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冬至にゆず湯に入る理由とは? 基本のやり方やゆずの再利用方法を紹介

山本茉莉

2023年の冬至は、12月22日。この日にはゆず湯に入ると良いといわれていますが、なぜなのでしょう? 今回は、ゆず湯の由来や基本的な入り方、注意点、ゆずの再利用方法について紹介します。

日本には「冬至の日にゆず湯に入る」という習わしがありますが、そもそもお風呂にゆずを入れるのはなぜなのでしょうか?

実はゆず湯にはさまざまな説があり、邪気払いや風邪予防といった意味が込められているようです。詳しい理由を知れば、冬ならではの風習をもっと楽しめるはず。

今回はゆず湯の由来や基本的な入り方、入る際の注意点などを紹介します。

冬至とは

冬至とは、1年のうちで最も昼が短いといわれる日です。

天文学的には、黄道上で太陽の黄経(こうけい)が270度に達する日で、太陽が一番南にある状態となります。そのため、北半球では1年の中で昼が最も短く、夜が長くなる日を意味するのです。

さらに、冬至は太陽が生まれ変わる日ともされており、運が上昇する「一陽来復(いちようらいふく)」と呼ばれることもあります。

2023年の冬至はいつ?

2023年は12月22日が冬至の日です。

毎年12月21日頃になりますが、日付は固定ではないので、冬至の日にゆず湯に入りたいと考えている人はその年に応じてチェックするのがおすすめですよ。

なぜ? 冬至にゆず湯に入る理由とは

冬至にゆず湯に入る風習は、銭湯が生まれた江戸時代に始まったとされているようです。

まずは基礎知識として、昔の人のゆず湯に対する考え方に触れてみましょう。

(1)語呂合わせ

一般的に知られているゆず湯の由来として、語呂合わせが挙げられます。

例えば、冬至とお風呂が結び付くのは、「冬至=湯治(とうじ)」という考え方によるものです。「湯治」とは、温泉に入って病気などを治療することを意味します。

同様に「ゆず=融通(ゆうずう)」となり、これには「融通が利きますように」という願いが込められているのだとか。

また、ゆずは実るまでに時間が掛かることから、「長く続いた苦労が実を結びますように」という意味が含まれているという説もあります。

(2)邪気払い

寒い時期に旬を迎えるゆずは、その強い香りから邪気を払う力がある物として扱われてきました

また、冬至は前述したように太陽が生まれ変わる日でもあり、運が上昇する「一陽来復」とも呼ばれる日です。

この一陽来復によって運気を上げる前の準備として、厄を払うみそぎのためにゆず湯に入るようになったと考えられています。

ゆず湯がもたらす効果

ゆず湯がもたらす効果として、「冬至の日にゆず湯に入ると1年間風邪をひかない」という言い伝えが挙げられます。

ゆず湯が広まったとされる江戸時代には栄養面のデータはなかったと考えられるものの、風邪予防などに効果が高いことを昔の人は経験から学んでいたのかもしれません。

また、体調を整える以外に、美肌効果も期待できるといわれます。さらに、香りが良いゆず湯に入ることは、リラックスにもつながるでしょう。

自宅でできる! 基本のゆず湯のやり方

ゆず湯は自宅で簡単に楽しめます。次の冬至の前に、基本的な入り方をおさらいしておきましょう。

(1)湯船にお湯をためる

まずはお風呂を沸かすことから始めます。お湯の温度は、38度〜40度に設定するのが一般的です。

(2)ゆずを入れる

お湯がたまったら、湯船にゆずを入れていきましょう。ゆずの入れ方には以下のような方法があります。

・ゆずを丸ごと入れる

→手間が掛からず、視覚的にも楽しめる方法です。

・ゆずを輪切りにして入れる

→ゆずを輪切りにして種を取り、ネットなどの袋に入れて使用するのもおすすめ。丸ごと入れるよりも、ゆずの香りや成分が出やすくなるでしょう。

