「無理しないでね」と言う相手の心理とは? 気遣いと社交辞令の見分け方&上手な返し方
「無理しないでね」という言葉は、基本的に相手を気遣う言葉として使われています。しかし、人によっては社交辞令で言っている可能性も……? 今回は「無理しないでね」と言う心理や上手な返し方について、心理カウンセラーの高見綾さんに解説してもらいます。
「無理しないでね」という言葉は、日常的によく耳にするフレーズではないでしょうか。
相手を気遣って言うケースが多いと思いますが、人によっては「どういう意味で言ったの?」と、好意による発言なのか単なる社交辞令なのか気になることもありますよね。
そこで今回は、「無理しないでね」と言う心理を相手別に詳しく解説します。
また、言われた時の返し方や本音の見分け方についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
「無理しないでね」と言うのはどんな時?
「無理しないでね」は、さまざまなシチュエーションで使われる気遣いの言葉です。
仕事や勉強など、何かを一生懸命頑張っている人に対して、応援といたわりの気持ちが合わさって、「無理しないでね」と声を掛けたことがある人は多いのではないでしょうか。
体調が悪そうだったり、やるべきことに追われて忙しそうにしていたりする人を見た時に、言うこともあるでしょう。
仕事を終えた際、まだ働いている人に対して「無理しないでね」と一声掛けるケースも考えられます。
また、相手に頑張ってもらわないといけないようなお願い事をする時に社交辞令として添えることもあるかもしれません。
このように、「無理しないでね」と言う背景にはさまざまなシーンが考えられるのです。
「無理しないでね」と言う心理【男性から】
では、相手別に「無理しないでね」と言う心理を詳しく見ていきましょう。まずは男性です。
(1)気遣いやいたわりの気持ち
男女問わず相手が頑張っている姿を見て、いたわりの気持ちや、相手の体調に対する気遣いを表現するために「無理しないでね」という言葉を使うことがあります。
これは「無理しない程度に頑張って」の意味で、思いやりの気持ちを示すためのちょっとしたあいさつとして使っている可能性も考えられます。
(2)助けてあげたい
好意のある女性には、少しでも相手の力になりたいという心理から「無理しないでね」と言うことがあるでしょう。
好きな人が大変そうな時に声を掛けることで接点を持ちたいと思っているのです。
(3)好感度を上げたい
女性に自分が優しい人間であることをアピールするために「無理しないでね」と言うこともあります。
相手から気に入られたいと思っているのかもしれません。
「無理しないでね」と言う心理【女性から】
では、女性が「無理しないでね」と言う場合はどのような心理が考えられるのでしょうか。
(1)気遣いやいたわりの気持ち
相手の体調に対する気遣いや、忙しそうな相手にいたわりの気持ちを伝えるために「無理しないでね」という言葉を使うことがあります。
「お疲れ様です」と同じようなニュアンスで、深い意味はなく使う人もいるでしょう。
(2)心配している
相手がしんどそうに見える時は、心配の気持ちから「無理しないでね」と言うことがあります。体調を崩すと大変なので、その前に休んでほしいと思っているのかもしれません。
(3)応援している
相手に「体に無理のない程度に頑張ってほしい」「エールを送りたい」と思っています。
(4)支えたい
友達や、好意のある相手に対しては、しんどい時に少しでも手助けできればという気持ちから「無理しないでね」と言うことも。
自分の存在が相手の支えになればうれしいと思っています。
「無理しないでね」と言う心理【彼氏・彼女から】
彼氏や彼女が「無理しないでね」と言う場合は、基本的に優しさから出てくる言葉だと考えて良いでしょう。
(1)頑張りすぎていないか不安
彼氏や彼女の体を心配している時に使います。体調を崩さないようにしてほしいという気遣いが込められているでしょう。
(2)エールを送りたい
彼氏や彼女のことを応援していますが、体が第一という気持ちで「無理しないでね」と声を掛けているのです。
(3)力になりたい
大変そうな様子を見て、力になりたいという気持ちから出る言葉です。自分にできることは何かないかと考えてくれているのかもしれません。
「無理しないでね」と言う心理【上司・先輩から】
(1)業務に支障が出ないようにしたい
上司や先輩は、部下や後輩の業務を管理する責任があります。
無理をさせて体調を崩したり、翌日遅刻したりして仕事に支障が出ては困るので、「無理して今日終わらせなくていいよ」といった意味で使うことも。
(2)やらなくてもいいとは言えないから
仕事をやらなくてもいいとは言えない時に、「無理のない範囲でやってほしい」という願望を込めて使うことがあります。
「どうしてもできない場合は言って」というフォローが入ることもあるかもしれません。
好意から? それとも社交辞令? 「無理しないでね」の本音の見分け方
「無理しないでね」の言葉が、好意から言われたものなのか、それとも社交辞令なのか、見分ける方法について紹介します。
好意がある場合
好意がある場合は、自分にできることがあればサポートしたいと思ってくれているので、フォローが入ることが多いでしょう。
「大丈夫だった?」「何かあったら言ってね」といった言葉や、「〇〇しようか?」と具体的な手伝いを申し出てくれる場合も。
飲み物やちょっとしたお菓子を差し入れしてくれることもあるかもしれません。相手はあなたと接点を持ちたいと思っているので、何かと関わってきてくれるはずです。
社交辞令の場合
社交辞令の場合は、その後のフォローは特にないことが多いでしょう。
「昨日は大丈夫だった?」「何か手伝おうか?」といった具体的な声掛けやアクションがない場合は、あいさつ程度の感覚だと考えておくのが無難です。
好きな人から「無理しないでね」と言われた場合でも、目が合わない、態度が素っ気ないなど、あなたに興味が無さそうであれば脈無しといえるでしょう。
「無理しないでね」と言われた時の返し方
「無理しないでね」と言われた時に、どのように返したらいいのか迷う人もいるかもしれませんね。
ここでは、おすすめの返し方をいくつか紹介します。
(1)ありがとうございます
「無理しないでね」は気遣いの言葉なので、相手の気持ちを素直に受け取って感謝すると良いでしょう。
相手の心理が分からない時でも「気に掛けていただきありがとうございます」と返せば、お互いに気持ち良くいられますよね。
(2)うん、大丈夫だよ
相手が体調や精神面を心配して「無理しないでね」と言ってきている場合は、安心してもらうために「大丈夫だよ」と返すのが良いでしょう。
(3)○○さんも無理しないでね
相手に同じ言葉を返すのも良い方法です。
「〇〇さんも無理しないでね」と、こちらからも気遣いを示せば、お互いにエールを送り合うことができます。
(4)そう言ってもらえてうれしい
気に掛けてもらえてうれしかった場合は、「そう言ってもらえてうれしい」と素直な気持ちを伝えましょう。
相手も自分の気遣いが伝わったと分かり、温かい気持ちになると思います。
(5)はい、分かりました
上司や先輩から「無理しないでね」と言われた場合は、本当に無理してほしくないと思われている可能性もあるので、「分かりました」と返すのもいいでしょう。
「無理しないでね」は基本的に相手を気遣う時に使う言葉
「無理しないでね」は基本的に相手に対する気遣いを示すポジティブな言葉です。
中には、社交辞令であいさつとして使う人もいますし、好意がある場合も考えられます。職場の上司や先輩の場合は、マネジメントの意味が含まれていることも。
相手との関係性を考慮しながら、言葉の背景にある心理を理解したいですね。
(高見綾)
※画像はイメージです
※この記事は2023年05月24日に公開されたものです