※このコラムは「バチェラー・ジャパン」シーズン5 エピソード1〜10のネタバレを含みます。
■長谷川家、裏フードファイト
とうとうバチェラー5も最終話。今回は長谷川さんのご実家訪問と最後のデートでした。残った2人、鈍器おにぎり職人・西山真央さんと、涙腺崩壊経営者・大内悠里さんは、共に新潟へ。
まずはそれぞれご実家訪問。当然と言っちゃ当然なんですが、2回とも同じ会場なので、料理の内容も全く同じなんですよね。服装も変わってないので、おそらく同日。同じメニューを短時間の間に2度食べるご家族もなかなか大変です。こんな裏フードファイトが開催されていたとは……。しかし、食事は残さないポリシーの長谷川家ですから、全員綺麗に平らげたことでしょう。お疲れ様です。
西山さんとはつつがなく終わった実家訪問でしたが、大内さんとは少し様子が違いました。長谷川さんが、どうにか彼女の良さを家族に理解してもらって受け入れてもらおうと、ひたすら喋る喋る。大内さんから自分で話してもらったほうがいいのでは? という内容までとにかく喋る。もう大内さんをどうにか家族に認めてほしい気持ちが溢れていました。
そして、ご家族の前でも飾らない、ありのままの天真爛漫な大内さんの姿に、父は魅力にやられ、母は長谷川さんが大内さんに傾いているのを見抜き、弟は冷静に長谷川さんとの相性を判断していました。
■長谷川家の切込隊長。冷静な弟、智也
弟さんは「惠一に仕事やプライベートでアップダウンがあった時に、例えば怠けた惠一が出た時にどう向き合っていこうと思いますか?」と大内さんに鋭い角度で質問するのです。「結婚」というテーマの中で、西山さんとは安定感があり、今までの長谷川さんの彼女の系統にも近く、想像がつく。けれど、ニュータイプである大内さんは、結婚相手としてどうだろうと探りを入れたのでしょう。
そして、あえて「怠けた恵一」を出したあたり、家族が知る長谷川さんの性格を踏まえているのかもしれません。水族館で長谷川さんが語っていた、「挫折をして仕事を休んでいたこと」などがその一つでしょうか。それに対して、大内さんは答えながら、またも涙腺崩壊。
この絵面って、大内さんをよく知る長谷川さんにとっては、いつも通り可愛らしい姿なのですが、初対面の弟さんにとっては、少女のように天真爛漫だけれども、すぐに泣いてしまう少し不安定な女性に映るわけです。
■弟・智也の千里眼
それを踏まえたうえで、弟・智也さんは長谷川さんに「西山さんと付き合ったら自然に結婚するけど、大内さんとはいろんな意味で『アップダウン』があると思う」と助言します。このアップダウンが何を指すのか。
思い出すのが、大内さんのお母様の「(大内さんは)オンオフが激しいところがあるんですけど……」という発言。
見るからに爆モテしてきたであろうイケメン弟氏、山ほど寄って来たであろう有象無象の女性を見てきたことで目が肥えており、「大内さんのオンオフが激しい感」を見抜いたのでしょうか。それとも、大内さんの涙に感情の脆さを感じ、長谷川さん自身のアップダウンを支えきれない可能性を懸念したのでしょうか。
■何度でも言う。ハッセ全てが顔に出る
しかし、もう大内さんに心が決まっていると思われる長谷川さん、アップダウンと言われた瞬間に顔が能面になったのに、「いい関係になったら幸せは青天井」と言われた瞬間、にやつき顔になるのが本当にわかりやすすぎて、隠し事のできない3歳児を見ているよう。もう一周回ってなんだか愛おしくなってきました。
竹下理恵さんや、輿水りささんも言ってましたけど、ハッセ本当に顔に出る。これほどまでに目は口ほどにものを言うバチェラーいました?