・ゆずの皮だけを入れる

→皮のみをネットなどの袋に入れる方法もあります。少々手間が掛かるものの、果肉は別で使うことができるので、ゆずを余すことなく活用できるというのがメリットです。

(3)入浴する

湯船にゆずを入れたら準備は完了です。良い香りのゆず湯を堪能しましょう。15分〜20分程度漬かると体がポカポカと温まってくるはずですよ。

お風呂から上がる時は、シャワーでゆずの成分を洗い流しましょう。

ゆず湯に入る時に気を付けたいこと

ここからは、ゆず湯に入る時に気を付けたいことを紹介します。

(1)肌が弱い人は入浴を控える

ゆずの成分が刺激となり、肌がピリピリする人もいるようです。そのため、肌が弱い人は入浴を控えた方が良いでしょう。

また、普段皮膚トラブルが少ないからといって刺激を感じないとは限りません。初めて入る際は、ゆずの量は少なめにして様子を見るのがおすすめですよ。

(2)ゆずを入れたら追い焚きしない

湯船にゆずが入ったまま追い焚きをするのは控えましょう。細かいゆずの皮や果肉が配管内に入り込み、故障の原因や雑菌が繁殖しやすくなる可能性があります

お湯の温度が下がってしまった時は、追い焚きではなく足し湯で温度を上げるのがおすすめです。

また、入浴後はいつもより丁寧に掃除をするようにしましょう

さらにゆず湯を楽しむための活用方法

ゆず湯のためだけにゆずを消費するのはもったいないと感じる人もいるのではないでしょうか。

ここでは、ゆずの活用方法として3つのアイディアを紹介するので、ぜひ試してみてください。

(1)入浴剤にもなるゆずのモイストポプリ

ワンランク上のゆず湯を楽しみたい人は、ゆずの皮・塩・瓶を使ってモイストポプリを作るのがおすすめです。「モイストポプリ」とは、果物の皮や香料などを混ぜて熟成させたフレグランスアイテムのこと。

細切りにしたゆずの皮と塩を瓶の中に交互に詰めていき、ふたをして1週間ほど置けば完成です。入浴剤として活用することで、より華やかな香りを楽しむことができるでしょう。

(2)余ったゆずはドリンクに

ゆず湯に入れずに余ったものは、ホットドリンクとして楽しむのがおすすめ

ゆずの果肉と果汁をはちみつと合わせる方法や、刻んだゆずをはちみつや砂糖に漬け込む方法などさまざま。家にある材料で試してみましょう。

(3)ゆずを再利用した掃除グッズ

ゆず湯に利用したゆずは、便利な掃除グッズとして再利用できます

まず、ゆずを耐熱皿に乗せ、電子レンジで1分ほど加熱しましょう。その後、電子レンジの中に広がった蒸気をぬれ布巾で拭くと、簡単に汚れを落とすことができます。

または、キッチンの油汚れがひどい部分に使うのも効果的。気になる箇所にゆずの果肉を押し付けるようにしてこするだけと簡単なのでぜひ試してみてくださいね。

今年の冬至はゆず湯に挑戦してみよう

冬至にゆず湯に入るのは、語呂合わせや邪気払いといった意味合いがあるとされています。由来を知るだけで、冬ならではの風習を楽しめるような気がしませんか?

また、ゆず湯はゆずを丸ごと湯船に浮かべたり、カットしたりするだけで入れる手軽さも魅力的です。

今年の冬は、ぜひ自宅でゆず湯を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(山本茉莉)

※画像はイメージです

※この記事は2023年10月31日に公開されたものです

山本茉莉

あなたの「知りたい」をかなえるフリーライター。WEBメディアのディレクターを経験後、自分の文章で生きていくことを決意して独立。現在は恋愛コラムからトレンドファッション、ビジネスに関する話題まで幅広く執筆中。<ライター・編集者・読者>の3つの視点から、分かりやすい記事を届けることを信念としている。

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