真夏でも、一面氷河! 標高3,571mのスイスの展望台で世界遺産に感激
スイス・ユングフラウ地方で、最も有名な観光地が「ユングフラウヨッホ」。3,571mという富士山9合目並みの展望台があるのですが、山登りが必要無く、列車で行けちゃう超ありがたい人気スポットです。真夏でも、一面氷河の世界が広がっています!
この記事ではユングフラウヨッホへと行く観光3日目をレポート。トゥーン湖でのサンセットクルーズも、人生で忘れられない経験となりました……!
【連載】この夏、絶景のスイスへ
https://woman.mynavi.jp/tag/switzerlandtravel/
2020年に誕生! 最新ゴンドラ「アイガー・エクスプレス」に乗って空中散歩
ユングフラウヨッホへ向かう起点となる駅が「グリンデルワルト・ターミナル」。ここから2020年に誕生した「アイガー・エクスプレス」という最新ゴンドラに乗って山を登っていきます! アイガー・エクスプレスの料金は片道CHF 32ですが、ユングフラウVIPパス(3日間 CHF 220~、日本で旅行代理店経由のみ購入可能)を利用することも可能です。
アイガー・エクスプレスに乗ると、約15分で山の中腹のアイガーグレッチャー駅に到着。それまでユングフラウヨッホへは鉄道を乗り継いで行くしかありませんでしたが、アイガー・エクスプレスが誕生したことでインターラーケン・オスト駅から約47分も早くユングフラウヨッホに到着できるようになったのです! 時速約30kmでぐんぐん登り、小さくなるグリンデルワルトの街並みやアイガー北壁を見ながら空中散歩を楽しみました。高さ約1,800mでほぼ垂直のアイガー北壁は、世界三大北壁の一つです!
・アイガー・エクスプレス
HP:https://www.jungfrau.ch/en-gb/eiger-express/
アイガーグレッチャー駅では110年以上の歴史を持つユングフラウ鉄道に乗り換え。実はここも、Netflixの韓国ドラマ『愛の不時着』のロケ地です! ロケ地となっているところにはハートのモニュメントが飾られているので、それを目印にユングフラウ地方各地をめぐるのもおすすめです。
終点のユングフラウヨッホ駅に行く前に、途中駅の「アイスメーア駅」では約5分間停車して撮影を楽しめます。ガラス越しに見えたのは、ユネスコ世界自然遺産の領域内にある「イシュメーア氷河」! グリンデルワルト下氷河の大きな支流であるイシュメーア氷河は圧巻で、日本では決して見られない景色です。
ユングフラウ鉄道のユングフラウヨッホ駅行きはとても人気なので、時間指定の事前予約がおすすめ。時には乗車まで2時間も待つことがあります。乗車券とは別に、往復CHF 10で予約が可能です。
世界遺産「アレッチ氷河」の中も歩ける! 富士山9合目に並ぶ標高の「ユングフラウヨッホ」
アイスメーア駅から約10分で、ついに標高3,454mのヨーロッパで最も標高の高い鉄道駅「ユングフラウヨッホ トップ・オブ・ヨーロッパ」に到着です。駅にはレストランやお土産店などさまざまな施設がありますが、まず1番に行きたいのは標高3,571mの「スフィンクス展望台」! ガラス越しではなく、外に出て標高4,158mの山「ユングフラウ」、標高4,110mの山「メンヒ」、ヨーロッパアルプス最大の氷河「アレッチ氷河」を見ることができます。
この日、グリンデルワルトの気温は約20度前後でしたが、展望台の気温は約3度。手袋やインナーダウンなど、防寒具でしっかり対策して絶景を満喫しました。ちなみにここも『愛の不時着』のロケ地です。
展望台と並んでユングフラウヨッホの面白いスポットが「アイスパレス」。なんと、世界遺産「アレッチ氷河」の“中”を歩くことができるのです! 氷河は積雪が溶けずに残っている「万年雪」。氷河の層を見るとその歴史がわかり、例えば黒っぽい層は氷河を溶かすほどの酷暑だった1947年に形成されたことがわかっています。歴史が積み重ねられた氷河の中を歩き、触れられるのは、本当にすごいことです!
