“足りないもの”探しからの卒業
「あの子はなんでもできていいなぁ」「あの人は頭の回転が早くていいなぁ」あの人に比べて、私は…。小さい頃から誰かと比べては、自分に“足りないもの”を見つけるのが得意でした。

「あの子はなんでもできていいなぁ」
「あの人は頭の回転が早くていいなぁ」
あの人に比べて、私は…。小さい頃から誰かと比べては、自分に“足りないもの”を見つけるのが得意でした。
積極的じゃない。気の利いた言葉がすぐ出てこない。運動神経はよくない。“足りないもの”を見つけてはくよくよする日々。それは大人になっても、40歳になっても、“足りないもの”探しは続きます。
足りない部分を補わなきゃ。努力をしなきゃ。足りない私に気付かれないようにしなきゃ。気付けば、ずっと気を張り続けていた気がします。
私には“特別”がないと思っていた
私は、30代半ばまで教員として働いていましたが、適応障害となり退職。その後はパンを作る仕事をしています。
教員時代は、もっと上手に指導できたらいいのに、もっと早く仕事ができたらいいのにと、いつも誰かと比べては焦っていました。そして、適応障害となったことで、途中離脱。「何も成し遂げることができなかった」そんな思いが残りました。
今の仕事でもそれは変わらず、人より努力しないと認められない、もっと多くの仕事をこなせるようにならなきゃと、肩にいつも力が入っている状態。
私は、「あの人、これがすごいよね」と何か一つでも言ってもらえるスキルや実績がある、“特別”な人になりたい、ずっとそう思っていた気がします。
胸を張って語れる肩書きや、分かりやすい成果。そんなものがない私は、どこに行っても“普通以下”と感じてしまう。
特別なスキルも経歴もなく、さらに収入面も不安で、「何か」を補わなければ、私は足りないままだと思っていました。
足りない私を変えたくてSHElikesへ
「何か」を補いたいと思っていた私が出会ったのは、Instagramに表示されたSHElikesのバナー広告でした。「私らしい働き方」というワードから、もう少し肩の力を抜いて生活できるようになりたいなと思い、体験レッスンに申し込みました。
体験レッスンの中に個別カウンセリングの時間がありました。担当してくれた方に言われたのが、「このままでいいのかなっていうのが、変わるきっかけなんですよ」という言葉。この言葉が「変わりたい」と思っていた私の心にすっと染み込み、SHElikesへの入会につながりました。
それでも入会したときは、Webスキルを身に付ければ「足りない部分を補える」「今より少し特別な自分になれるかも」という思いがまだあったと思います。それに、これから身に付ける新しいスキルは収入につながるものにできるのだろうか、他の受講生とスキルや学習の進歩を比べて落ち込んでしまったらどうしよう、という不安も少し抱えていました。
でも、すでに持っていたものがあった
不安もありながら、「新しいスキルを身に付けて、新しい私に変わるんだ」と思い直してスタートしたSHElikesの学習。学びを進めたり、さまざまなプログラムに参加したりする中で、大きな気付きがありました。
それは、私でも“大切なもの”を持っていること。
例えば、“あいさつを大切にできること”。「え?そんな当たり前のこと?」と思うかもしれません。しかし、SHElikesのプログラムの中で、初めて関わる人たちとコミュニケーションをとり、円滑にワークを進めていくときに、あいさつや「ありがとう」はとても大切なものだと再認識できました。
世代も仕事もまったく違う人たちと関わるのは、多くの人は緊張するようで、プログラムのはじめはみんな緊張した表情でZoomの画面で顔を合わせます。でも、「こんにちは」「よろしくお願いします」と声を掛け合っていくと、どんどん笑顔になっていきます。そのきっかけ作りに自分もしっかり関わっていることに気付きました。
思えば、教員時代に受け持った生徒には「勉強も運動もできなくたっていい、あいさつとありがとうを言える人になってほしい」と伝えていました。それはそれは何度も言っていたと思います。もし、私が関わった子がどこかできちんとあいさつができて、仲間ができたり、褒められたりすることがあれば、私でも残したものがあったのかもしれないと思えました。
また、SHElikesではコーチングを受けることができます。その中で、私は“誰かのために動ける力がある”と言っていただきました。正直、「え?そうなの?」と不思議に思いました。
改めて振り返ってみると、今働いているパンを作る仕事では、「買ってくれる人においしく食べてもらいたい」というのが私の原動力の一つです。さまざまな種類のパンの中からわくわくしながらパンを選んでほしいし、食べたときに「買ってよかった」と思ってもらいたい。
私はパンを作る側の仕事をしているので、お客様がパンを食べているところを見ることはほとんどありません。それでも、見えない誰かのひと時の幸せを考えながらパンを作ってきました。
「それがとても素敵なことなんですよ」と言ってもらえて、照れながらもとても嬉しく思いました。当たり前と思っていたことが、私の大切なものと気付くことができました。
あいさつを大切にできることも、誰かのために動けることも、“特別”なことではないかもしれません。でも、少しでも関わる人に安心できる空気をつくろうと自然に身に付いた、私の“大切なもの”。そこに気付いたときに、「なんだ、私いいもの持ってるじゃん!」と思うことができ、足りないもの探しをしていた自分から解放されたように感じました。
もしかしたら、変わるというのは、新しく何かを足すことではなく、自分の中にあるものに気付くことなのかもしれません。
宝物を輝かせるために

私が日常で大切にしてきたことや経験は“宝物”。「あ、これも宝物だな」と、自分の中の小さい輝きを見つけながら過ごせるようになりました。
足りないものばかり探していた私からは卒業しました。でも、足りないものを補おうと必死に頑張っていたあの頃の私がいたからこそ、今感じている宝物にも出会えたのだと思います。そんな過去の自分を、少し誇らしく、そして愛おしく思えるようになりました。
SHElikesではさまざまなスキルが学べますが、今の私ははっきりとした方向性はあえて決めずに、興味のあることを学んでいます。私の宝物をもっと輝かせてくれるスキルはどんなものだろう。そう考えながら学ぶ時間はとても充実しています。
この気付きが、いつか誰かの心にそっと寄り添えるものになったら嬉しい。焦らず、私のペースで、少しずつ前に進んでいきたいと思っています。
本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 eriさん)
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※この記事は2026年03月12日に公開されたものです
