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新年からお金の管理をがんばりたい! 続けるコツは?

#令和のマネーハック

丸山晴美

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、FP(ファイナンシャルプランナー)の丸山晴美さん。

今回のお悩み「新年からお金の管理をがんばりたい! 続けるコツは?」

毎年のように宣言しているものの、2025年こそは本気でお金の管理をがんばりたいと思っています。家計簿をつけるのを途中であきらめてしまったり、NISAについて調べていてもよく分からなくて途中で放棄したりしがちなのですが、続けるコツはありますか?(20代後半/販売)

元旦から家計簿をつけ始めるのはNG!

新年早々、今年こそはお金をしっかりと貯めたい! と意気込む方も多いかと思います。一年の目標を立てることは、とても良いことですが、家計簿を元旦からつけ始めるのはちょっと待って!

その理由は、暦の1カ月とお金の1カ月は違うからです。お金の1カ月は、給料日から次の給料日の前日までなので、そもそも収入と支出が合わなくなってしまいます。

さらに、年末年始は1年の中でも最もお金の出入りが激しい時ですので、あっという間に赤字になってしまい、挫折の原因にもなりかねません。

家計簿をつけ始めるのにおすすめタイミングは、お金の流れが穏やかになる1月の給料日からです。それまでは、準備期間としてお金の流れを把握するために、おこづかい帳のように1カ月の出費を記録しておくと、予算決めに役立ちます。

自分に合う家計簿を見つけましょう

家計簿はどれも同じではありません。どれも同じだと考えて、適当に選ぶとこれもまた挫折の原因に。自分に合う家計簿を見つけることも大切です。

家計簿には、昔ながらの紙の家計簿もあれば、スマートフォンのアプリやパソコンソフトやアプリ、表計算ソフトエクセルで自作するなど、さまざまです。

手書きの家計簿の良さは、手書きをすることでじっくりと生活費の予算やお金の使い方などと向き合うことができるので、しっかりと日々やりくりをしたい人に向いているでしょう。

しかし、手書きは手間がかかりますし、グラフ化といった年間を通しての全体像が見えにくくなる可能性もあります。キャッシュレス決済と紐づけて入力したり、レシートを読み込んで入力するといった手軽に入力をしたい場合や、グラフ化などで客観的に家計を見たいときは、スマホアプリやパソコンのソフトやアプリの方が適しているでしょう。

どの方式でも、選ぶ際に気をつけて欲しいのが、お金の流れがわかる家計簿を選ぶことをおすすめします。お金の流れとは、給与などの収入に対して、家賃や公共料金といった毎月決まって支払う「固定費」、食費や日用品といった生活費などの「流動費」がいくらかかり、貯蓄は先取りでいくらしているかといった出費の流れのことを言います。

このお金の流れが、見開きなどで一目で見てわかりやすい作りになっているかを、チェックすることをおすすめします。

家計簿は大学ノートなどでOK

家計簿は市販のものがさまざま出ていますが、市販の家計簿は細かく予算が付けられていることもあり、挫折のもとになることも。いつでも思い立ったらすぐにつけ始められるのが市販の大学ノートなどのシンプルなノートです。見開き1ページを使って1か月のお金の流れを把握します。

左側は収入と、固定費と食費、生活費、予備費の予算。先取りでする積み立て貯蓄等の預け先と金額、右側は毎週の使ったお金を日付と金額、買ったお店を記入します。家計簿はこのようにシンプルな予算管理を意識すると続けやすくなります。

費目を多くすると挫折の原因に

生活費の出し方は、手取り月収から家賃などの「固定費の合計」と積立投資や貯蓄を含めた「先取り貯蓄の合計」など先に支払うべきものを引いた額が、その月に使える生活費になります。日々家計簿で管理をするのは、この「生活費」になります。

生活費にも食費や日用品費、美容費、医療費などさまざまあり、予算を細かく設定したくなるものですが、細かくすればするほど、管理する予算が増えてしまい、挫折しやすくなる傾向にあります。おすすめは、外食費を含めた「食費」、日用品や美容費、交際費などの食費以外の「生活費」、食費や生活費などが足りないときや突発的な出費にも対応できる「予備費」の3種類程度にすると、管理がしやすくなります。毎月の「予備費」は2万円程度あると良いでしょう。

挫折しない予算管理は5週分けがおすすめ

1カ月分の予算を全て持って買い物をすると、給料日前には予算が足りなくなることも挫折の原因になります。おすすめの管理方法は、「食費」と「生活費」は1カ月分の予算を5週に分けておき、その中から使う方法です。

毎週日曜日もしくは月曜日など予算の週始まりを決めて、週始まりに1週間分の予算をお財布に入れて、やりくりします。週の予算が余っても翌週へ繰り越しはせず、別の封筒などに取り置いておき、新たに1週間分の予算をお財布に入れて、毎週一定額でやりくりするようにすると家計が安定してきます。キャッシュレス決済を使っている場合は、チャージ式にするかクレジットカードの場合は利用した分を別に分けておき、給料日前には利用分を引き落とし口座に入金しておきましょう。

やりくりの成果は有意義に使ってモチベーションアップ

余った各週の予算は1カ月分まとめて、外食へ行ったり、半年貯めて旅行へ行ったり。もっと貯めて欲しかった高額商品を買うのも良いですね。一人暮らしなら、家電購入費用や、冠婚葬祭費などに使える「特別費」として別途積み立てるのも一案です。このようにやりくりの成果を有意義に使うことで、また頑張ろう! やればできる! といったやる気につながるでしょう。

家計簿を長く続けるコツ

長く続けるコツは、毎日5分決まった時間やタイミングで家計簿を開くことです。習慣にすることで、お金と向きあう時間が持てるようになり、日々のお金の使い方や、1年後、5年後、10年後といった短期、中期、長期でのお金の貯め方、使い方まで考えられるようになるでしょう。

やりくりに余裕が出てきたら先取り投資も

先取り貯蓄も大切ですが、NISAを活用した先取り投資もおすすめです。NISA(ニーサ)とは、「少額投資非課税制度」のことで、株式や投資信託の売買益や配当金などにかかる税金が非課税になる制度です。

「長期・積立・分散」投資をすることで、元本割れのリスクを抑えつつ、長期で見るとお金が働いて成長してくれている可能性があります。

まだNISAを始めていないけれど、2025年は投資にチャレンジしたいなら、ネット専業の証券会社のHPをのぞいてみてはいかがでしょうか。楽天証券やSBI証券といった大手ネット証券では、手数料が安く、またNISAについての解説がわかりやすくおすすめです。

2025年こそお金に強くなりたいなら、鉄は熱いうちに打て! の通り、目標を立てて先取り貯蓄や投資をして、残ったお金でやりくりしましょう。

令和のマネーハック112

思い立ったが吉日……でも、家計簿を1日からつけ始めるのはちょっと待って。目標を立てて先取り貯蓄や投資を始め、残ったお金はモチベーションアップに回そう。「シンプル化・毎日開く」が家計簿を続けるコツ。

専門家に聞きたいお金の悩みを教えてください!

(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)

※この記事は2024年12月30日に公開されたものです

丸山晴美

節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。

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