・ユングフラウヨッホ
HP:https://www.jungfrau.ch/en-gb/jungfraujoch-top-of-europe/
アイガーグレッチャー駅に戻り、山岳レストラン「アイガーグレッチャー」でスイス料理に舌鼓。「レシュティ(CHF.26.50)」は千切りのじゃがいもを焼いた伝統料理です。こんがりと焼かれたじゃがいもの上には、グリンデルワルト産ラクレットチーズがたっぷり! 食べた瞬間に、口の中がリッチなチーズの旨みで満たされました。本場のチーズ、ウマすぎる……!
・山岳レストラン「アイガーグレッチャー」
HP:https://www.jungfrau.ch/en-gb/food-drink/restaurant-eigergletscher/
麓へはアイガー・エクスプレスで戻ることもできますが、夏に訪れるならハイキングをしながら下山をするのが一押しです。スイスはハイキングコースがしっかりと整備されていて、アイガーグレッチャー駅からクライネ・シャイデック駅までは約60分のなだらかな下りのコース「ユングフラウ・アイガー・ウォーク」となっています。
ベストシーズンの6月~7月は高山植物が咲き乱れ、自然のお花畑に心から癒やされました。まるで天国のよう……。ハイキング初心者でも、心から楽しめますよ!
・ユングフラウ・アイガー・ウォーク
HP:https://www.jungfrau.ch/en-gb/kleine-scheidegg/jungfrau-eiger-walk/
地元のワインを片手に。トゥーン湖でサンセットクルーズ
3日目のディナーは湖の上で。インターラーケン・ヴェスト駅直結の船着き場から出発する船に乗り、終点のトゥーンまでトゥーン湖のクルーズを楽しみました。こちらは「スイストラベルパス(3日間 CHF 232~)」で乗ることができます!
船に乗っていると、見えてきたのはサマーホリデーを満喫するスイスの人たち。湖のビーチで泳いだり、テラスで食事をしたり。日が長い夏のひとときを、みんなが心から楽しんでいました。スイスでは2~3週間ほど長期休暇をとり、夏はゆっくり休むのが基本。せわしなく働く日本人とは、やっぱり違うなぁと、ちょっぴり羨ましくなりました。
食事はアラカルトで注文可能。湖に住む白身魚の淡水魚、ペルシュのフライをメインにした「サマープラッター(CHF 35)」を頼みました。吸い込まれそうなほど美しいブルーの湖と、船が進むごとに変わる景色を横目に、湖上で味わう食事……最高です!!
ドリンクは船から見える町「シュピーツ」で作られた白ワイン(25CL CHF 16.50)。爽やかな白ワインはとても飲みやすく、ペルシュのフライとも相性抜群。約2時間の船旅でしたが、ワイン片手に景色を見ているとあっという間に時間が過ぎてしまいました。
・トゥーン湖クルーズ(BLS Schifffahrt AG)
HP:http://www.bls.ch/schiff
標高3,571mもの展望台で絶景を楽しみ、湖上のサンセットクルーズで心地良い時間を過ごしたスイス・ユングフラウ旅3日目。3日目ともなると時差も気にならなくなり、スイスらしい、大自然をたっぷりと満喫できました。ちなみに夏のスイスと日本の時差はー7時間です。観光最終日となる4日目は2つの氷河を望むフィルストでアクティビティを楽しんできたので、最後の記事もお楽しみに!
※CHF 1.00=163.16円(2023年8月4日現在)
【取材協力】
・スイス政府観光局
HP:www.myswiss.jp
・ユングフラウ鉄道グループ
HP:www.jungfrau.ch
・インターラーケン観光局
HP:www.interlaken.ch
(文・撮影:小浜みゆ)
※この記事は2023年08月17日に公開されたものです