使ってはいけない家紋とは? トラブルを防ぐための注意点と選び方を解説
家紋は、日本の伝統を象徴する文化の1つ。
しかし、中には「使ってはいけない」といわれる家紋があるようです。知らずに選んでしまうと、思わぬ失礼やトラブルにつながる可能性も。
この記事では、使ってはいけないといわれる家紋とその理由、そして安心して家紋を取り入れるための選び方のポイントを解説します。
そもそも「家紋」とは?

家紋とは、自分の家系や家柄、地位を示すために用いられてきた伝統的な紋章です。分かりやすく言うと、その一族だけが使える「家のロゴマーク」のようなもの。
もともとは、貴族(公家)たちが好みの文様を装飾品にあしらったことから始まったといわれています。やがてこの文化が武家にも広がり、戦を生業とする武士たちは、敵と味方を区別するために旗や幕に紋を描くようになったのだとか。
また、当時の庶民は名字を名乗ることを禁じられていましたが、紋を持つことは規制されていなかったそう。そのため、家や一族をひと目で識別できる印として、家紋が名字の代わりに使われることが多かったといわれています。
このようにして、家紋は家の象徴として定着し、社会に広く浸透していったと言い伝えられています。
使ってはいけない家紋

家紋は自由に選べるものと思われがちですが、中には「使ってはいけない」といわれるものが存在します。ここでは、その代表的なものを紹介します。
(1)商標登録されている家紋
注意すべきポイントの1つが、商標登録されている家紋です。
「家紋が商標登録されるの?」と以外に思う方もいるかもしれません。しかし、家紋もロゴマークの一種として商標の対象になります。
実際、大手メーカーの中には創業者の家紋をそのまま登録したり、アレンジしたりして企業ロゴに採用しているケースがあります。
こうした家紋を無断で使用すると法的責任を問われる可能性があるため、十分注意するようにしましょう。
(2)皇室の紋章「菊紋(菊花紋章)」
菊をモチーフにした紋には「十菊」「十二菊」などがありますが、14枚の花弁は皇族、16枚の花弁は皇室専用の「菊花紋章」と定められています。
また、菊花紋章は日本の国章ともいえる存在で、在外公館やパスポートの表紙などに使われています。
現在は法令による縛りはないものの、皇族以外の利用が制限されていた時代もあったことから、個人利用は控えるのが無難といえそうです。
(3)有名な戦国武将の家紋
誰もが知る戦国武将の家紋も、安易に使うのは避けた方が良いといわれることがあります。
特に、「この紋といえば〇〇家」という強いイメージがあるものだと、歴史好きやファンから家系や血筋について尋ねられたり、憶測されたりすることがあるかもしれません。
ここでは、注意が必要な戦国武将の家紋を紹介します。
豊臣秀吉の「桐紋」
豊臣秀吉の家紋として知られる「桐紋」は、皇室の菊紋に次ぐ格式の高い家紋とされ、現在でも500円硬貨や内閣総理大臣の紋章に採用されています。
レンタル着物などに見られることもありますが、誤解を招くのが不安な人は利用するのを控えた方が良いでしょう。
徳川家の「三つ葉葵」
徳川家の象徴である「三つ葉葵」は、「徳川葵」とも呼ばれ、水戸黄門などの時代劇で目にする機会もあるのではないでしょうか。
特に、家康が天下を取った後は、葵紋全般が位の高い家紋として使用を制限された時期もあったといわれています。
現在は法的な禁止はないものの、徳川家の象徴として広く認識されていることから、誤解やトラブルの原因になりやすいとして、使用は避けるのが無難と考える人もいるようです。