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子育て世代の声を政治に反映させたい。臨月で選挙に挑み、トップ当選を果たした2児の母の決意

子育て世代の声を政治に反映させたい。臨月で選挙に挑み、トップ当選を果たした2児の母の決意

多様性が重視される今日。SDGsの目標でも「ジェンダーの平等」が掲げられ、女性の社会進出をサポートする機運が世界的に高まりつつあります。

この動きは政治においても例外ではなく、各党で女性の出馬支援の取り組みが活発化しています。国政政党「日本維新の会」も、そのひとつ。同政党は公募によって出馬を希望する人を受け付けていますが、政治経験の有無や経歴に関係なく応募が可能となっているため、主婦や民間で働く女性にも広く門戸を開いているのが特徴です。

国会議員候補者募集

HPでも「政治家として生まれた人はいない」というコピーを掲げ、多種多様な人材の参入を歓迎しています

そんな日本維新の会には、なんと臨月で選挙に挑み、見事トップ当選を果たした女性議員がいます。東京都北区の区議会議員、佐藤ことさんです。なぜ、異例の挑戦に踏み切ったのでしょうか。また、日本維新の会はどのような思いで彼女の決意を受け止めたのでしょうか。

政治家を志した経緯や今後の展望について、佐藤さんと藤田文武幹事長に伺いました。

佐藤ことさん、藤田文武さん

Profile

佐藤ことさん1988年、静岡県浜松市生まれ。ダブリン大学トリニティカレッジ心理学部を卒業し、2013年より広告代理店2社で広告やマーケティング業務に5年間従事。その後、障がい者雇用支援事業を幅広く展開する「株式会社ゼネラルパートナーズ」に入社。2018年の夏より音喜多駿事務所に政策スタッフとして参画し、統一地方選や参議院選挙のボランティアを経験。今春の北区議会議員選挙でトップ当選を果たす。

藤田文武さん1980年、大阪府寝屋川市生まれ。筑波大学体育専門学校群卒業後、オーストラリア、ニュージーランド留学を経て、スポーツ関連のベンチャー企業へ。役員として経営全般に携わった後、独立起業。スポーツ・健康・医療・介護・福祉・教育・ITの分野で事業を展開。2019年4月、衆議院議員補欠選挙に初当選し、2021年10月の衆議院議員総選挙で2期目の当選。2021年11月、日本維新の会幹事長に就任。

きっかけは子育て中に感じた疑問当事者の声を自ら反映させるため、政治家を目指す

東京都・北区議会議員選挙で9千票超を獲得してトップ当選を果たした佐藤さんは、2児の母として育児に奮闘しながら議会での代表質問に向けた準備を進める忙しい毎日を送っています。

佐藤ことさん

しかし、以前は政治家を志望していたわけではなかったのだとか。政治に関心を寄せるようになったのは、2016年に長女を出産したことがきっかけでした。

佐藤ことさん

子どもを産んだ後はどうしても働けず、そのうえでお金がかかるのですが、子育て支援が十分でないことを痛感しました。例えば、出産手当金は産休が終わってからでないと申請できず、支給されるまでに 2~4ヶ月程度かかります。産休中は収入が途絶える中で妊婦健診や出産には予想以上に費用がかかり、貯金を切り崩す生活はなかなか厳しかったですね。

「政治家は『少子化対策は重要』と口を揃えているにもかかわらず、どうして現実問題は解消されないのだろう」と、疑問を抱いたことが政治への関心につながりました。

佐藤ことさん

当時の佐藤さん

また、仕事で障がい者の就労支援に携わっていても、制度や法律の壁を感じることが多々あったそう。こうした経験から、政治家に当事者の声を直接届けたいと考えるようになったと振り返ります。

佐藤ことさん

結婚を機に東京都の北区に引っ越してきて以来、当時都議会議員だった音喜多駿さん(現・日本維新の会 政調会長)を応援していたのですが、彼が政治塾を始めたので、参加してみたんです。

