お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

毒を吐くの意味とは? 毒を吐く人の心理5つ

高見綾(心理カウンセラー)

中田ボンベ@dcp

口の悪い人のことを「あの人は毒を吐く」などと表現することがありますね。では、毒を吐く人はなぜ人のことを悪く言うのでしょうか? 今回は「毒を吐く人の特徴や心理」、そして「上手な付き合い方」を探ります。

「毒を吐く」の意味とは?

「毒を吐く」とは、悪口や嫌味など「悪しきことを言う」という意味です。たとえば「毒を吐く人」ならば、「人の悪口や嫌味を言う人」となりますね。ほかにも「毒づく」や「毒舌を吐く」も同様の意味で使われます。

毒を吐く人の特徴

続いて「毒を吐く人」の特徴や心理を心理カウンセラーの高見綾先生に解説してもらいました。実際にどんな毒を吐かれたことがあるのかもアンケートで聞きました。

毒を吐くってどういうこと?

「毒を吐く人」の中には嫌われる人もいれば、なぜか好意的に見られる人もいます。それはなぜなのでしょうか? 「毒を吐く人」について高見綾先生に聞いてみました。

嫌味を言うなど、相手が傷つくような酷いことを口にしたり、言い方が辛辣(しんらつ)であることを「毒を吐く」と言います。本人に直接言わず、陰で人の悪口や文句を言うことも含みます。

毒を吐くことは聞く人を不愉快な気分にさせます。日頃から毒を吐いていると、その言葉を一番耳にしているのは自分ですから、自分もその毒の影響を受けてしまいます。現状に不平や不満を持っていて、幸せを感じられないような人は、無意識のうちに毒を吐いていることが多いのです。

一般的に毒を吐く人は嫌われますが、毒を吐く人であっても嫌われないケースもあります。たとえば、言い方はきついものの、真実を述べていたり、的を射た内容であるならば、「日ごろは口にできないストレスを代弁する人」と捉えてもらえるのです。また、相手との間に信頼関係がある場合や、発言内容に愛や思いやりがあるケースでも嫌われることはありません。

アンケートでわかった、毒を吐く人の言動とは?

続いて、「実際にどんな毒を吐かれたことがあるのか」をアンケートで聞いてみました。回答をピックアップしてご紹介します。

年齢の話題はご法度?

・「20代の社員が、私に向かって『○○さんぐらいの年になると、できることも増えるんですね。私みたいに若いとまだまだですね……』と。反省しているのか、さりげなく私を攻撃しているのか……」(31歳/化粧品)

女性は年齢について敏感に反応してしまうもの。悪意があるようなないような、微妙なラインだと真意が余計に気になりますね。

頭いいってどういうこと?

・「年下の女の子からの『頭いいんですね』という言葉にもやもやした。頭悪いと思っていたのか、とつっこみたくなる」(28歳/販売)

うっかりしていると聞き逃してしまいそうですが、これは微妙に見下されている言葉かもしれません。

スタイルを褒めているのか、けなしているのか

・「『○○ちゃんはスラッとしていていいなあ。私、Eカップだから着られる服が少なくって』と言われた。私はAカップですが何か?」(27歳/制作)

「スラッとしていて」なんて表現だと、余計イラッとしますね。とはいえ、ストレートに胸のことを言われても受け入れられません。

仕事ができる女はつらい?

・「未婚の仕事仲間に『よく仕事しながら結婚できたよね。私なんて仕事のことしか考えられないから恋愛なんて無理~』と言われた。まるで人が仕事をしていないみたいに言いやがって……と憤りました」(29歳/建築)

そこまで言われて黙っていたのでしょうか? 「要するに、あなたはモテないってことなんですね」など、強烈な毒返しをしてもよかったかもしれません。

バイリンガルは大変?

・「帰国子女の友人が『日本語しかできないっていいよね。私なんて会話していてもつい英語に訳しちゃうからコミュニケーションするのが大変』と。だから会話がかみ合わないんだね、と返しておきました」(28歳/販売)

きっと「すごいね」と言ってほしかったのでしょう。毒というよりもただの自慢ですね。

女性に聞いてみたところ、こうした「毒かどうか判断がつきにくい」という微妙な毒を吐かれることが多いようです。言われた側としては、なんだか気分がもやもやしてしまいますよね。わかりやすい分、ストレートな毒のほうがいいのかもしれません。

