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2022年06月22日 19:17 更新

フィーカレディースクリニック 佐野麻利子先生|目指すのは「全ての女性のかかりつけ医」

女性の生涯にわたるかかりつけ医を目指すーーそんな理念で、2018年にフィーカレディースクリニックの院長に就任した佐野麻利子先生。女性のライフステージに合わせた適切な情報や知識を提供し、女性の心身の健康をサポートするクリニックでは、どのような活動をされているのか、お話を伺いました。

ーーーまず入った瞬間に、待合室のカフェのような空間に驚きました。とても居心地のいいクリニックですね。

そう言っていただけると嬉しいです。ラウンジのようなリラックスした空間を提供できるよう、内装には特にこだわりました。

フィーかレディースクリニックの待合室の様子

待合室ではお茶を飲みながら本を読み、くつろいでいただけるようにソファを配置したり、本棚を全面に配したりした以外にも、心地よい音楽をかけるなど、カフェのような空間づくりに努めています。クリニックの名前である「フィーカ」は、スウェーデン語で『仕事のあいまのひととき』のこと。コーヒーを飲んだり、おしゃべりしながら、からだをやすめる、そんな空間を提供したいと思って名付けました。

ーーー「プレコンセプションケア」に力を入れているとお聞きしましたが、この言葉を初めて知りました。これはどのようなものですか?

はい、「コンセプション」は、受胎、懐妊を意味し、「プレ」はその前、つまり、妊娠前の健康管理全般のことを言います。世界保健機関(WHO)も「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義づけ、推奨しています。

最近は、晩婚化で出産年齢が高年齢化していることが、リスクの高い妊娠の要因として挙げられているのは有名な話です。若い頃に過度なダイエットを繰り返したことによる極端なやせ、食生活の乱れによる肥満、ストレスで自律神経が乱れているなど、妊娠に影響を及ぼすような健康状態、栄養状態の女性が少なくありません。

いざ赤ちゃんを、と考えたとき、お母さんの体の準備が整っていないと、まずそこからスタートする必要がありますよね。妊娠しやすい体づくりは、まさに女性にとっての健康な体づくりです。私は産婦人科医として、たくさんの妊婦さんやお産の現場に立ち合い、不妊治療の現場にも少なからず関わってきました。その経験から、プレコンセプションケアに着目し、未来のお母さんの力になりたいと、開業に至りました。

※画像はイメージです

大切なのは、プレコンセプションケアは決して妊娠を望む人だけのものだけでなく、妊娠を望む、望まないに関わらず、全ての女性に必要な概念であること。日頃から自分の体の健康状態を知って体を整えておくことは、出産の経験や年齢を問わず、全ての女性にとって大切なことなのです。

そしてそれは女性のみならず、パートナーや女性の職場の方々を含めたすべての人に関わることだということです。そういった考え方から、企業健診はもちろん、健康経営に関するアドバイスや講習など、企業様向けの活動も積極的に行っています。


ーーープレコンセプションケアを受ける場合、具体的には、どんなことをするのでしょうか。

はい、初回は問診と検査が中心で、血液検査、骨密度の測定や感染症の検査、栄養チェックなどを行います。

2回目の診療では最初の検査結果を踏まえて、ご自身が現在どのような健康状態にあるかをご説明します。あわせて今後、健康維持のためにどのような生活改善、食生活をしていけばいいか、医師、管理栄養士が食材などを含めた具体的なアドバイスを行い、目標設定をしていきます。以後、3ヶ月ごとに通院してもらって定期的に測定やチェックをして、主に栄養指導、ご自身での健康管理を継続していただく流れです。患者さんの栄養状態が改善されて、成果を実感できてくると、体調がよくなったと喜んでいただけるのはとても嬉しいですね。この仕事をやっていて良かったと思います。

ーーーなるほど、データに基づいたアドバイスをもらえるというのは心強いですね。プレコンセプションケアのほかには、どんな診療が多いのでしょうか?

