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電気代の節約に「家電の買い替え」は有効? どのくらいお得になるの?

#令和のマネーハック

丸山晴美

高橋千里

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、丸山晴美さん。

今回のお悩み「電気代の節約に家電の買い替えは有効? どのくらいお得になるの?」

学生時代から使っていた家電の買い替え時期になったので、新しい家電を買おうと思っています。どうせ買うなら電気代を節約したいのですが、実際どのくらいお得になるのでしょうか。また、1人暮らしで節約を目的に家電を購入するとしたら、どの家電を買い替えるのがおすすめですか?(30代前半/金融・企画職)

家電を買い換えるタイミングは?

家電の寿命はおおよそ10年が目安です。家電メーカーには「家電の製造を終了した後でも、一定期間、補修用の部品を保有しておく」というルールがあり、この期間を超えると部品が手に入りにくくなり、修理が難しくなることから、そこがひとつの寿命・買い替えタイミングと考えられています。製品によって保有期間は異なりますので、気になる人は、全国家庭電気製品公正取引協議会の「補修用性能部品表示対象品目と保有期間」を参考にしてみてください。

他にも家電の買い替えのタイミングは、引っ越し・同棲・結婚・出産などライフステージに変化があった時や、家電が壊れたタイミング・省エネ性能や節電の新機能が気になった時など、いくつかあります。家電の寿命を1つの目安としつつ、自分のタイミングに合わせて買い替えを検討してみてください。

電気代トップ家電は、冷蔵庫・エアコン・照明!

一般的には、つけている時間が長い冷蔵庫・照明の消費電力が年間を通して高い割合を占め、夏の冷房や冬の暖房でエアコンの消費電力が高くなります。

冷蔵庫の買い替えの際は、家族の人数と設置スペースのチェックをしましょう。冷蔵庫はファミリータイプの容量が大きいものがおすすめ。ファミリータイプの大型冷蔵庫は、自炊や生活をするうえで便利な機能だけではなく、AIが節電してくれるなど、節電効果が高いものが多くなっています。

冷暖房器具としてエアコンを使っている方が多いかと思いますが、利用する部屋の状況に合ったものを選ぶようにしましょう。例えば14畳のリビングに6畳用のエアコンだと、冷暖房効率が悪くなりますのでなかなか部屋が温まらない、冷えないばかりか、電気代が高くなってしまう可能性があります。リビング用は広い畳数用に買い替えた方が、結果的には節電効果が期待できます。とはいえ、大きすぎてもオーバースペックになってしまうので、利用する部屋の広さだけではなく、日当たり、構造などトータルで判断するようにしましょう。

また、電気カーペット・電気ストーブ・オイルヒーターは消費電力が高く、その割には熱が逃げやすいため、カバーで熱を逃がさないこたつに置き換えてみるのがおすすめです。1人暮らしで、デスクで過ごす人であれば足元だけを温めるパネルヒーターもおすすめです。

照明器具は、蛍光灯タイプのものからLED照明にするとかなり節電効果が期待できます。

今使っている家電を買い替えた場合の節電効果を知るには、環境省が作っている「しんきゅうさん」というサイトがおすすめです。エアコン・冷蔵庫・照明などの製品を比較し、どのくらい節電効果が期待できるかを調べることができます。

意外と電気代がかかる「要注意な家電」は?

意外と要注意なのは電気保温ポット。お湯を沸かす時に使用しますが、沸かした後も保温しておくことになるので電気代がかかります。保温でいうとウォーターサーバーも同様です。炊飯器や暖房便座も含めて、「保温できる家電」には気をつけましょう

加湿器のスチーム式は、お湯を沸かし続けながら加湿するため、予想以上に電気代が高いです。スチーム式は衛生面に優れていますが、小さなお子さんがいるお宅では安全性に不安があり、省エネ性もないので、買うならヒーターレス式(気化式)や、超音波式、ハイブリッド式がおすすめです。

除湿機も要注意。除湿器にはコンプレッサー方式とデシカント方式の2つがあり、コンプレッサー方式は、空気を冷却して発生する結露を利用して部屋の水分を取り除くため、夏の除湿に適しています。デシカント方式は、製品内部のゼオライト(乾燥剤)に水分を吸収させることで部屋の水分を取り除き、ヒーターの熱で乾燥した空気を放出するため、冬の除湿に適しています。デシカント方式は、ヒーターを使用するため消費電力が大きく、室温が高くなるので使用できる期間が限られます。今はこの両方のメリットを組み合わせて、デメリットを克服したハイブリッド式除湿器もありますので、これから購入を検討するならハイブリッド方式がおすすめです。

また、家電ではありませんが「浴室乾燥」機能にも要注意。ドライヤーの温風を数時間つけっぱなしにしているようなものなので、3時間使えば116円ほどの電気代がかかっている計算になります。ハイブリット式の除湿器では衣類乾燥モードもあり、標準モードの場合の1時間あたりの電気代の目安は約8円なので、浴室乾燥メインで衣類乾燥をしているならこちらの利用をおすすめします。

ちなみに、もし予算に余裕があるなら、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機がおすすめ。洗濯・乾燥1回あたり50円程度、エコモードだと20〜30円程度です。ドラム式洗濯機は高額ですが、長い目で見ればお得ですよ。

お得に家電を買い換えるタイミングとポイント活用術

冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの白物家電は、冬の年末商戦に合わせて10月に新商品が発売されます。そのため9月には去年の商品が型落ちしアウトレット価格になるので、安く買いたいのであれば9〜10月頭ごろに購入するといいでしょう。

近年は家電の値段も上がってきているので、白物家電や長く使いたい家電はなるべく長期保証をつけた方がいいです。1年で保証が切れてしまうと修理費や買い替え費用がかかるため、3年、5年、10年など可能な限り長くつけましょう。

また、お得なポイント制度を活用するのもおすすめ。たとえば東京都が実施している「東京ゼロエミポイント」は、省エネルギー性能が高いエアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具に買い替えた都民には、商品券に変わるポイントを付与するという優れた制度です。

東京都以外でも似たような制度がある場合があるので、チェックするとお得に買えるかもしれません。

令和のマネーハック91

電気代トップの冷蔵庫・エアコン・照明の他、「保温ができる家電」にも要注意。ベストなタイミングを狙い、お得に買い替えましょう。

(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe

※この記事は2024年01月22日に公開されたものです

丸山晴美

節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。

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高橋千里

高橋千里(たかはし ちさと)

2016年にマイナビ中途入社→2020年までマイナビウーマン編集部に所属。タレントインタビューやコラムなど、20本以上の連載・特集の編集を担当。2021年からフリーの編集者として独立。『クイック・ジャパン/QJWeb』『logirl』『ウーマンエキサイト』など、紙・Webを問わず活動中

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