そんなもんだから、「西山さんが合ってると思う」と後押しされた時には、極めて感情穏やかに「いいやつなんですよ」と返すんですよね。
もし西山さんが本命だったら、いくら親友のような関係だとはいえ「やつ」なんて表現はせずに「俺もそう思う!」と溢れ出る笑みで同調していたのではないかと思うのです。やっぱり、この時点でもすでに大内さんに確定、いや確なのであろうと、ラストローズ前に確信させられました。
いい関係になったら幸せ青天井、は西山さんにも言えることですし、弟氏は「大内さんは結婚として考えた時に大丈夫?」ということを、遠回しに伝え、やんわりと西山さんを推していたのだと思います。
でも今まで、西山さんがあれだけ遠回しに気持ちを表現しても伝わらず、「好き」の2
文字を欲しがっていたことを思うと、多分このふわっととした表現は長谷川さんには届いていない……。
■なぜ大内さんだったのか
長谷川さんは「どういう家庭がいいか?」とご家族に問われた時に、「家庭というか……パートナーとしてはずっと恋人のようなのが理想」と答え、結婚しにきたのに家庭像考えてなかったんかーい! それただの交際相手探しや! と視聴者全員1ズッコケする中で、ここに全ての答えが詰まってましたね。
一番情熱的な恋人というポジションになれたのが大内さん。ほっぺにキスしただけで「チャラい!」と騒がれていたシーズン2など遥か昔。今や怒涛の勢いで唇へキスを重ね、デートのたびに擬似恋人関係をやってきたわけですから。
「結婚後の将来の姿が見えた」というより、大内さんには「恋人としての理想的な交際像が見えた」というのが近いのかもしれません。
もしくは、「すでに恋人のように情熱的な関係にある大内さんを選びたい!」という気持ちありきで、それに当てはまるよう「恋人のような関係が理想」と答えたのかもしれません。卵が先か、鶏が先か。
■メキシコデートからの『ラストローズネタバレ顔』
当初から密かに長谷川さんのお気に入りだった大内さん。長谷川さん的には気になるけれど、大内さんの気持ちが見えず、毎回ローズだけを渡し続ける中、メキシコラストのデートで大内さんのエンジンが一気にかかり、長谷川さんも「いける!」と確信。
そこからはまるで、感情のジェットコースターに乗っているかのようでした。あのデートから、迷う余地なくはっきりと大内さんに心を決めていたのではないか、と予想します。
それ以降、道中のどこを切り取っても、大内さんを見る長谷川さんの表情から大好きが溢れまくっていて、「ラストローズネタバレ顔」をしていました。逆に、あのデートで大内さんの気持ちがのってこなければ、順当に西山さんだったのかもしれません。
■「もう待てん」の筆者の気持ちを答えよ(配点10点)
西山さんは、好きを遠回しに伝え続けました。しかしながら、ハッセは「西山さんは気持ちが言えないことが課題」と言い、「好き」の2文字がどうしても欲しかった。
夏目漱石の「月が綺麗ですね」的な婉曲の愛の表現じゃ、残念ながらハッセには伝わっていなかったのです。「もう待てん」の筆者の気持ちを答えよ(10点)を落とし続けてきたのです。どちらも答えは「I love you」なのに……。表現の限界に夏目漱石も泣いています。
そんな中、当初は隣に座るのも拒否してた大内さんが、今や自らキスして行動で愛を伝えてるんですからね。もう勝てん。
最後のデートでは西山さんも、とうとう気持ちをハッキリと表現しました。
「ダメな部分も笑ってくれてありがとう。私も笑い飛ばしてあげるし、私が得意なことなら助けてあげる。(中略)私は惠一のことが好き」
西山さんらしさや、彼女の良さが濃縮されまくっていて、視聴者まで西山さんに心奪われる内容でしたね。
ハッセが「好き」にこだわるのって、「自分もバチェロレッテを経験したからこそ、言葉にすることの大切さを感じている」が理由だったのに、そもそもそのことを言葉にしていなかった。だから西山さんもそんなことつゆ知らず「好き」を直接言葉にしなかった。と、最後にオチまで作ってくれた、前代未聞のイジられバチェラー。このスーパーブーメランを糧に大内さんとは、変わらず言葉を紡ぎあいながら、ぜひ青天井の幸せを掴んで欲しいものです。
■「好き」の2文字を上回る「好き」を全身で表現した大内さん
ラストローズセレモニーでの西山さんと大内さんのリアクションが真逆すぎて。
大内さんは号泣。西山さんは笑顔。ここだけ切り取ったら、まるで勝者と敗者が入れ替わったよう。西山さんは「泣くくらいなら笑っていよう」の母の教えを守り、最後まで美しい笑顔と、しゃんとのびた背筋で去って行くのが、まるでドラマのワンシーンのような美しさでした。今回、西山さんのファンも大量に増えたと思うので、西山さんにローズを渡したい大量のバチェラー候補者が殺到することと思います。
