕事ができるという理由でやっかみを買ってしまい、居心地が悪くなってしまったなんてこともあるようですね。
めんどくさいと思う理由の正体は「仲良くしたいという気持ち」
めんどくさいと感じるときは、実は職場の人とうまくやりたい、仲良くしたいという気持ちが根底にあります。
ところが仲良くしたいがために、人間関係のために何かを我慢する、こうしなければいけないと義務感にかられる、何かを強制されて不自由になってしまうなど、職場の人たちに振り回されて心が疲弊しがちに。
そうしたことに抵抗を覚えたとき、「めんどくさい」という言葉が出てくるのです。そして、そんな自分を無意識のうちに責めてしまうというケースも。
そうなると今度はめんどくさいを通り越して、怒ってしまったり、反発してしまったりするようになります。
「本当はうまくやっていきたい。でも、なぜその人に合わせて自分だけが我慢しなければならないんだろう?」という理不尽さを感じてしまうのですね。
人間関係の悩みで受けるストレスって?
職場の人間関係の悩みで受けるストレスには主に、「選択肢がないと感じること」、「自分が受け入れられていないと感じること」、「自分の感情が抑圧されていること」という3つがあると考えられます。
(1)選択肢がないと感じること
自分に選択肢がないと人間はストレスを感じます。「私がこうしたいからこうする」という感覚は人を自由にさせるもの。自分に選択肢がないのはこの対極にあると言えます。
選択肢がない感覚が続くとやる気がなくなります。どうせ何をやっても無駄だ、という虚無感に支配されると、自主的に考えることをしなくなり、がんばれなくなってしまうのです。
(2)自分が受け入れられていないと感じること
同僚などに足を引っ張られたり、上司から否定されたりすると、自分は受け入れてもらえないと感じるようになります。
居場所がないという感覚は強いストレスに。やがて、その感覚は寂しさや孤独感を強くします。
受け入れられていない相手に対して心を開くことはできないはずですよね。誰にも何も期待しなくなり、良好な関係性を築くこと自体を諦めてしまいかねません。
(3)自分の感情が抑圧されていること
また、何らかの理由で自分の感情を抑圧しているときもストレスを感じるもの。
人間関係で嫌なことがあっても、ひたすら我慢してなんとか相手のいいところを見つけようと無理をしてしまう人は、自分の感情に蓋をしてしまうことが多い傾向に。こういったことも無意識のうちにストレスになります。
自分の感情を抑圧するというストレスを長い間抱えていると、自分が何を感じているのか、何が好きで何が嫌いなのか、これからどうしていきたいのかといったことがわからなくなります。
ただし、抑えこんだ感情はなくなることはないので、あるとき何らかのきっかけで突発的な行動に出てしまう可能性があります。
もっとひどくなると、ある朝、突然起きられなくなって職場に行けないということも……。
人間関係がめんどくさいときの対処法
厳しく当たられたり、嫌味を言われたりという相手の言動そのものに反応していると、どうしても振り回されてしまいます。
同じ環境にいてもストレスを抱え込まずにうまくやっていく人もいますよね。このような人たちは、どのように人間関係のめんどくささに対処しているのでしょうか。
行動の理由を見る
相手の言動ではなく、相手の「行動の理由」を見るようにするといいでしょう。
たとえば、上司からきつい言い方で指導されたとしたら、その表現方法を取った上司の心情に注目。「君、そんなにのんびりしていられたら困るよ。明後日までに絶対この仕事は終わらせてくれ」と言われたとします。
自分なりに一生懸命やっているつもりなのに、その言い方はひどいと思いたくなるかもしれません。ですが、もしかしたら上司は、さらにその上にいる上司との間で板挟みになっている可能性はないでしょうか。
「明後日までに終わらせてくれないと、私の責任になるじゃないか。協力して助けてほしい」というように、上司の心情を言い換えて考えてみると少しは印象が変わりませんか?
きつい言葉に振り回されないためにも、相手の心情を理解し、相手の本音はどこにあるのかを意識していくことが大切です。
自分の感情も受け入れる
相手の心情を理解し受け入れようとする気持ちが強すぎて、自分の感情を抑圧してしまう人は別の対処法を取ったほうがよいでしょう。感情の起伏が激しい上司や同僚を理解することは大事なこと。
しかし、自分が受け入れられないこともあります。自分が器の小さい人間ではないか? と気にしてしまう人は要注意。
気に病む必要はないのです。感情はコントロールができないもの。嫌だなと思った自分をまずは受け入れましょう。そしてどうするかを考えるべきです。
不機嫌な人がいてもその人の機嫌を取ろうとする必要はありません。必要以上にビクビクして下手に出ると、相手は「自分は悪い人だと思われている」という罪悪感を覚えてしまいます。結果的に相手をさらに刺激してしまうことになりかねません。
相手の機嫌は放っておいて、自分は自分の機嫌を取っていくことが大切です。
人間関係がめんどくさいときは相手の言動に振り回されないで
職場の人間関係に疲れてしまう人というのは、仲良くしたいという気持ちが根底にあるようです。
しかし、受け入れられたい気持ちが強すぎて、自分の感情を抑圧してしまうと、その気持ちがさらにストレスを生み出してしまいます。
解決策としては、相手の言動そのものに反応したり、振り回されたりしないようにしましょう。相手の本音を見るように心がけると相手の心情を理解することができるはず。
そして、何よりも相手に振り回されずに、一番は自分の機嫌をうかがうことを忘れないようにするといいですね。
(文:高見綾、構成:山本リリー)
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