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2022年12月05日 14:20 更新

ハンドリガードをするのは生後何ヶ月ごろ?しない赤ちゃんと発達障害の関係【医師監修】

赤ちゃん特有の仕草「ハンドリガード」。その様子にキュンキュンしてしまうママ・パパも多いことでしょう。この仕草は赤ちゃんの発達と深い関係のあるものなのです。今回は赤ちゃんのハンドリガードについて、見られやすい時期、しないときの原因や対応などを詳しく解説します。

ハンドリガードとは

ハンドリガードする赤ちゃん
Lazy dummy

発達過程で現れるとされるハンドリガードですが、これは具体的にどのような仕草で、なぜ見られるのでしょうか? 見られやすい時期もあわせて、詳しく解説します。

手をじっと見る「ハンドリガード」

赤ちゃんが自分の手をじっと見つめたり、いつまでも眺めている様子を見たことはないでしょうか? これは、ハンドリガード(Hand-regard)と呼ばれる赤ちゃん特有の仕草です。リガード(regard)とは、英語で「じっと見る」という意味の単語で、自分の手をじっと見つめる赤ちゃんの姿を表す言葉として使われるようになりました。

3〜4ヶ月ごろに始まることが多い

手を見つめてハンドリガードの状態の赤ちゃん
Lazy dummy

ハンドリガードは、赤ちゃんが自分の手を認識するようになる生後3~4ヶ月ごろから始まることが多いといわれますが、成長スピードには個人差があるため一概には言えません。
中には2ヶ月ごろからそのような仕草が見られる赤ちゃんもいれば、4ヶ月を過ぎたころから見られる赤ちゃんもいるなど、人によってさまざまです。

見る力×動かす力=ハンドリガード

ハンドリガードが見られたら、赤ちゃんに「ものを見る力」と「体を動かす力」の2つが身に付いたと考えられます。というのも、手をじっと見つめるには、当然ながら見たいものに焦点を合わせる目の力が必要になるからです。また、手を顔(目)の前に持っていくには、体をある程度自由に動かす力もなくてはいけません。

一般的に、赤ちゃんは生後1ヶ月頃にものをじっと見つめる「注視」ができるようになり、2~3ヶ月頃になると動いたものを目で追う「追視」ができるようになります。この過程の中で赤ちゃんは物との距離感に合わせて焦点を合わせたり、動くものをしっかり追う力を備えていきます。

ここに、手を自由に動かす力が備わることで、ある日目の前に見える手に気づき、「これはなんだ?」との興味から、じっと見つめたり、口に入れて指しゃぶりするなど確かめたりし始めるのです。

ハンドリガードをしないのは発達障害?

では、一般的にハンドリガードが現れやすいといわれる時期が過ぎてもそのような仕草が見られないときは、何か問題があるのでしょうか? 発達との関係について見ていきましょう。

ハンドリガードの時期や頻度には個人差がある

ハンドリガードする赤ちゃん
Lazy dummy

「ハンドリガードが見られない=発達障害自閉症を疑う」では決してありません

ハンドリガードが見られる時期に個人差があることは前で説明したとおりですが、それと同じように、ハンドリガードをする・しないにも個人差があります。ハンドリガードは、発達過程で「見られることがある仕草」くらいに理解しておいてもいいでしょう。

また、する頻度もその子によってさまざまです。そのような動作をよくする赤ちゃんもいれば、あまりしない赤ちゃんもいるので、ハンドリガードが見られないからといって心配することはありません。あまりしない赤ちゃんであれば、ママが見ていないところでこっそりしている可能性もあります。

手ではなく、足を見つめるフットリガードなど、おもちゃなど他のものをじっと見つめる仕草が見られることもあります。赤ちゃんは興味を持ったものはなんでも眺め続けたり、口に入れて確かめようとする傾向にあります。いずれも、ハンドリガードと同じ意味を持つ発達過程の行動なので、必ずしも手を見つめるわけではないということも覚えておくといいでしょう。

他にも気になることがあれば小児科などで相談を

ハンドリガードに限らず、母子健康手帳の乳児発育曲線にある発達段階の目安時期を大幅に過ぎても、それらの行動が見られなかったり、したがる様子すらないときは、「もしかして障害があるのでは?」と心配になるものです。

発達過程に見られるといわれる行動や仕草がなかなか見られなかったとしても、すぐに発達に問題があることを疑うことはできません。前でも述べましたが、成長のスピードには個人差があるので、目安時期にそれができないということは多々あることです。

大切なのは、「一般的」といわれる目安時期や他の子と比べてどうかで判断するのではなく、自分の子が今どのようなステップにいるのかを知って、そのうえで対応を考えることです。ゆっくりでも確実に成長していれば、それがその子のスピードなのです。自分の赤ちゃんのペースを待ってあげましょう。気になることがあるときは、定期的に健診におもむき、発育の状況や発達段階をみてもらったり、小児科や地域の保健所に相談してみましょう。

まとめ

ハンドリガードではなく喜ぶ赤ちゃん
Lazy dummy

自分の手をじっと見つめる赤ちゃん特有のしぐさ、ハンドリガード。赤ちゃんが自分の手を認識しやすい生後3~4ヶ月頃に見られやすいといわれますが、成長速度には個人差があるので、これより遅いことも少なくありません。また、ハンドリガードの有無やその頻度も赤ちゃんによってさまざま。フットリガードなど、他の仕草で発達が表れることもあります。「成長の過程で見られることがある一種の行動」というくらいに認識しておけばいいでしょう。どうしても気になるときは、かかりつけの病院や地域のサポート機関に相談してみてください。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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