参考記事はこちら▼

あなたはどのくらい毒を吐く人? 10の質問で診断します。

毒を吐く人は何を考えている? 5つの心理

では、毒を吐く人はなぜ悪口や嫌味を言うのでしょうか? 高見先生に「毒を吐く人の心理」を聞いてみました。

(1)自分を大きく見せたいと思っている

自分を大きく見せたいという願望があるため、毒を吐いて他人を批判します。また、目立ちたい、すごいと思ってほしい、構ってほしいという気持ちの現れでもあります。

(2)劣等感が強い

毒を吐いている人は自信がなく、劣等感やコンプレックスを抱えています。しかしそんな弱い自分を認めたくないので、毒を吐くことで自分を隠し、守っています。

(3)競争心が強い

毒を吐く人は競争心が強く、物ごとを勝ち負けで判断する傾向にあります。また支配欲が強く、常に自分が優位に立ちたいと思っています。しかし実力が伴わない場合に、毒を吐いて他人をおとしめることで優越感を得ようとするのです。

(4)自分は正しいと思っている

自分の意見の正当性を主張するために毒を吐くケースもあります。もっともらしい理由をつけて他人を攻撃することで、自分の力を示したいという願望があるからです。

(5)傷つきたくないと思っている

毒を吐く人は、繊細で人一倍傷つきやすい心を持っています。批判されることを恐れるあまりに、毒を吐くことで先制攻撃をして、自分を守っています。

毒を吐く人とのかかわり方

もし、まわりに毒を吐く人がいた場合、どのようにすればうまく付き合っていけるのでしょうか? 「毒を吐く人とのかかわり方」を高見先生に聞いてみました。

友人の場合

友人が毒を吐くタイプの場合、毒を吐いているのを聞いて嫌な気分になるようなら、深くかかわらずに一定の距離を保って接することがベストです。

また、相手が誰か他人の悪口を言っている場合は、「私もそう思う」などと同意することはNG。あなたがいないところで「あの子が○○さんのこと悪く言っていたよ」と、言いふらされる危険があるからです。「あなたはそう思うんだね」と、あくまでも相手の意見だと一線を引いておきましょう。

そして、あなたに対して悪口を言ってきたり、嫌味を言ってきた場合には、できるだけ感情的に反応をしないことが大切です。相手の毒を真正面に受け止めて傷つくことで、相手は自分の発言に影響力があると感じて優越感を抱き、さらに毒を吐いてくるのです。

上司の場合

毒を吐く上司で多いのが、「自分なりに努力して今のポジションについた」というプライドを持っているケース。仕事に対する姿勢が人一倍厳しく、それゆえ甘えたタイプの部下は嫌いです。人を敵か味方かに分けて考える癖があり、味方はわかりやすくひいきしますが、一度敵だとみなされてしまうと、当たりが厳しくなります。

毒を吐く上司に対しては、敵だとみなされないように懐に入っておくのがもっとも上手なかかわり方です。まずは仕事を一生懸命して、認めてもらうことを目指すといいですね。このタイプの上司は、自分が批判されることをもっとも嫌うので、何か言われても感情的になって言い返すことは避けましょう。

上司の努力家なところを認めて、フォローするようなつもりで接するとうまくいきやすいです。もしきつい一言を言われても、動揺せずに淡々と受け止めましょう。ビクビクすると余計に毒を吐かれてしまうので、堂々と振る舞うことが大切です。

彼氏の場合

彼氏が毒を吐く場合、なぜ毒を吐くのかの理由を見極め、理解することが大切です。たとえば、彼が毒を吐く理由が「自分が主導権を握りたいから」「彼女に構ってほしいから」といったものであれば、正面からまともに相手をするのはオススメできません。毒を吐くことで自分を大きく見せ、優位に立って相手に構ってもらおうとしているので、あなたが反応してしまうと、この方法でいいのだと思われます。その際は、「ふーん」「へえ~」と興味のないそぶりをしてスルーすることで、彼氏は「この方法だと相手にされない」と理解します。

中には「気を許せる相手だからついつい甘えて毒を吐いてしまった」ということもあるでしょう。その際、あなたが嫌な気分になったのなら、そうした彼氏の甘えを許さないようにして、同じことをしないよう理解してもらうことが大切です。

本人に悪気はなくきつい言い方をする場合は、性格的な問題だと考えられます。そのケースでは、「こういう言い方をすると人は傷つくんだよ」と、やんわりと教えてあげるといいですね。もし彼氏が改善したいと思っているのなら、静かに聞いてくれるでしょう。

気分が悪くなる毒を吐く人とは距離を取ろう

毒を吐く人は、劣等感や競争心が強く、自分を大きく見せたいと思っているため、つい他人を攻撃するような発言をしてしまうとのこと。そうした心理を理解することでうまく付き合えるかもしれませんが、付き合う必要がないのであれば「距離を取る」のがいいようです。気づかないだけで、自分が普段から毒を吐いていることだってありますから、自分の言動を振り返るのもいいかもしれません。基本的に毒を吐くことは人を嫌な気分にさせてしまいます。大切な人を傷つけ、遠ざけないためにも、毒を吐くのは避けたいですね。

(文:高見綾、構成:中田ボンベ/dcp)

※画像はイメージです

SHARE