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2022年12月05日 15:48 更新

【医師監修】赤ちゃんの「ずりばい」はいつから?練習は? ずりばいの前兆と「しない理由」とは

赤ちゃんが寝返りできるようになって、次ははいはいだと楽しみにしているママやパパもいることでしょう。はいはいの一種で、最初のころに見られるものに「ずりばい」があります。ずりばいが始まるのはいつごろなのでしょうか? だいたいの時期やずりばいをしないときの原因、ずりばいの練習などについて説明します。

赤ちゃんのずりばいはいつから?

赤ちゃん ずりばい

ずりばいは一般的に、いつごろできるようになるのでしょうか? おおよその時期やずりばいを始める前兆について知っておきましょう。

ハイハイの前段階である「ずりばい」

ずりばいとは、「お腹を床につけたままで這って進む」タイプのはいはいです。

一般的には、「寝返り」ができるようになってから「四つんばいで進むはいはい」をするようになる過程で、ずりばいが見られます。流れとしては、

1.寝返りをして仰向けからうつ伏せになる
2. うつ伏せで寝ている姿勢から、お腹を支点にして回転するようになる
3. うでの力で前に進む「ずりばい」で移動するようになる
4. 手で上半身を持ち上げる力がつき、お腹が浮いて四つんばいで進む「はいはい」ができるようになる


というのが一般的です。ただし発達過程には個人差があるため、赤ちゃんによってこうした流れは多少異なります。

ずりばいが始まる目安は生後7~9ヶ月ごろ

厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査」[*1]では、一般に「寝返り」は生後6~7ヶ月までに多くの子ができるようになるとしています。また、「はいはい」や「ひとり座り(おすわり)」は生後9~10ヶ月までに多くの子ができるようになります。

そのためずりばいを始める時期は、この2つの間となる「生後7~9ヶ月ごろ」からと考えられるでしょう。

ずりばいが始まる前兆は?

もうすぐずりばいが始まる時期には、どんな前兆が見られるのでしょうか? すべての赤ちゃんに当てはまるわけではありませんが、一般的には、「赤ちゃんがうつ伏せで体を回転させるようになる」のが、ずりばいを始める前兆と言えます。

寝返りをして仰向けからうつ伏せになれるようになった赤ちゃんは、うつ伏せになって過ごすことが増えてきます。最初はうつ伏せの状態だけで、手足を宙に持ち上げることはあってもまだ胴体を動かすことはできません。

やがて手足に筋力がついてくると、うつ伏せになったままお腹を支点にして、手足で体を回せるようになります。この動作ができるようになったら、次にはお腹は床につけたまま、手を伸ばして手の力だけで前に進むずりばいができるようになります。

なお、うつ伏せで過ごしているときは窒息を防ぐために、柔らかい布団の上に赤ちゃんを寝かせるのは避け、様子を見守ってあげてくださいね。

ずりばいしない赤ちゃんもいる?

ハイハイする赤ちゃん

いつまで経っても赤ちゃんがずりばいを始めなかったり、ずりばいをしないではいはいを始めると不安に思うママやパパもいることでしょう。ずりばいしない子は珍しいのでしょうか? また、赤ちゃんがずりばいしない理由はなぜなのでしょうか?

ずりばいをせずにはいはいに行く赤ちゃんも

赤ちゃんの中にはずりばいをしない子もいます。順調に発育・発達している健康な赤ちゃんでも、ずりばいをせずにはいはいをし始めたり、はいはいもせずにつかまり立ちを始めることはあります。 「ずりばいがなかったらその後の発達によくないのでは……」と心配になるママもいるかもしれませんが、そのように心配する必要はありません。

ずりばいをしないとき、考えられる理由

そもそもはいはいの前にずりばいをするのは、少しずつ筋力をつけている途中だからです。

赤ちゃんに腹筋や背筋、腕の筋力がついていて、足の親指で踏ん張ることができれば、ずりばいを経由しなくてもはいはいはできるようになります。そのため、ずりばいをしない赤ちゃんもいるのです。

また、ずりばいやはいはいをしないで、座ったままの姿勢で移動する「シャフリングベビー」 と呼ばれる赤ちゃんもいますし、はいはいをしないまま、つかまり立ちをする子も多く見られます。

寝返りは発達の目安の一つとされますが、ずりばいやはいはいは、そうではありません。ずりばいをしないまま、はいはいなどを始めても何も問題はないので、安心してくださいね。

ずりばいが始まらないときは練習させたほうがいい?

ずりばいの練習

赤ちゃんがなかなかずりばいをしなかったり、ずりばいの前兆が見られない場合は、ママやパパが何かやってあげた方がいいのでしょうか?

ずりばいの練習は必要なし

ずりばいをなかなか始めなくても、練習をさせる必要はありません。赤ちゃんの運動機能は、頭から足に向かって、また、体の中心から手足の先に向かって、あくまで自然に発達していきます。そのため、特別なトレーニングは必要ないのです。

何かやるとしても、赤ちゃんが「動きたい!」と感じるような遊びを取り入れるだけで十分です。「あそこに行きたい」「あれがほしい」という気持ちが前に進む動作につながるので、そうした気持ちを誘う遊びを楽しむのがよいでしょう。

赤ちゃんの「ずりばい」を誘う方法

これをやれば必ずできるようになるというものではありませんが、寝返りができるようになった赤ちゃんをずりばいに誘う遊び方をお伝えします。

赤ちゃんをうつ伏せにするか、寝返りをして赤ちゃんがうつ伏せになったら、床の高さで赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを動かしてみます。赤ちゃんがお腹を支点に、時計回り、反時計回りに回れるようにおもちゃで誘いましょう。

何度か繰り返して上手に回れるようになったら、今度は赤ちゃんの目の前の方でおもちゃを動かして、ずりばいを誘います。

あくまで遊びなので、赤ちゃんが嫌がったり気が乗らないときには、無理に続けるのはやめましょう。楽しい雰囲気で、親子で笑顔になれるといいですね。

なお、赤ちゃんをうつ伏せのまま放置してしまうと、窒息のリスクがあります。うつ伏せのときには目を離さないようにしてくださいね。

まとめ

赤ちゃん 手足を浮かせる うつ伏せ

ずりばいとは「お腹を床につけたままで這って進むこと」です。生後7~9ヶ月ごろからやるようになりますが、もっと早い時期や、反対に遅い時期に始める赤ちゃんもいます。ずりばいははいはいの前に始めることが多いのですが、ずりばいをしないまま、はいはいやつかまり立ちなどの動きに進んでも、発達上問題はありません。

毎日成長目覚ましい赤ちゃん。運動機能の発達は、トレーニングをしなくても自然に進んでいきます。そうはいっても何かしてあげたいときは、遊びの1つとして、おもちゃで赤ちゃんの「追いかけたい」という気持ちを誘う程度にしておきましょう。

(文:大崎典子/監修:梁尚弘 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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