【第1話】愛すべきおバカ・人見廉。松田元太にぴったりな主人公がパワハラ問題を解決!?
恋愛ドラマウォッチャーでライターの菜本かなさんが、『人事の人見(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。本作は、“人事部”に焦点を当てた、痛快オフィスエンターテイメント。令和の“無責任男”人見廉の活躍を通して、ストレス社会で頑張る全ての人々へ贈る応援ドラマです。果たして人見廉は、その名の通り“人を見る”ことができるのか、それとも……?
※本コラムは『人事の人見』第1話までのネタバレを含みます。
“明るいけど軽くない”主人公は、松田元太にピッタリ?
『人事の人見』の主演を務めるのは、Travis Japanの松田元太さん。最近の松田さんのバズりっぷり、本当にすごくないですか? もちろん、ビジュアルは最強だし、天然キャラも面白い。売れる要素しかないのは分かるけれど、こんなに一気にスター街道を駆け上がっていくとは! 今や、グループのみならず、事務所全体を牽引する存在になっていますよね。
STARTO ENTERTAINMENTファンの友人と、“なぜ松田元太はこんなにも売れたのか”を語り合ったことがあったんですけど、わたしは「明るいけど、軽くない。その両方を持っている」からじゃないかな? と思っています。これは、オーディション番組『Nizi Project』で、J.Y.ParkさんがNiziUのミイヒちゃんにかけた言葉なのですが、松田さんと共通する部分があるな〜って。ポジティブで前向きだから、何も考えていないように見えるけど、実は周囲をしっかり見ている。そういう部分に、みんな魅了されるんだと思います。
『人事の人見』の主人公・人見廉も、「明るいけど、軽くない。その両方を持っている」キャラクターです。松田さんのキャラクターとリンクする部分がたくさんあるなぁと思って調べてみたところ、なんと脚本家さんが当て書き(=演じる人物をイメージして脚本を書くこと)をしているらしく。そりゃ、ピッタリだわ! と納得しちゃいました。
海外でバックパッカーをしていたところを日の出鉛筆の常務取締役・里井(小日向文世)にヘッドハンティングされて、人事部に鳴り物入りで入ってきた人見。社内では、「かなりのやり手らしい」とウワサが流れていましたが、実は会社勤めの経験もなく、人事に関する知識も皆無に等しいおバカキャラ。ビジネスマナーや事務能力がないだけならまだいいんですけど、社会常識に欠けていて、突拍子もない行動をしでかすんですよね。そのせいで、教育係のような役割を担っている真野直己(前田敦子)は、翻弄されっぱなし!
だけど、なぜか憎めないのは、人見がとんでもなく情に厚くて、人想いだから。意味の分からない提案をして社内に波風を立てるけれど、その行動には“何か”意図があるのでは? と思わせるカリスマ性があるんです。「無茶なことはするけれど、でも彼は誰よりも人を見ている人だから」と人見の性格を見抜いた里見さん、あっぱれ!
退職代行サービス vs 人見eats
第1話では、マーケティング部の将来有望な社員・瀬沼優(田中洸希)が、退職代行サービスを使って「退職したい」と申し出てきました。将来有望な社員を失うのは、人事部にとってかなりマイナス(上の人たちから責められるらしいです)。
しかし、退職届を断ることはできないし、退職代行サービスを使われてしまった以上、直接話を聞くこともできない。「どうしたらいいんだ〜!」と困惑しているなか、即アクションを起こしたのが(やっぱり)人見でした。
勝手に瀬沼の家に出向いた人見は、もちろん「家に行くな」と怒られてしまいます。すると、今度は瀬沼の部屋から見える位置にある公園に「瀬沼さん話をしよう」と書いたメモ(?)のようなものを置いて帰ろうとする。「家には行ってないんでいいですよね?」みたいな顔をしてたけど、「お前は、一休さんか!」とツッコミを入れてやりたくなりましたよ。
挙句の果てに、配達員のバイトを始めて、瀬沼からの注文が入るまで、配達を受けまくる(瀬沼以外からの注文なら拒否すればいいのに〜)。現実世界にいたら、確実にヤバい人認定されるやつですよね。Uber eatsならぬ人見eatsですよ、これは。
でも、人見のお節介のおかげで、瀬沼がパワハラを受けていたことが明らかになりました。あのまま退職届を受理していたら、彼はそのまま泣き寝入りをすることになっていた。こうなってくると、話が変わってきます。かつて、パワハラのせいで部署異動した経験がある真野も、「被害者がこんな自己都合で辞めていく現状は、変えていかなければいけないんです」と、パワハラ加害者の海藤亮二(平山祐介)と戦う意志を見せ始めました。
瀬沼は、自身が受けたパワハラについて「みんなが出席する会議に参加させてもらえない」「飲み会からもはぶかれる」「やっと任された仕事も結果が出る前に取り上げられる」と訴えていました。しかし、その行動には全て“裏”があった。
まず、海藤には、かつて目をかけていた後輩がいたらしいんです。成長してほしいと思って熱を込めて指導をしていたら、「海藤さんからパワハラを受けた」と言われてしまった。その件を反省した海藤は、後輩に対して気を遣いすぎてしまうように。
瀬沼を会議に出席させないのは、残業をさせたくないから。飲み会に誘わなかったのは、上司から誘っちゃいけない、部下から誘われた時だけと思ったから。仕事を取り上げたのは、土日に準備させることになってしまうのを恐れて……と、全ての優しさが裏目に出てしまっていたんですよね。つまり、パワハラというよりすれ違いだったんです。
ここからはちょっと意味が分からないんですけど、人見はラップ経験者の瀬沼を社内のカラオケ大会に呼び出し、「ラップで告発をしちゃえ!」と仕向けました。正直、退職届を持って行くのしんどいから……と退職代行サービスを使うような人が、社内のカラオケ大会に来るのか? というところはありますが、なぜか瀬沼はやって来た(笑)。でも、そのおかげで、2人はお互いの考えを伝え合うことができました。
人見は、何も考えていないように見えるけれど、いいこと言うんですよね〜。「あいつらは」とか「若い連中は」とか、年下の人間を皆ひとくくりにして解釈している海藤に対して、「あいつらとか、若い連中っていう人は、どこにもいないんですよ!」と真剣に語りかけていた姿にギャップ萌えした人も多いのでは?
個人的には、会社から出る真野を見つけた瞬間に駆け出して「真野さん〜! 今、帰りですか? 俺もなんすよ! みんな同じ時間に働くのって面白いっすね。俺、会社って初めてなんで!」と言いながらニコニコしていた人見に、年下彼氏みを感じてキュンキュンしちゃいました♡
ではでは、また次回の放送でお会いしましょう!
(菜本かな)
※この記事は2025年04月15日に公開されたものです