うるおい皮ふ科クリニック豊田雅彦先生｜アトピーなどの「かゆみ」から子どもの患者さんを救いたい

「かゆみに悩む患者さんを救いたい」という思いで、うるおい皮ふ科クリニックの院長として診療を行う豊田雅彦先生。かゆみ治療の最前線で活躍し続けており、千葉県松戸市「八柱」駅から徒歩1分のクリニックには、近隣のみならず遠方からも患者さんが訪れます。今回は豊田先生に、かゆみをはじめとする皮膚科治療への思いをうかがいました。

お話をお聞きした先生
うるおい皮ふ科クリニック院長

豊田雅彦先生

富山医科薬科大学（現：富山大学）卒業後、アメリカのボストン大学皮膚病理学電子顕微鏡部門に留学。2005年にうるおい皮ふ科クリニックを開業。当時の日本ではまだほとんど浸透していなかった皮膚のかゆみ治療に注力してきた。タレントで画家の片岡鶴太郎氏の大ファンで、作品を多数コレクションしている。
「アトピーなどのかゆみは非常につらい症状です。しっかり原因を突き止め、根本から治療。改善できるよう全力を尽くします。」（豊田先生）
■著書
『新しい皮膚の教科書』医学的に正しいケアと不調改善（池田書店）
『頑固なかゆみもアトピーも1分肌活で必ずよくなる』（三笠書房）
『図解版：頑固なかゆみもアトピーも1分肌活で必ずよくなる』（三笠書房）
■共著・分担執筆
『東洋医学を極めた！漢方の名医9人』（現代書林）、『健康医学　本当はカラダに良いこと本当はカラダに悪いこと』（フローラル出版）など
■インスタグラム
肌活先生｜皮膚科医によるアトピー・かゆみ等のお悩み相談室

アトピーなど子どもの「かゆみ治療」に力を入れている皮膚科クリニック

うるおい皮ふ科クリニックは、アトピーなどかゆみに悩む子どもの患者さんの治療に注力しているクリニック。施設名もうるおいに満ちた健康な肌をイメージしてつけられました。

うるおい皮ふ科クリニックの特徴はどんなところでしょうか？

患者さんの約3割は子ども

うるおい皮ふ科クリニックの患者さんの約3割は子どもの患者さんで、アトピーなどかゆみに悩む方が多くいらっしゃいます。子どもの肌は薄く繊細で、大人の肌以上に丁寧なアプローチが必要です。肌を診察するだけではなく、患者さん本人の悩みをしっかり聞き、原因を突き止めます。

漢方などを用いた多角的なアプローチ

原因がわかったら、保湿など基本的なスキンケアの指導やお薬の処方をして、保護者の方と協力しながら治療を進めます。皮膚科治療に一般的に用いられる薬以外にも、漢方など多角的なアプローチで肌の状態を改善していきます。

「開業して間もないころは、効果的な治療法をなかなか見出せず、悔しい思いもしました。症状が改善した患者さんとご家族の笑顔が何よりのやりがい。子どもの患者さんからいただいたお礼の手紙は、私の宝物です」(豊田先生)

子どもの患者さんと目を合わせてじっくり悩みを聞きます

「かゆい」と言っても、さまざまなかゆみがあり、本人に聞くことではじめてどんなかゆみかを把握できます。保護者の方だけでなく、患者さん本人の話を聞き、思いをしっかり知ることで、より適切な治療につなげます。

豊田先生が日々の診療で心がけていることは何でしょうか？

子どもの患者さんの本音を引き出す診療

子どもの患者さんと診療するときは、必ず一人の人間として尊重して接するようにしています。保護者の方のお話を聞くのも大事ですが、本人の話を聞く時間をしっかり取るようにしています。そうすることで「プールに入りたい」「べとべとする薬は嫌」といった本音を話してくれるのです。

患者さんと必ず目の高さを合わせて話すのがポリシー

診察するときは、必ず目の高さを合わせるようにしていて、患者さんが赤ちゃんの場合は、ベッドに寝てもらい、私が床にひざまずいて目線を合わせています。私が気をつけるだけでなく、スタッフ全員に徹底していますね。

「待合室での混雑を緩和するために、診療予約システム『アイチケット』を導入。消毒・検温の実施など、コロナ対策を徹底しています」（豊田先生）

「私を信じてください」というお願い

今でも印象に残っている患者さん親子がいます。

ある日、重度のアトピーの3歳の患者さんとその親御さんが来院されたのですが、いくつもの医療機関に行き、民間療法もたくさん試していて、保護者の方が疲れ切っている状態でした。私のクリニックに訪れたのも「ダメもとです」と言われましたが、なんとか救いたいと思い「私を信じてください」とお願いしました。

患者さん、保護者の方、私が三者が一体となり、根気よく治療を続けました。時には6時間以上にわたり、原因や保湿など基本的なケア、するべきお手入れなどを伝えることもありましたね。その結果、数年で健康な皮膚になり、何年もその状態を維持できています。