このときは、子育てや障がい者雇用の現場の声を政治家に届けるためのコネクション作りが目的でした。

佐藤ことさん

「自分が政治家になろうとは全く思っていなかった」と話す佐藤さんですが、2020年の都議会議員補欠選挙に初めて出馬します。

佐藤ことさん

その前年の参議院選挙に当選した音喜多さんから、都議補選の立候補者を募る公募に応募してみないかと声をかけてもらったんです。

「誰かがやってくれるんじゃないか」とか「もっと優秀で相応しい人は他にいるんじゃないか」と半年ほどすごく悩みましたが、「女性の議員が増えてほしいと思っているのであれば、自分がやらないと!」と覚悟が決まりました。

佐藤ことさん

都議会議員補欠選挙に臨む佐藤さん/Photo:武藤裕也

日本維新の会からの出馬を選んだのは、特定の企業や団体からの支援を受け取らずに、生活者目線で地域の課題から改革をすすめる姿勢に共感を覚えたという理由からでした。

告示翌日に出産臨月での選挙を決断した理由と社会的意義

佐藤ことさん

Photo:武藤裕也

佐藤さんは2020年の都議会議員補欠選挙に続き、翌年2021年の都議会議員選挙にも出馬しましたが、いずれも残念ながら落選。けれど今年の春、3度目の挑戦が待っていました。それが、出産を控えた臨月での選挙だったのです。

佐藤ことさん

音喜多さんの政治塾に参加してから5年が経ち、その間に2度も選挙に出馬しましたので、当初の目的だった政治家とのコネクション作りはおおむね達成していました。

そのため、出産を控えた状態で無理に出馬しなくても良いのではないかと自問しましたが、臨月だからこそ、もし当選できれば政治家を志す子育て世代の女性たちにヒントを与えられるかもしれないと思うようになったんです。

佐藤ことさん

結婚後に妊娠・出産を経験して以来、いたるところで「母親だから」といったジェンダーロールの押し付けもあったと明かす佐藤さん。

「ここであきらめてしまえば、妊娠・出産と選挙の両立の可能性を閉ざしてしまうかもしれない——」。そんな思いから、「子育て世代の女性の政界進出を願っている以上、自分がロールモデルになるべきではないか」といった意欲が沸々と込み上げてきたそうです。

この決断に対し、日本維新の会は尊重の意思を示しました。

藤田文武さん

最初に話を聞いたときは、第一に佐藤さんの体調が大丈夫なのかが心配でした。選挙は肉体的にも精神的にも過酷なものですし、党としても前例がないだけに、しっかりと支え切れるのかという気がかりもありましたね。

最終的には、佐藤さんの心意気に打たれたのと、周りの議員たちから「支えていこう」と声が上がったので、新しい挑戦として位置づけ、出産と当選の2つの大きな目標達成を掲げて党内がまとまりました。

藤田文武さん

臨月で迎えた告示。その翌朝に陣痛が起こり、佐藤さんは無事に次女を出産しました。ただ、選挙はスタートしたばかりです。

藤田文武さん

過去2度の都議選のときに応援に駆けつけたのですが、ひとりでも多くの有権者と触れ合おうと選挙区内を懸命に走り回り、自然体で接している佐藤さんの姿が印象的でした。それを封印しなければならないのですから、選挙活動は相当苦労したのではないかと思います。

藤田文武さん

佐藤ことさん

有権者の方々と触れ合うと、応援いただいたり政策をブラッシュアップできたりして自信になるのですが、告示日を除いて街頭に立てず、不安は募る一方でした。区議選は「握手の数で勝敗が決まる」ともいわれています。

