韓国語で「お父さん」は何と言う? 使い分けのポイントを解説
韓国語で「お父さん」は何と言うのかご存じでしょうか? 実は、いくつかの表現があるようなのです。今回は、韓国語の「お父さん」という表現について韓国ライター兼ブロガーの斉藤健さんに教えてもらいました。
韓国の家族ドラマなどを見ていると「お父さん」という表現がよく出てきますよね。ただ、よくチェックしてみると、その呼び方にはいくつかのパターンがあることに気づかれるかもしれません。
実は、韓国語の「お父さん」は日本語に比べると、使い方にかなり違いがあるのです。
そこでこの記事では、韓国語で「お父さん」を意味するフレーズと使い分けのポイントについて解説をしていきます。
韓国語で「お父さん」は何と言う?
韓国語で「お父さん」と言う時は、以下の3つの表現のいずれかを使います。
・아버지(アボジ):「お父さん」や「父」という意味
・아빠(アッパ):「パパ」に近い「お父さん」という意味
・아버님(アボニム):「お父様」という意味
「아버지(アボジ)」は日本語でいう「お父さん」、「아빠(アッパ)」は「パパ」に近い表現です。
また、ここではあえて「お父様」という意味の「아버님(アボニム)」もご紹介しています。日本では「お父様」と呼ぶ機会は少ないと思いますが、韓国では使用頻度が高いので、覚えておくと便利ですよ。
韓国語の「お父さん」を使い分けるポイント
では、韓国語で「お父さん」を意味する表現には、具体的にどういった違いがあり、どのように使い分けをしていくのか、ここから詳しく解説をしていきます。
아버지(アボジ)の使い方
「아버지(アボジ)」は「お父さん」という意味です。基本的に成人した男性は自分のお父さんを「아버지(アボジ)」と呼びます。そのため、この表現は「親父」とか「父さん」と訳しても良いでしょう。
また、「아버지(アボジ)」は他人に自分の父親のことを話す時にも使います。
우리 아버지는 회사원이에요.(ウリ アボジヌン フェサウォニエヨ)
訳:うちのお父さんは会社員です。
ここで「우리(ウリ)」という表現が出てきましたが、「우리(ウリ)」は元々「私たちの」という意味があるので、違和感を覚える人がいらっしゃるかもしれません。
ただ、ここでは「うちの」と訳しておけばOKです。韓国では自分の父親のことを呼ぶ時に「우리(ウリ)」を付けるということを覚えておいてください。
また、「아버지(アボジ)」は他人の父親のことを話題にする時にも使います。
오늘 ○○씨 아버지를 만났어요.(オヌル ○○シ アボジルル マンナッソヨ)
訳:今日、○○さんのお父さんに会いました。
아빠(アッパ)の使い方
「아빠(アッパ)」は「お父さん」とも訳せますが、日本語で言うと「パパ」に近い意味の表現です。ですから、小さい子どもは自分の父親を呼ぶ時に「아빠(アッパ)」と言います。
아빠 같이 놀아줘.(アッパ カッチ ノラジョ)
訳:パパ、一緒に遊んで。
ちなみに、日本では子どもが小さい時だけお父さんのことを「パパ」と言うことが多いですよね。ただ、最近の韓国では、成人してからもお父さんのことを「アッパ」と呼ぶ人が増えているようです。
また、男性の場合は、自身の子どもが生まれたり、軍隊に行って帰ってきたりした後で呼称を「アボジ」に変える人も多いですが、女性の場合はずっと「アッパ」と呼び続ける人も少なくありません。
その背景には、お父さんに対する厳格なイメージが和らいできたという理由があるのかもしれませんが、これも時代の流れなのでしょう。
ですから、韓国ドラマで成人した人が父親のことを「아빠(アッパ)」と呼んでいても、あまり不自然には思わないでくださいね。
아버님(アボニム)
「아버님(アボニム)」は「お父様」という意味です。
自分の父親を尊敬して呼ぶ時、他人の父親を呼ぶ時、あるいは義理のお父さんを呼ぶ時によく使われます。また、父親に手紙を書く時も「아버님(アボニム)」と表現します。
어머님 어디 가셨어요? (アボニム オディ カショッショ?)
訳:お父様、どこかへ行かれましたか?
「아버님(アボニム)」は直訳すると「お父様」となるので、そのまま日本語に訳すと少し違和感を覚えるかもしれません。しかし、韓国では日本に比べると「様」という意味の「님(ニム)」を使う機会は非常に多いので、そのことを覚えておくと良いでしょう。
【番外編】韓国語での「お母さん」の呼び方
ここからは、「お母さん」を意味する韓国語についてもお伝えしていきます。「お父さん」と同じように3パターンの呼び方がありますよ。
・어머니(オモニ):「お母さん」や「母」という意味
・엄마(オンマ):「ママ」に近い「お母さん」という意味
・어머님(オモニム):「お母様」という意味
これらの表現の使い方は先ほど紹介した韓国語の「お父さん」と同じです。
ちなみに、子どもが自分の両親を一緒に呼ぶ時は「엄마 아빠(オンマ・アッパ)」となり、お母さんの方が先に来ます。
韓国語で「お父さん」を意味する言葉は複数ある!
韓国語で「お父さん」は「어버지(アボジ)」と訳すのが一般的です。
しかし、「パパ」という意味の「아빠(アッパ)」や、「お父様」という意味の「아버님(アボニム)」も日本語の「パパ」や「お父様」に比べると、使う頻度や範囲が広いんですよね。
そのため、日本語に直訳してそのまま覚えようとすると、少し違和感を覚えることが多いかと思います。
ですから、これらの表現は3つまとめて覚えて、状況に応じてうまく聞き分けたり、使い分けたりすることができるよう頑張ってみてください。
(斉藤健)
※画像はイメージです
※この記事は2024年08月23日に公開されたものです