トイレ情報を共有の「トイレシェアリング」地域に約3000万円の経済価値を創出
みんなでつくるユニバーサルデザイントイレマップ「Check A Toilet」を運営する特定非営利活動法人Checkは、株式会社公共経営・社会戦略研究所の協力で、独自のアンケート調査を実施。「トイレシェアリング・プロジェクト」の社会的インパクト・経済波及効果を推計した。
トイレシェアリングとは、だれもが暮らしやすい街づくりを推進するため、自治体や地域の事業者が皆で多機能トイレを貸し出し、地域全体でトイレ情報を共有する取り組み。
トイレシェアリングの認知度や認知に基づく行動変化の有無等に関するデータ収集のため、プロジェクト対象地域である三重県1市3町(四日市市・菰野町・朝日町・川越町)の任意の世帯に対し、「トイレシェアリングに関するアンケート調査」を実施。有効回答は147件。
同調査において、家族と一緒に出かけた先での滞在時間を増やしてもいいと思うか尋ねたところ、「特に変わらない」73%、次いで「1時間くらい増やしてよい」15%、「30分くらい増やしてよい」5%、「2時間くらい増やしてよい」3%の順となった。また、家族と外出した場合の1回あたりの平均滞在時間は4時間09分、平均支出額は1万351円となった。
アンケート調査から「単位時間あたりの平均支出額」を算出し、「滞在時間の変化」と掛け合わせて、「世帯あたり平均支出増分」を算出。次に、1市3町の平均支出額増分の推測(理論値)を導き出すため、「アンケート回答世帯平均支出人数」と公表されている統計データから「1市3町の世帯平均人数」を算出。この「1市3町の世帯平均人数」から「世帯あたり平均支出増分」を補正計算し、「1市3町の支出額増分」を算出した。
推計した結果、家族1回の外出で、地域に約3000万円の経済波及効果を創出することがわかった。要因としては、トイレシェアリングの実施と多機能トイレに関する情報を得ることで、安心効果が生じ、外出の頻度、外出先での滞在時間、外出時の支出額などが増加するため。
※この記事は2013年08月08日に公開されたものです