【医師監修】胎児もしゃっくりをする? その原因と「胎動」のいろいろ

【医師監修】胎児もしゃっくりをする? その原因と「胎動」のいろいろ

妊娠中、いつもとは違う規則正しい胎動を感じたこともある人もいるのでは。それはもしかしたら、胎児の「しゃっくり」かもしれません。胎児のしゃっくりは胎動の一種といわれています。その原因や胎動のいろいろについて調べてみました。


この記事の監修ドクター
浅野仁覚先生
アルテミスウィメンズホスピタル(東京都東久留米市)院長。福島県立医科大学、同大学院卒業後、社会保険二本松病院、南相馬市立総合病院産婦人科医長、福島県立医科大学附属病院総合周産期センター(母体・胎児部門)助教、東府中病院副院長を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、医学博士、J-MELSベーシックコースインストラクター

胎児もしゃっくりをするって本当?

Getty logo

横隔膜の痙攣(けいれん)によって引き起こされる「しゃっくり」。声帯がごくわずかな時間閉じられることにより「ヒック」という、しゃっくり特有の音が出 たり呼吸が乱れたりするため、しゃっくりが出ると「早く止まらないかな」と感じる人も多いでしょう。じつはそのしゃっくりをお腹の中の赤ちゃんがすることもあるそうです。

運が良ければ健診の際、お腹の赤ちゃんがしゃっくりしているところを超音波検査(エコー)で見られるかもしれません。しゃっくりをする赤ちゃんを目にしたら、小さいけれどもう立派にひとりの人間なんだな、とさらに愛おしさが増すでしょう。

胎動の一種「しゃっくり様運動」

赤ちゃんのしゃっくりは、胎動の一種です。妊娠10週ごろ[*1]から、赤ちゃんはお腹の中で手足を動かしたり、「のび」をしたり、さまざまな動きをしています。それが胎動として妊婦さんにも感じられるようになるのは、早い人で妊娠16週くらいから[*2]。妊娠20週になると、多くの人が胎動を感じられるようになります。

胎動については10種類以上もの運動パターンが確認されていて、赤ちゃんはお腹の中でじつに多様な動きをしているとされています。以下に胎動のパターンをいくつか紹介します[*1]。

頭部の運動

妊娠10~12週ごろにはゆっくりと首を振ったり、頭部を後に傾けたりします。また妊娠13~14週ごろには頭部を前に傾けたり、下顎を動かしたりします。

手足の単独運動

腕や足をそれぞれ曲げたり伸ばしたりする動き。こちらも妊娠10週ごろの比較的早い段階から見られる運動パターンです。

呼吸様運動

妊娠11週前後からみられる、胎児が行う、呼吸に似た運動です。胸をへこませてお腹を膨らませ、横隔膜を押し下げるような動きを行っている様子が観察されています。

眼球運動

妊娠24~25週ごろにさかんになり、集中して見られるようになる時間帯ができます。妊娠28~30週ごろには眼球と体の動きが連動するようになり、眼球が動いていない時は体の動きも少なくなるといわれています。

しゃっくり様運動

子宮内で胎児が行うリズミカルな動き。大人がしゃっくりをしている時のように見えることから、こう呼ばれています。

胎児がしゃっくり様運動をする理由

こうした胎動は、赤ちゃんが気まぐれに行っているのではなく、生まれた後に向けた準備の一環だと考えられています。生まれてから必要になる動きを、あらかじめお腹の中で行って練習をしているのが胎動の役割なのかもしれません。

というものの、手足や頭を動かしたり、呼吸のまねをしたりという動きを準備する必要があることはわかっても「しゃっくりまで練習する必要はあるの…?」と疑問に感じる人もいるでしょう。じつは胎児がしゃっくり様運動をする理由は、まだわかっていないのです。 赤ちゃんの肺の成熟に役立つという説もありますが、それが胎児のしゃっくりの明確な原因かどうかはわかっていません。

胎児のしゃっくりの感じ方

Getty logo

胎児のしゃっくり様運動はママにどのように伝わるか

妊娠中、お腹の赤ちゃんが痙攣(けいれん)のような、規則的な動きをしているのを感じることがあるかもしれません。そうした痙攣に似た規則的な胎動は、胎児のしゃっくりであることが多いといわれています。 ただし、胎動の感じ方には個人差が大きく、同じような動きでも人によって伝わり方が異なります。中にはしゃっくりをしていても、不規則な動きとして感じられることもあるでしょう。

また生まれた後はほとんどの赤ちゃんがしゃっくりをするのに対し、生まれる前はしない赤ちゃんもいます。 胎児がしゃっくりをしているような胎動を感じられなくても心配はありません。お腹の赤ちゃんがしゃっくりをしていてもしなくても、とくに気にする必要はないでしょう。

頻繁におこるしゃっくりは心配!?