はい、他にはアスリート外来も行っていて、血液検査や骨密度測定などを行い、アスリートの体や健康管理、栄養面でのアドバイス含めてスポーツドクターがチェック、サポートをしています。

ひと昔前は、強度の高い練習や減量で月経が止まるといった身体に過剰な負荷をかける女性アスリートも散見されていました。月経が止まって一人前、といった言説まであったぐらいです。でもこれでは、アスリートの将来の体に大きな影響を与えてしまうため、長年問題視されてきました。

現在は、低用量ピルで月経をコントロールしたり、極端な栄養の偏りがないように食事を調整したりしてうまく付き合っていくことができます。アスリートの心身の健康を損なわず、パフォーマンスを最大限に発揮できるようにサポートするのがスポーツドクターの役割です。

有名アスリートが服用を公言したことで認知が進んだこともあって、最近は低用量ピルの処方を希望される若い方も増えています。先ほども話に出てきましたが、プレコンセプションケアは妊活中の方だけのものではありません。若い頃から自分の体のことを知って、気にかけてあげることはとても大事です。
当院では、若い世代の方々や、忙しい女性にも気軽に足を運んでもらいやすいように、いろいろ工夫をしています。

Instagramで休診のお知らせをする、Webやアプリで予約できるようにして、面倒になりがちな病院の予約を、少ないアクションで完結できるようにしているのも、そのひとつですね。

また、月に1回、プレコンセプションケアや栄養のことを学ぶためのセミナーをオンラインで開催するなど、女性のヘルスケアに関する知識の向上にも力を入れています。

クリニックのインスタグラムでは休診やセミナーのお知らせなどが投稿されている。
https://instagram.com/clinic_fika

ーーーオフィスビルという立地も含めて、すべての世代の女性に寄り添ったクリニックですね。他にもここは推したいというポイントはありますか?

はい、プレコンセプションケアに力を入れているのは先ほどお話した通りですが、女性の健康の悩み全般に広く対応できる専門のスタッフを配置していることですね。婦人科、内科、乳腺外科の医師もおりますので、調子が悪いけれどどこの科に行ったらいいかわからない場合や、風邪をひいてしまったという方の診察にもお応えできます。

また、当院は産科の診療は行なっていないクリニックですが、助産師が2名在籍しています。産後のお母さんは子育てで手いっぱい。とても自分の体のことまで気にかけている余裕がないのが実情だと思います。断乳、育児や産前産後に女性が抱える相談にも対応できる体制を整えていますので、気軽に利用して頂けたらと思います。

健康な体づくりのために、足りない栄養素や積極的にとるべき食材などの栄養指導は、管理栄養士がアドバイスします。睡眠健康指導士も在籍していますので、眠りのアドバイスをすることもできます。スタッフも多様な経験をもつメンバーで、診療を担当する医師は女性医師ばかりですので安心してご相談いただけます。

こんな感じで、多くの専門スタッフが多方面からのアプローチをすることで、働く女性の悩みを広くカバーできるクリニックでありたいと思っています。


ーーー最後に、メッセージをお願いいたします。

私たちは、すべての女性にかかりつけの婦人科を持って欲しいと思っています。女性は年齢を問わず、初経に始まって、妊娠、出産、更年期など、ライフステージによってホルモンの影響を受けています。

特に、月経痛やPMSなどの体の不調は部活や勉強、仕事のパフォーマンスに直結します。女性の社会進出が進んだ現代では、妊活をしながら忙しい日々を送っていたり、産後も子育てをしながら、管理職として活躍していたりする女性がたくさんいらっしゃいます。そんな働き盛り世代にこそ、適切な健康管理が大切だと思うのです。

フィーカレディースクリニックは、そんな女性たちが、ほっと一息つけるような居場所でありたいと思っています。こんなこと聞いても大丈夫かな?と思うような小さな不調や悩みも大歓迎です。近所のカフェによるような気持ちで、お気軽にお越しください。

フィーカレディースクリニック

■住所:東京都中央区日本橋 2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング 10F
■電話番号:03-6910-3977
■診療時間(予約制)
診療時間
9:30-18:00

△水曜の診療時間は9:00〜16:30、昼休診あり(12:30~13:30)
☆金曜の診療時間は10:00〜18:00、昼休診あり(14:00~15:00)
※受付は診療終了時間の30分前まで
■休診日:土曜・日曜・祝日
■HP:https://fika-lc.jp/
アクセス
・東京メトロ「⽇本橋」駅B4出⼝すぐ、都営地下鉄浅草線「⽇本橋」駅徒歩4分
・JR各線ほか「東京」駅 徒歩6分

(取材・文:マイナビ子育て編集部)

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