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幸せの一歩は“おいしい”にまっすぐ! 「食キャリ」日清食品ホールディングス ・中村久子さんの働き方

#働くわたしの選択肢

mayan

「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。

取材・文:mayan
撮影:渡会春加
編集:中納俊/マイナビウーマン編集部

私たちの生活に直結する「食」。年々、トレンドも食生活自体も変化していく中で、多くの現代人が隠れ栄養失調やエネルギー不足であるとニュースにもなっています。おいしいものを食べる幸福感とは裏腹に、忙しさや疲れを理由に諦めてしまいがちな栄養バランス。

そんな私たちの気持ちに寄り添う最適化栄養食「冷凍 完全メシ DELI おにぎり」の登場は、私たち働き女子のお腹も心も満たしてくれるものでした。

チャーミングな笑顔とは裏腹に、ブレない軸とチャレンジ精神を持ち合わせた、フューチャーフード研究開発部主任の中村久子さん。「完全メシは、味に違和感がないことが大切なんです。“おいしさ”に妥協はしたくないですね」と食に対して真っ直ぐな気持ちを持ち続けて開発を続けているといいます。

◼️新卒から変わらない「食品に関わりたい」「おいしいものを作りたい」

――さっそくですが、これまでのご経歴を教えてください。

新卒で入社したのも食品メーカーで約5年、日清食品HDに転職してちょうど1年半くらいになります。前職でも食品開発を担当していました。

――同業種の転職かと思うのですが、決め手は何だったのでしょうか?

転職のタイミングで自分のやりたいことを改めて考えたんです。何度考えてもやっぱり新卒の時から変わらず「食品に関わりたい」という想いが強くありました。数ある食品メーカーの中でも、日清食品は「おいしさ」と「栄養」を考えた「完全メシ」を手がけているところが面白そうだなと思い応募を決め、「完全メシの開発」を志望しました。

――もう「完全メシ」ありきだったんですね! 同じ食品の開発職とはいえ、商品の方向性が違うので難しそうな印象ですがいかがですか?

やはり純粋な「料理」とは違う点が多く、最初は戸惑うこともありました。「完全メシ」は「好きなものを、好きなときに、好きなだけ食べられる世界を作りたい」という社長の想いから立ち上がったプロジェクトですので、「ビタミン・ミネラルなど33種類の栄養素とおいしさのバランスを追求」することが商品の肝であり、一番の課題でもありました。

 

◼️消費者の手軽さのために、私たちの苦労は惜しむべきじゃない

――「完全メシ」シリーズは男性向けのイメージがあったのですが、冷凍おにぎりは女性にもとても喜ばれそうです。

実は、「冷凍 完全メシ DELI おにぎり」は、朝食にフォーカスした女性向けの「完全メシ」を開発するというプロジェクトから生まれた商品です。社内で朝食に関するアンケートを取ったところ、「実際に食べているもの」と「本当に食べたいもの」にギャップがあることがわかりました。「本当は朝食に和食を食べたいけれど、買い置きしておいたり、朝から調理したりするのは大変」、そんな忙しい女性たちの声に応えられる商品をつくろう! と「おにぎり」の開発がスタートしたんです。

――確かに……朝から和食は無理ですね(笑)。推しの味はありますか?

どれも思い入れがあるので推しなのですが、一番はちりめん山椒と枝豆おにぎりですね。具と米の割合を少し変えるだけでおにぎりの形が崩れてしまったり、味が変わったり、毎日毎日いくつも試作して格闘していました……(笑)。そうした苦労が実ったのか、発売後は人気すぎて供給が追いつかなくなるほど反響が大きかったのは焦った半面、大勢の方に食べていただけたことはとても嬉しかったです。

――忙しい朝にもおいしいものを食べて欲しいという思いがすごく伝わります。食べるのも作るのも好きだと、開発にもどんどん探究心が出てきそうです。開発で苦労されたことはありましたか?

もともと料理が好きということもあり、開発自体は苦ではなかったのですが、社長に試食してもらった際にたくさんの質問を受けたり、改良点についてアドバイスをもらったりしたことで、良い商品を作るためには一切妥協してはいけないことを学びました。また、大量生産するために、研究室の開発から、工場の製造ラインで商品を作るフレーズでも、簡単にはいかず苦労しました。ゼロから商品を開発することの難しさも改めて感じました。

 

◼️スピード感のある開発の秘密は、休日登山のアイデア補充

――開発が苦じゃないと思えるのは、さすがですね……! 現在、基本は出社ですか?

八王子に研究所があるのですが、基本的にはそちらに出社しています。研究・開発に関する話はもちろん、周囲にアイデアを相談したりしています。ほかにも、リモートで工場の担当者ともやりとりしています。転職で八王子に来てからはプライベートで山登りにもハマりました。

――休日はアウトドアをして過ごされているんですね。

山梨や長野が近いので、そちらまで足を伸ばすこともあります。どうしても仕事で壁にぶつかることもあるのですが、意外にも山登りの最中に「あ、あの味いいかな」とかアイデアが浮かぶこともあるんですよね。

――山登りのお供は、やっぱりおにぎりですか?

「冷凍 完全メシ DELI おにぎり」は、冷凍食品なので残念ながら……(笑)。山登りの時は「カップヌードル」を持っていきます。軽いので持ち運びやすいですし、自然の中で食べる「カップヌードル」は格別です。でも、山中で見かける人たちが何を食べているのかついつい見てしまうんですよね。最近では、山で「カレーメシ」を食べている方もよく見かけます。

 

◼️誰かの待っていましたになる。「栄養バランスが整っているのにおいしい」=味に違和感をなくすこと。

――開発のお仕事はご苦労も多いかと思いますが、モチベーションはどのように保っていますか?

料理が好きなので、開発自体が楽しいのはもちろんですが、やっぱり食べてくださった方々の「こういう商品を待っていました!」「すごくおいしかった!」という声を聞くと、この仕事をやっていてよかったなと思います。

――現在販売中の6つの味はどれもおいしそうですが、今後は味の展開が増えていくんでしょうか?

季節感やトレンドに合わせてもっとたくさんの種類のおにぎりを作ってみたいですね。あと「こんなにおいしいのに栄養バランスも整ってるんだ!」と、いい意味でびっくりしてもらえるような商品も作りたいと思っています。

正直「栄養バランスを考えた食事」というと、あまりおいしくないんじゃないかと思われることもありますが、そんなイメージを払拭できるような商品を作り続けたいです。

――これからメニューがたくさん増えていくのが楽しみです。現在携わっている商品に限らず、ほかにも今後の展望はありますか?

味や食べ方、調理方法など、まだまだ改良の余地があると思っているので、もっともっと突き詰めていきたいですね。「これで終わりじゃない」というのは常に思っています。「フューチャーチャーフード」という部署の名に恥じないように、これからも新しい発想で開発を続けていきたいですね。

 

※この記事は2025年03月19日に公開されたものです

mayan

フリーランス取材をはじめジャンルレスに執筆する傍ら、SNS運用分析・エンタメマーケ・リサーチなど。
Instagram:@maayaannn3/X(旧Twitter):@mayancha1

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