しゃっくりの有無を気にする必要はないとはいえ、あまり頻繁に起こると心配になることもあるかもしれません。実際、生まれる前に一日に何度もしゃっくりする赤ちゃんもいますが、一般的にしゃっくりは赤ちゃんの苦痛にはならないといわれています 。大人にとっては時に不快感を覚えてしまうしゃっくりですが、お腹の赤ちゃんにとってはもしかしたらちょっとした遊びのようなものに感じている可能性もありますねね。

しゃっくり様運動はときには30分くらい続くこともあるといわれています。これもまた大人にとってはつらく感じることがありますが、赤ちゃんはとくに苦しがっているわけではないようです 。

このようにしゃっくり様運動が多くても赤ちゃんの心配は無用ですが、胎動を感じやすいママにとっては、あまりに頻繁なしゃっくりでお腹に違和感や痛みを覚えることがあるかもしれません。その場合は安静にするなどして、痛みがおさまるのを待ってみましょう。しばらくしても痛みが治まらず、お腹がカチカチに張ったような感じや、いつもにない張りを感じたり、胎動がまったくなくなった、性器から出血や破水があった場合は、できるだけ早く、かかりつけ医療機関にまずは電話で相談してみましょう。

まとめ

Getty logo

妊娠中の胎動の感じ方は人それぞれ。赤ちゃんのしゃっくりを感じられる人もいれば、そうでない人もいます。どちらであっても健診で異常を指摘されていなければ、とくに心配する必要はありません。ただし、これまであった胎動が急になくなったなど、気になる異変があれば、すぐにかかりつけ医に連絡してくださいね。

(文:山本尚恵/監修:浅野仁覚先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]文光堂「目で見る妊娠と出産」P.26
[*2]胎動 よくわかる用語辞典|赤ちゃん&子育てインフォ
https://www.mcfh.or.jp/jouhou/yougo/taidou.html

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

関連する投稿


【新型コロナウイルス】妊活・妊娠・授乳中の女性はどう過ごしている?

【新型コロナウイルス】妊活・妊娠・授乳中の女性はどう過ごしている?

ゲンナイ製薬は、「コロナウイルスで自重していること」について、妊活中・妊娠中・授乳中の女性を対象に意識調査を実施しました。


春先の冷えに。おなかを優しく守る、オーガニックコットンの“薄手はらまき“が発売中

春先の冷えに。おなかを優しく守る、オーガニックコットンの“薄手はらまき“が発売中

ゲンナイ製薬は、オーガニックコットン衣類の新ブランド「プラスニド」を展開開始し、第一弾として、女性向けの薄手春用はらまき「あなたになじむ はるのはらまき」を3月初旬より販売しています。


菊地亜美さんの妊娠後の変化は? 「ベルタ葉酸サプリ」新アンバサダーに就任

菊地亜美さんの妊娠後の変化は? 「ベルタ葉酸サプリ」新アンバサダーに就任

タレントの菊地亜美さんが、「ベルタ葉酸サプリ」の2020年新アンバサダーに就任しました。


妊活や女性の不調ケアにも。不足しがちな栄養配合の “葉酸スムージー、タブレット”が登場

妊活や女性の不調ケアにも。不足しがちな栄養配合の “葉酸スムージー、タブレット”が登場

KIYORAの健康食品ブランド「ベジエ」シリーズから、「葉酸スムージー」、「葉酸タブレット」が、3月15日より全国のドラッグストア、 ほかWEBサイトにて発売します。


「THE NORTH FACE」のマタニティウェア第2弾がオシャレ&機能的! 産後まで快適に

「THE NORTH FACE」のマタニティウェア第2弾がオシャレ&機能的! 産後まで快適に

「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」から、女性向けに妊娠中や産後も快適に着ることができる、機能的なマタニティウェア第二弾を発売します。


最新の投稿


かさばる診察券や医療証もスッキリ! 100均グッズを使った収納術

かさばる診察券や医療証もスッキリ! 100均グッズを使った収納術

病院に行くときに持参することの多い医療証や診察券。みなさんはどのように収納されていますか? 今回は、いざ使うときにさっと取り出せる100均グッズを、実際に使ってみた感想とともにレポートしてみたいと思います。


シャキシャキ感がおいしい! 水菜のおすすめの食べ方とレシピ

シャキシャキ感がおいしい! 水菜のおすすめの食べ方とレシピ

寒い冬から春にかけて旬を迎える水菜。そのままサラダにしたり、鍋に入れたりもできる便利野菜です。シャキシャキした食感と瑞々しさが特徴の水菜の、いろいろな食べ方やレシピを紹介します。


【医師監修】新生児のミルクの飲みすぎにはどう対処する?欲しがり続ける原因と上手な対応

【医師監修】新生児のミルクの飲みすぎにはどう対処する?欲しがり続ける原因と上手な対応

新生児のうちは、十分にミルクを飲ませたはずなのに、あげてみたらどんどん飲んでしまうことがあります。ミルクの飲みすぎではないかと気になったり、何度も泣いてほしがっているように見えたらどうすればいいか、紹介します。


【医師監修】つたい歩きはいつから?早すぎるとO脚になるって本当?

【医師監修】つたい歩きはいつから?早すぎるとO脚になるって本当?

つたい歩きをなかなか始めなかったり、逆に早くからつたい歩きを始める姿を見て、心配するお母さんお父さんもいることと思います。今回はつたい歩きを始める一般的な時期や、O脚との関係などについてお話します。


【医師監修】低出生体重児はどうしてなるの?原因と発達・発育の特徴、育児の注意点とQ&A

【医師監修】低出生体重児はどうしてなるの?原因と発達・発育の特徴、育児の注意点とQ&A

赤ちゃんが元気に生まれてきてくれても、体が小さめだと気になることが多いかもしれませんね。特に低出生体重児の場合は、育て方や今後の成長などに不安を感じることもあると思います。そこで今回は、「低出生体重児」とはどのようなものか、その原因や成長のしかた、育てるうえで気を付けたいことなどについて説明します。