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褒められるのが苦手な人の心理と褒められた時の上手な対応方法

小日向るり子

あなたは褒められるとどのような感情を抱きますか? 「うれしい」「恥ずかしい」「苦しい」など人によってさまざまだと思います。今回は、褒められるのが苦手な人に焦点を当てて、特徴や心理、褒められた時の上手な対応方法を心理カウンセラーの小日向るり子さんが解説します。

「褒められる」という言葉を聞くとどのようなイメージが湧くでしょうか?

多くの人は喜ばしいことだと認識すると思います。あまり褒められた経験がない人は「うらやましい」と感じるかもしれませんね。

しかし、実は褒められるのが苦手な人もいます。今回は、そうした人の特徴や心理、また褒められた時の上手な対応方法について解説していきたいと思います。

褒められるのが苦手な人の特徴

それでは、どのような人が褒められることに苦手意識を持ちやすいのでしょうか。まずは、特徴についてです。

(1)自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人は、常に自分の存在価値を低く見積もっています。

そのため、人から評価されても「自分は称賛に値するような人間ではない」という根底にある感情が出てきて、褒め言葉を好意的に受け取ることができないのです。

(2)褒められるために無理をしてきた過去を持つ

幼少期の体験がトラウマになり、大人になっても褒められることに抵抗を感じてしまう人がいます。

例えば、子どもの頃に勉強や運動で結果を出した時しか認めてもらえないということが続くと、褒められるために必要以上に自分を追い込むようになってしまうのです。

そのような経験から、褒められることに苦しい感情を抱いている可能性があります。

(3)褒められることで傷ついた過去がある

褒められたことで調子に乗ってしまい、人からだまされたり、おとしめられたりした過去があると、何か裏があるのではないか、と懐疑的になってしまいがちです。

(4)あまのじゃくな性格

何事においても人と反対のことをするあまのじゃくな性格の人は、褒められることにおいても「褒められる→うれしい」という自然な感情とは逆の気持ちを抱く傾向があります。

褒められるのが苦手な人の心理

それではここからは、褒められることが苦手な人にはどのような心理状態が見られるのかを考えてみましょう。

(1)恥ずかしい

褒められることに対して「恥ずかしい」という感情が強く出てくる人は、自己肯定感が低いことが要因になっていると考えられます。

称賛は自分の身の丈に合わないこと、つまり「自分の価値以上に持ち上げられている」ように感じるため恥ずかしくなってしまうのです。

(2)苦しい

褒められて苦しい感覚になるのは、過去につらかった経験のある人に多い傾向です。

評価されるということが、その人にとってある種のトラウマになっている可能性が考えられます。

(3)怒り

褒められると怒りに似た感情が湧く人は、おだてられてだまされたり、人からねたみをかってしまったりした体験があるのではないでしょうか。

褒められて調子に乗ってしまうことはよくあることですが、その結果、理不尽な経験をすると、「褒め言葉の裏には何かがある」といった感情が怒りとして表れるのです。

褒められた時の上手な対応方法

他者から評価されるのが苦手な人は、褒められた時にどのような対応をしたら良いか困ることもあるのではないでしょうか。

ここからは、そんな時の上手な対応方法をご紹介します。

大前提として、まずは「ありがとう」とお礼を言うこと。それを踏まえた上でのプラスαの対応をお伝えしていきます。

(1)自分の経験を加えて伝える

例えば、「すごく知識があるね」と褒められたら、「ありがとうございます。過去に関連する本をたくさん読んだのです。」など、自分が知識を身に付けるために取り組んだことも一緒に伝えてみましょう。

謙遜するだけが美徳ではありません。自分の努力についても加えることで、相手とのコミュニケーションの幅が広がるでしょう。

(2)相手の良いところも褒める

「好意の返報性」という心理原則があります。これは、人から何かをもらった時に自分も何かを返さなくてはと感じる心理のことですが、この原理を利用して相手のことも褒めてみましょう。

ただし、お世辞も含め、自分の利益のために相手を褒めることはしないこと。自分がそうした気持ちを持っていると、評価された時に勘繰りの気持ちが湧いて素直に受け止めることができなくなります。

また、この原理を何往復もやりすぎるとお互い疲れてしまいますので、一往復程度にとどめるように気を付けてください。

(3)外見についての褒め言葉にはお礼のみ

顔やスタイルなど、自分の容姿について褒められた時は基本的にお礼のみで良いでしょう。

外見は生まれ持っての要素が強いセンシティブな話題ですので、謙遜の言葉を付け加えることで相手のコンプレックスを強めてしまう可能性があるからです。

褒められた時は素直に受け止めよう

いかがでしたでしょうか。日本には昔から「謙遜は美徳」と考える文化もあるため、褒められることが苦手という人は多いと思います。

しかし、過剰な謙遜は嫌味になってしまうこともあるものです。

褒められたらうれしい。だから素直に受け止めて「ありがとう」と感謝を伝える。そうした正直な気持ちを大切にして行動してみましょう。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月14日に公開されたものです

小日向るり子 (心理カウンセラー)

心理カウンセラー
フィールマインド 代表カウンセラー
正社員をしながらボランティアの電話相談員をしていました。「どんな電話も切らない」理念の中で恋愛、自死、癖、愚痴、いろいろな話を聴かせて頂きました。資格取得後はハラスメント相談員を経て現職。相談件数は2200件を超えます。悩みに大小はありません。

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