【医師監修】妊娠の可能性がある基礎体温表とは? 高温期の持続期間とグラフの特徴

【医師監修】妊娠の可能性がある基礎体温表とは? 高温期の持続期間とグラフの特徴

基礎体温をつけていると妊娠の兆候を早めに知ることができます。高温期が17日以上続いていたら、妊娠の可能性が高いといわれるからです。妊娠の可能性がある基礎体温表についての知識と妊娠検査薬を使う時の注意をまとめました。


基礎体温と妊娠の可能性

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※画像はイメージです

「そろそろ赤ちゃんが欲しいな」という思いをきっかけに基礎体温を測るようになった方は多いのではないでしょうか。毎日、基礎体温を測っていると、妊娠の兆候を早めに知ることができます。高温期が17日以上続いていたら、妊娠の可能性が高いといわれる理由を説明します。

妊娠の可能性がある基礎体温表とは?

妊娠の可能性のある基礎体温表とは、月経周期のワンサイクルが終わっても体温が下がることなく、高温期が17日以上続いている場合です。

健康な女性の基礎体温は、月経周期が28日の場合、次のようになります。
・月経開始から約14日間(月経周期の前半)は低温期
・排卵から次の月経までの約14日間(月経周期の後半)は高温期

このように月経と排卵をきっかけに、基礎体温が低い時期と高い時期の2相に分かれています。医学的にはそれぞれを「低温相」「高温相」と呼びますが、この記事では一般的になじみのある「低温期」「高温期」という言葉を使います。排卵後に体温が高くなるのは、女性ホルモンのひとつ、黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きです。黄体ホルモンには体温を上昇させる働きがあるため、基礎体温は0.3~0.5℃上昇します。妊娠が成立しなかった場合は、再び体温が下がり、次の月経が始まります。

妊娠すると体温が高くなる理由

では、なぜ妊娠すると高温期が続くのでしょうか。鍵をにぎっているのは黄体ホルモンの働きです。黄体ホルモンは「妊娠をサポートするホルモン」ともいわれ、体温を上昇させると共に、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整える役割を担っています。

毎回、排卵後の高温期が約2週間なのは、黄体ホルモンを分泌する「黄体」(排卵後の卵巣に残った卵胞が変化して黄体となります)の寿命が約14日間 だからです。妊娠しなかった場合、黄体は姿を消すため、体温は下がり、厚くなった子宮内膜は剥がれ落ちて体外へ出てきます(月経)。

高い体温が17日以上続いているということは、黄体が機能を保っていることを示します。妊娠が成立すると、黄体は「妊娠黄体」 という状態に変化して黄体ホルモンの分泌を続けます 。そのため基礎体温の高温期が17日以上続くと、妊娠の可能性が高いといえるのです。

妊娠の可能性がある基礎体温表が見られた場合は?

「もしかしたら妊娠⁉」そんな時は一刻も早く確かめたくなるもの。ここでは市販の妊娠診断補助試薬(妊娠検査薬)を使う場合の注意点をお伝えします。早すぎるタイミングでの確認は、反応が出ない場合もあります。適切な時期を待って使用するようにしましょう。

適切な時期を待って妊娠診検査薬を使用

基礎体温が高いままで、月経予定日を過ぎても生理が来ない場合、まずは市販の妊娠診断補助試薬(妊娠検査薬)で確認してみましょう。

妊娠検査薬は、スティック状になっていて、先端部(センサー)に尿をかけるか、紙コップなどに入れた尿に浸すようにして使います。尿に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンに反応して妊娠しているかどうかを検査することができ、判定表示部分にラインが出れば陽性反応です。

hCGは妊娠すると胎盤絨毛細胞から分泌され始め、尿の中の濃度は日ごとに高くなります。覚えておきたいのは、妊娠検査薬は検出感度によって2種類に分けられるということです。

ひとつは、ドラッグストア(薬店)で入手できる一般用医薬品の妊娠検査薬。尿の中のhCGの量が50IU/L以上あると陽性反応が出ます。判定可能な時期は「月経予定日の約1週間後以降」です。

もうひとつは、より少量のhCGに反応する、感度の高い妊娠検査薬。「早期妊娠検査薬」とも呼ばれ、医療用体外診断用 医薬品に分類されます。こちらはhCGが25IU/L以上で陽性と判定され、判定可能な時期は「月経予定日当日」から。入手できるのは調剤薬局です。

いずれも説明書をよく読み、適切なタイミングで正しい方法で使うようにしましょう。

判定が陰性でも、高温が続く場合は?

妊娠検査薬で陰性だったにもかかわらず、基礎体温の高温期が続く場合は、確認のタイミングが早すぎた可能性があります。検出できる十分な量のhCGがまだ尿の中に出ていなかったとも考えられるので、数日後に再検査してみましょう。

月経周期の数え方、妊娠検査薬の使用方法を誤っているケースも考えられます。長期間、保管していたものを使用する際には使用期限も確認しましょう。

なお妊娠検査薬は「妊娠判定補助試薬」であり、その名の通り、あくまでも補助的に使われるもので妊娠を確定するものではありません。添付文書には「判定が陽性であれば妊娠している可能性がありますが、正常な妊娠かどうかまでは判別できませんので、できるだけ早く医師の診断を受けてください」と明記されています。これは陽性でも、初期流産や異所性妊娠(子宮内膜以外の場所に受精卵が着床した妊娠)などの可能性があるからです。

また不妊治療などでhCGを含んだホルモン剤の投与を受けている場合は影響を及ぼす可能性があるので医師に相談してください。

陽性の反応が出たら、産婦人科を受診して妊娠の確認検査をしましょう。
妊娠の確定は「経腟超音波検査」によって行います。子宮の中に胎嚢(たいのう、赤ちゃんの袋)が確認できると、妊娠と診断されることになります。

まとめ

基礎体温表で髙温期が17日以上続くと妊娠の可能性が高いと考えられます。ただし、妊娠検査薬を使うタイミングによっては兆候が出ないこともあります。早く結果を知りたい状況ではありますが、あせらず適切な時期に検査をしましょう。そして、もし陽性であれば産婦人科に足を運びましょう。

(萩原明子/毎日新聞出版MMJ編集部)

この記事の監修ドクター
医療法人社団聖育会 三枝産婦人科医院
院長 升田 春夫先生
東京大学を卒業後、東京大学医学部付属病院、東京都立墨東病院を経て、2002年に三枝産婦人科医院の副院長に就任。2014年から院長を務める。周産期の研究・診察に長年携わってきた「お産の専門家」。
超音波の専門免許を取得している超音波専門医でもある。

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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