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うつ病で倒れた夫が夢を叶えて、私も一歩踏み出したくなった話

突然ですが、あなたの大切な人は、元気に生き生きと過ごせていますか?もしそうならば、それはとても幸せなことです。 昨年の春、私の夫はうつ病で倒れました。   突然の出来事でした。

突然ですが、あなたの大切な人は、元気に生き生きと過ごせていますか?もしそうならば、それはとても幸せなことです。

 昨年の春、私の夫はうつ病で倒れました。

   突然の出来事でした。

    しかし、療養の末に現在は少し回復し、これまでずっと夢だったラーメン屋で働いています。

 今の夫は、私がこれまで見てきた中で一番生き生きとしていて、誰よりも輝いています。

 今回は、うつ病になった夫が夢を叶えるまでの過程と、その経験を通して私が変わったことをお話しできたらと思います。

1.夫がうつ病になった原因

     これまでの研究で、うつ病の原因は1つではないことが分かっているそうです。

     最もきっかけになりやすいのが「環境要因」(死別や離別、人間関係のトラブル、職場環境、結婚など)。また、「性格傾向」や「遺伝要因」など、様々な要因が絡んでうつ病を引き起こすと考えられています。

(厚生労働省:「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」)

    そのため、うつ病になってしまった原因は今も分からずじまいですが、夫自身がしんどい日々を送っていたのは間違いありません。

    夫がうつ病になる半年前、私達夫婦に待望の息子が誕生しました。時を同じくして、夫は大企業に転職。持病を抱えてしまったことにより、自分の身体に合わせた働き方が出来るようにするためでした。

    元々は百貨店の社員として全国各地のグルメとたくさん向き合ってきた夫。しかし、転職先での業務は前職と全く異なり、大規模な倉庫の管理責任者をいきなり任されました。

    ただでさえ慣れない業務なのに周りはエリートばかりで自分は置いてけぼり。自分の好きな仕事ではないのにスキルアップを求められ、プレッシャーを感じる日々だったことでしょう。更に、家に帰っても息子は既に寝ていて育児に参加出来ず。結果、転職して半年後にうつ病と診断、そのまま休職して退職となりました。

1.夫がうつ病になった原因

2.深刻な状況の中で、夫を救ったもの

 夫の病状は思ったより深刻でした。

 ハードな業務による疲労が積もりに積もって、一日中寝て過ごす日々。また、処方された薬が身体に合わず、毎日嘔吐を繰り返していました。

 夫が診断を受けたときは、ちょうど私が産休から復帰しようとしていたタイミング。夫は一歩も動くことができず、育児に参加できる状態ではありませんでした。このままでは家庭が成り立たなくなってしまう状況に。そのため、近くに住んでいる義実家総出で家事と育児をすることになりました。

 夫の体調も家庭環境も不安定な中でしたが、夫が心の拠り所にしていたものがありました。

 それは、SNSのラーメンアカウント。

 元々夫はラーメンの食べ歩きが大好きで、結婚前も結婚後もデートは決まってラーメン屋。高校生のときから大学を卒業するまでの7年間、大好きなラーメン屋でアルバイトをしていました。

 薬の副作用でろくに食事も取れない日々でしたが、SNSのラーメンの画像を見ては「また大好きなラーメンを食べたい。また美味しいラーメンを自分で作りたい」とつぶやいていました。その夢が、彼の心を支えてくれていたのです。

2.深刻な状況の中で、夫を救ったもの

3.いよいよ夫の夢が動き出す

 休職をして半年が経ったころ、社内規定により夫の退職が確定しました。

 そのころには体調は少し回復しており、家事や育児がある程度できるようになっていました。

 休職を経て無職になり、たくさん自分自身と向き合ったことで、夫の中の夢が明確になりました。

「やっぱり、ラーメン屋で働きたい!」

 そう思い立ったらすぐに動き出すのが私の夫。早速、学生時代にお世話になっていたラーメン屋の店長に連絡し、週に4日程度アルバイトをすることが決まりました。

 初出勤の日、あまりの緊張で顔面蒼白に。腹痛と吐き気にも見舞われ、私から見てもまだ社会復帰は早いのでは?と思ってしまう状態でした。

 しかし、初出勤から帰ってきたら満面の笑顔に。

「やっぱり、自分で作ったラーメンを誰かに食べてもらえるのは嬉しい!」

 そう語る夫の顔は、今まで見た中で一番生き生きとしていました。

4.私も、夢を叶えてみたくなった

    その日を境に、夫の症状はみるみる良くなっていきました。家に帰ると、今日は製麺が楽しかった、今日はたくさん味玉を作ったなど、仕事の話をとても楽しそうにしてくれました。

    一方、私は職場復帰してから、仕事と育児の両立の大変さと膨大な業務量、職場での複雑な人間関係に圧倒され、このままでいいのかと悩んでいました。

    現状を変えたいけどどうしたらいいか分からなかった私にとって、夢を叶えて生き生きしている夫の姿はとても眩しく見えました。

   私も、夢を叶えたら夫みたいに生き生きと過ごせるかな?

 私の夢って、何?私の好きなことって、何?

  そう考えると、いてもたってもいられなくなって、夢や好きなことを探そうとしている自分がいました。

5.そして、私も一歩踏み出した

    元々、音楽大学を卒業した私の周りには、フリーランスで働いている同期がたくさんいました。私は新卒で就職し、安定した生活を送っていましたが、自分の夢や好きなことを仕事にして生き生きとしている同期たちの姿にかねてから憧れていました。

    更に、職場復帰してからは仕事に追われて、息子と過ごす時間があまり取れないことに悶々としていました。いつかは家庭を優先した働き方をしたい。そう考えていました。

    そこで、家庭を優先しながら、自分の好きなことを仕事にしようと決心。まずは、好きなことを探すために、広告で見かけたSHElikesに思い切って入会しました。

     意外にも、なんとなく始めてみたWebデザインやPhotoshopの勉強がとても楽しくて、あっさりと新しい好きなことに出会えちゃいました。勉強すればするほど出来ることが増えていき、少しずつ自分に自信がついてきています。

     元々好きだった音楽と、新しく好きになったWebデザインを仕事にする。それが、私が見つけた新しい夢です。

6.夫の闘病が、今の私を作ってくれた

    ある日突然、夫かうつ病になったことで私の生活も大きく変わりました。頼れる人、甘えられる人がいなくなり、家庭の雰囲気もどんより。とてもしんどい日々でした。

     しかし、自分と向き合って、自分の夢を掴んだ夫の姿は、現状を変えたかった私にとって大きな励みになりました。

     ラーメン屋はあくまでアルバイトなので、前職よりも収入はかなり減っています。そのため、生活は相変わらず不安定なままです。しかし、夫が夢を叶えて生き生きとしている姿は、収入に代えられない大きな価値があると思っています。

   私も、夫に続いて自分と向き合い、夢を叶えたいと思います。この経験を無駄にしないためにも。

6.夫の闘病が、今の私を作ってくれた

本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 Akkiyさん)

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※この記事は2024年01月29日に公開されたものです

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