普段のバチェラーなら西山さんの戦い方って正攻法ですし、全然勝っていたんだと思うんです。いい関係を築いて最後に好きを伝える、王道じゃないですか。でも今回、大内さんは本当に強かった。あんなに激情的かつダイレクトに気持ちをぶつけたガールズって今までいなかったですよね。
初対面の大内さんの涙が刺さっていた長谷川さんにとって、毎回自分のために涙を流してくれることは大きな意味を持っていました。さらには直接「好き」の言葉をくれて、最後には大内さん自らキスをくれる。これは長谷川さんが常々欲していた「好き」の2文字以上の「好き」の表現な訳です。言葉、涙、キス、全身全霊を込めてまっすぐに好きを伝えた大内さん。誰も太刀打ちできるはずがありません。最強すぎます。
彼女の伝える愛が誰より一番強かったし、長谷川さんの愛も大内さんに注がれているのが見て取れて、結ばれるべくして結ばれた2人なのだととても幸せな気持ちをもらいました。座談会でも、こんなにラブラブ感伝わってくる2人いました? ってくらい、お互いの好きが溢れまくってましたよね。
■長谷川母の大きな懐
長谷川さんのお母様の、とても懐の大きくて優しい物腰にもやられてしまいました。
大内さんが話しながら泣いてしまった時の「ちゃんと分かりますよ」という優しいフォローや、西山さんとのハワイ旅行の会話で「一緒に行けたらいいですね」と、自分を認めてもらえたような、心がほどける一言。紡ぐ言葉の一つ一つに愛がこもっているのです。
加えて、長谷川さんが大内さんに気持ちが傾いていることを見抜いた洞察力。言わないだけで、他にももっと見えていることがありそうです。是非とも長谷川母のバチェラー考察YouTube配信お願いします!
最後の座談会冒頭でも、西山さんに先日のお礼と、幸せを願う一言をかけられていたのがまた素敵すぎて、涙が溢れました。
しかも、不慣れで緊張するであろう、あの撮影の場で伝えてくださるなんて、なかなかできることではありません。本当に素敵なお母様でした。
■バチェラーであり、バチェロレッテを手に入れた男、長谷川
面白いもので今回のバチェラー、母の教えの通り、別れ際まで涙を見せずに気丈に振る舞った鉄壁涙腺女子・西山と、天才子役か大内か、というほどの、とんでもない泣きスピードを誇る、涙腺崩壊女子・大内、という対極の2人の涙腺対決だったのかもしれません。
そして、彼女たちのタイプも全くの真逆でした。
どちらも嘘のない、友人思いのまっすぐな女性、という共通点はありますが。
「ありのままでいよう」と常に自分を信じ、親友のように笑顔で寄り添う西山さんと、どこか自信がなく、庇護欲をくすぐられる、天真爛漫な少女のような大内さん。
今回、選ばれたのは後者でした。
大内さんといる時は「我こそがバチェラー!」という感じで、彼女をリードし、自信を持たせ、時には「俺が言ってんだよ?」とオラオラ感まで見せていた長谷川さん。
そんなふうに、唯一、長谷川さんをTheバチェラーにしてくれたのが大内さんという存在でした。
さらに、大内さんは経営者。もしかすると長谷川さんより稼いでいる可能性すらあり、バチェロレッテに出演していてもおかしくない人材です。
つまりは大内さんというバチェロレッテと結ばれることで、バチェロレッテシーズン2の無念を晴らしたと同時に、大内さんの存在によって長谷川さんが立派なバチェラーにもなることができたのです。
バチェロレッテとバチェラーを一度に回収したこのラスト。バチェロレッテシーズン2を伏線として、壮大な2つのバチェストーリーが今、全てを美しく幕引きする形で完結しました。
次は入籍のご報告、楽しみに待っております! お幸せに!
(やまとなでし子)
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『バチェラー・ジャパン』シーズン5概要
タイトル:『バチェラー・ジャパン』シーズン5
配信開始日:2023年8月3日(木) 22時より独占配信開始
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予告編URL:
※配信内容・スケジュールは予告なく変更になる場合がございます。
話数:本編10話
(C)2023 Warner Bros. International Television Production Limited
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