そんなに大事? 仕事で求められる「やる気」の意味と、注意された時の心構え
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「やる気が何か分からない」とのお悩みについて、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
やる気が何か分からない
上司からよく「お前はやる気が感じられない。やる気を見せろ!」と言われます。でも私は自分なりにやることはやって普通に働いているつもりです。一体、やる気ってなんなのでしょうか? そんなにやる気って大事ですか?(制作職/20代)
「やる気がない」「やる気を出せ」「やる気を見せろ」。
日常的に使われるフレーズですよね。
でも、これらの表現、よく考えたらとても曖昧。
「やる気」という、そもそも目に見えないものを「出せ」「見せろ」と要求され、「見えない」と文句を言われた日には……
出してるわーーーーい!
と、反論したくなることだってあるでしょう。なぜなら、目に見えないものについて、「ある」「ない」「出してる」「出してない」と論議しているわけなので。
……何が言いたいのかというと、今回のお悩みを読んで、そもそも「やる気」という言葉のチョイスに問題がある! と気づかされたのです。
職場は経済活動を行う場所。つまり売り上げに結びつく何らかの貢献をすることが求められます。
営業職のように売り上げがハッキリ分かる職種でなくても、部署やチームの中で何らかの貢献をしていたら、つまり仕事ぶりが評価されていたら、「やる気が感じられない」とは言われないはず。
もちろん中には「仕事はできるが態度が悪い」「仕事はできるが遅刻が多い」といった人もいたりしますが、その場合もっと具体的な言い方で注意されると思います。
では、「やる気」は、何を注意したい時に使われる言葉なのでしょう? 「やる気を見せろ」と叱ってくる人は、あなたに何を求めているのでしょう?
「自発性」だと思います。
「自分なりにやることはやって普通に働いているつもり」とあなたは言っており、おそらく上司もそこは分かっているはず。
でも、上司は満足していません。なぜならあなたの仕事に自発性を感じられないから。
ものすごくシンプルに例えると。「この窓を拭いておいて」と指示された時、隣の窓も汚れていたらそこも拭いてきれいにする人は、“やる気のある人=自発性のある人”。そこまでは指示されてないし、と放置する人は、“やる気が感じられない人=自発性のない人”。
つまり、「やる気がない」とは、最低限のことしかしない、言われたことしかやらない、「こうすればもっと良くなると思ったのでこうしてみた」などの+αを加えない……ということ。
どうでしょう、思い当たる部分ありませんか?
「思い当たるけど、それをダメだと言われるのはちょっと……」と感じるのであれば、今の職場や職種はあなたに向いていないのかも。人それぞれ望む働き方は異なるものですし、職場によっても人材に求める意識や姿勢は異なります。指示されたことを正確にやれば基本的にはOK、という職場や職種もあるので、異動や転職を考えるのも一案です。
一方、「やる気ってそういう意味か……今後は自発性を持つよう意識してみよう」と思えるのであれば、今の環境で心機一転、頑張ってみましょう!
自分なりに真面目にやっている時に言われる「やる気」とは「自発性」のこと。注意された! なんで? と腑に落ちない時は思い出してみてください。
Point.
・「やる気」は目に見えず定義も曖昧なので、自分と他者との間で齟齬が生じやすい
・真面目に仕事をしている時に言われる「やる気を見せろ」=「自発性を見せろ」
・言われたことしかしない、+αを加えない、などが自分に思い当たらないか考えてみよう
・求められる働き方と自分の望む働き方が一致していないなら、異動や転職を考えるのも一案
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2024年05月28日に公開されたものです