【医師監修】生理前の鮮血。これって着床出血⁉ 妊娠との関係とその他の可能性
生理が来るのは数日先のはずなのに「鮮血」が……。いつも生理が規則的な人で、こんな変化があったら気になりますね。妊娠を心待ちにしている時ならなおさらです。今回は「着床出血」で鮮血が出ることはあるのか、着床出血以外の出血原因などについて解説します。
着床出血はどんな色?
妊娠を待ち望んでいる人の間でよく話題になる「着床出血」。なぜなら、妊娠によって生じる目に見える体の変化としては、もっともはやい時期に起こるものだからです。この着床出血は「鮮血」のこともあるのでしょうか。
鮮血が出ることも
着床出血で「鮮血」が出ることも、中にはあるようです。ただ、「淡いピンク色」や「濃い茶色」に見えると言われることのほうが多いです。着床出血では生理に比べて出血の量が少ないので、おりものに少量の血液が混じったことでピンクに見えたり、生理のようにどんどん出血するわけではないので、出血後時間が経ったものが排出されることで茶色に見えたりすることが多いのでしょう。
出血が起こる期間も着床出血の場合は短めで、続いたとしてもだいたい3日間程度で収まるようです。なお、実は着床出血なしで妊娠する人のほうが多いと言われています。着床出血についてくわしくは、下記の記事も参照してみてくださいね。
着床出血かどうかは症状だけではわからない
さて、着床出血の色について最初に説明しましたが、そもそも、「生理前の鮮血=着床出血」とは限りません。あとで説明しますが、いつもより短めの生理や不正出血と見た目だけでは区別がつかないからです。
その出血が着床出血かどうかは、どのように調べればよいのでしょうか。
「適切な時期」に妊娠検査薬を使ってみよう
もっとも簡単なのは「妊娠検査薬」を使ってみることです。ただし、注意しなければいけない点があります。妊娠検査薬を使用するタイミングが早すぎると、「実際は妊娠しているのに、妊娠していないと判定される(偽陰性)」可能性があることです。
通常タイプの妊娠検査薬を使うなら、生理開始予定日の1週間後(妊娠していた場合、妊娠5週に当たる)以降であれば、こうした偽陰性と判定される可能性は低くなります。くわしくは下記の記事も参照してください。
基礎体温を確認してみても
普段から基礎体温をチェックしている人なら、その記録から妊娠の有無を推測することもできます。「高温期が17日以上続いている場合は、妊娠している可能性」があります。その場合も適切な時期に妊娠検査薬を使ってみて、陽性であったら産婦人科を受診し妊娠を確定してもらいましょう。
妊娠した場合の基礎体温がどうなるのかについて、くわしくは下記の記事を参照してください。
着床出血ではない場合の原因
さて、生理予定日前に軽い出血があった人が、適切な時期に妊娠検査薬を使ったものの陰性だった場合、それは着床出血ではなかった可能性が高いということになります。では、着床のほかに可能性がある出血の原因にはどんなものがあるのでしょうか。
「短めの生理」だった可能性
最初に説明した通り、着床出血の場合「続いたとしてもだいたい3日程度」と、通常の生理より短めになると言われています。いつもより短いから、「普通の生理ではない。着床出血では?」と思うわけですよね。ただ、正常な生理期間も実は「3」~7日間とされているので[*1]、3日間しかなくても、一応、正常範囲内ではあります。
生理期間が2日間以内になると「過短月経」といって、子宮や卵巣の異常が疑われます。短すぎる生理が続く場合は、一度婦人科でくわしく調べてもらってくださいね。生理期間の異常について、くわしくは下記の記事も参照してください。
不正出血の可能性も
生理ではない原因で出血することは、「不正(性器)出血」と呼ばれており、着床出血かと思ったら実は不正出血だったという可能性もあります。
不正出血にはさまざまな原因がありますが、代表的なものはホルモンバランスの乱れで起こるものです。ホルモンバランスの乱れは、ストレス、過度なダイエットなどで起こることもあれば、卵巣などの病気が隠れていることもあります。もともと生理が不規則だったり、生理ではないはずのタイミングで出血があった場合も、医療機関でくわしく調べてもらいましょう。
不正出血についてくわしくは、下記の記事も参照してください。
まとめ
着床出血は、鮮血の場合も中にはあるようですが、一般的にはピンクや茶色と表現されることが多いようです。妊娠したかどうかヤキモキしているときに、着床出血なのか違うのか、よくわからない出血があるととても気になりますよね。でも、症状だけで妊娠の有無を判別するのは難しいので、少し待ってから妊娠検査薬を使ってみましょう。陽性が出た場合はもちろん、陰性であっても不正出血が続く場合は、受診するようにしてくださいね。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:齊藤英和先生)
※画像はイメージです
[*1]日本産科婦人科学会編 :産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版, p.59.
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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