都議選で選挙区内を駆けずり回っても当選に届かなかった自分が選んでいただけるのか、ずっと怖かったですね。

佐藤ことさん

そんな佐藤さんの心の支えとなったのが、日本維新の会の仲間たちの存在でした。

佐藤ことさん

選挙期間中には吉村洋文共同代表が応援演説に来てくださいましたし、東京維新の会のメンバーが私のSNSでの発信を積極的に拡散してくれました。

出馬を迷っていた頃は批判のほうが強いのではないかとも思っていましたし、党に迷惑をかけるくらいなら無所属になったほうが良いのではないかとさえ考えましたが、すべて杞憂でした。ありがたかったです。

佐藤ことさん

佐藤さんや周囲の努力の甲斐あって、蓋を開けてみればトップ当選。有権者から「都議選でも投票していたので、当選して嬉しい」といったメッセージが届いたことを、佐藤さんは目に涙を浮かべながら紹介してくれました。

藤田幹事長は「自分のライフイベントに向き合いながらも公のために尽くしたいという信念が有権者に伝わった結果」と評します。

佐藤ことさん

私は駅頭で有権者の方々に挨拶することが好きなので、例えば都議選を控えた政治活動中は始発から終電まで立ったり、自転車で区内の全駅を回ったりしていました。でも、これは全員ができるとは限りません。小さな子どもがいるなら預けられる環境がないと厳しいですし、体力には個人差があります。

今回は告示翌日から駅頭を封印し、SNSでの情報発信を中心に選挙活動に取り組んだので、私と同じ子育て世代の女性が出馬する際の参考になったら嬉しいなと思います。

佐藤ことさん

藤田幹事長も、佐藤さんが選挙期間中に出産をしながらも当選を果たした意義を強調します。

藤田文武さん

日本維新の会のみならず、日本の政治にとっての転換点になったのではないかと考えています。出産という一大ライフイベントと選挙が重なっても後ろめたさを感じる必要はなく、ひとつのモデルケースとなりました。

ライフイベントは、なかなかコントロールできないものです。何かに挑戦するときに結婚や妊娠・出産といったライフイベントを理由に躊躇わなくていい社会をつくっていくうえで、佐藤さんが当選したことはとても価値があります。

藤田文武さん

ただ、日本維新の会としてはベストなサポートができたとは思っていないとも。

藤田文武さん

現状は、子育てをしながら選挙に立候補する候補者に対してベビーシッターや一時保育の利用料を補助していますが、まだまだ改善の余地があります。

今後、たくさんの人たちから意見を聞き、子育て世代の女性が気兼ねなく選挙に挑戦できるサポート体制の構築をさらに推進していきたいですね。

佐藤ことさん、藤田文武さん

ベビーシッターや一時保育利用料の補助については、先の統一地方選挙で約800名の候補者のうち、およそ2割が制度を利用。利用者のほとんどが当選しました。

多種多様な人が政治に参画し、誰もが暮らしやすい社会に本来の政治があるべき姿へ向けて

出産を経て、3度目の選挙で晴れて議員となった佐藤さんは「ひとりひとりの声が届く政治がしたい」といいます。

佐藤ことさん

私は当事者の声を政治家に届けたくて、政治の世界に飛び込みました。議員となったからには、地域の課題に耳を傾け、「佐藤に届ければ変えてくれそうだ」と期待していただける政治家でありたいと思っています。

佐藤ことさん

そして、「暮らしの困り事に気づき、政治を通して社会をより良く変えたいとの熱い思いを持っているなら、気後れせずに挑戦してほしい」と呼びかけました。このメッセージに藤田幹事長は強く賛同します。

藤田文武さん

女性はもちろん、人は誰でも困難や課題を抱えて生きています。さまざまな立場の声を反映し、暮らしをより良くしていくことが本来の政治のあるべき姿です。

政治の世界は特殊で新規参入しにくいと思われていますが、多種多様な人が政治に参画して声を上げられるように、政党間でアイデア競争が起きれば良いのではないでしょうか。チャレンジ精神あふれる日本維新の会だからこそ、その変革をリードしていきたいと考えています。

佐藤ことさん、藤田文武さん

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