「今月、ピンチ!」を給料日まで乗り切る自炊テクニック
働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、FP(ファイナンシャルプランナー)の丸山晴美さん。
今回のお話「給料日直前のピンチを救う自炊テク」
友人の結婚式が重なるなど、急な出費が続いて「今月、ヤバい!」というケースを経験したことが全くない人は少ないのではないでしょうか。給料日までなんとか乗り切るには、やはり自炊が有効です。「あと数日なんとかしたい!」という時に役立つ節約メニューとは?
値上がりする食材……。節約のために何を買うべき?
昨今、さまざまな食材が値上がりしています。その中でも目立つのは、ひと手間加えた加工品の値上がり。そこでおすすめなのが、生鮮食品とお米を中心とした食事です。
「節約お肉」といわれている鶏むね肉・豚こま肉・ひき肉類に加えて、卵、旬の野菜、きのこ、大豆製品などを使って調理をするのがいいでしょう。
安い野菜といえば「もやし」を思い浮かべる人は多いですよね。業務スーパーでは20円ほどで購入できますが、普通のスーパーだと大体36円ほどです。
たとえば、もやしパック1つとキャベツ1玉を比較して、どちらが調理に使える回数が多いかを考えると、キャベツ1玉を選んだほうが結果として安くつく場合があります。
もちろん、節約できる食材はキャベツともやしだけではありません。タンパク質が豊富なたまご・納豆・大豆・厚揚げ・豆腐は、食事全体のバランスを良くしてくれます。
また、食パンは値上げ幅がゆるやかです。プライベートブランドのものだと100円台で購入できることも。菓子パンより食パンのほうが2〜3日持つのでコスパがいいと言えます。
注意! 買うと損になるもの
スーパーでよく見る「〇〇の素」は、料理初心者の方にはいいですが、買いすぎないように気をつけてください。醤油・砂糖・料理酒・みりんなどの基本調味料や、オイスターソース、豆板醤などで代用できます。家にあるもので作れないか、パッケージに記載されている原材料もしくは、レシピサイトなどで確認してみましょう。
調味料の話でいうと、ナンプラーは使い勝手があまり良くありません。醤油でも代用できるので、今後の使う頻度も考えて購入を検討しましょう。
また、業務量の食材はコスパがいいイメージがありますが、一人暮らしには不向きです。定番アイテム以外は結局食べきれず無駄にしてしまうことが多いので、あまりおすすめできません。
スーパーで買い物するときのコツ
スーパーで値引きシールが貼ってあるものは、お得感があり買いたくなってしまいますよね。その日のうちに使う食材なら買ってもいいですが、そうではない無駄な食材や生菓子、菓子パンをついつい買ってしまわないよう気をつけましょう。
毎日の料理に疲れてしまったときはお弁当やお惣菜を購入するのもOK。しかし、楽だからといってそればかりになってしまわないように注意が必要です。
また、都度食材を買って調理する「都度買い」と、まとめて買って作り置きする「まとめ買い」のどちらがいいのかは、生活スタイルや冷蔵庫の大きさによって変わってきます。
「都度買い」は、冷蔵庫が小さい方や、仕事帰りなどに頻繁に買い物に行ける方におすすめのスタイルです。冷蔵庫の中の在庫と組み合わせて、都度足りないものを購入します。
逆に「まとめ買い」は、冷蔵庫にゆとりがある方や、忙しくて頻繁に買い物に行けない方におすすめ。週末まとめて食材を購入し、お肉や魚に下味をつけてから1食分ずつジップロックに入れて冷凍しておき、前日の夜に冷蔵庫解凍すればあとは加熱調理するだけでおかずができるので、毎日の夕食作りがぐっと楽になります。
節約したいけど自炊が苦手! どうすればいい?
自炊経験が無かったり、作るのが苦手だったりする方には、レンチン調理や炒め物がおすすめ。お肉を焼いて焼肉のタレをかけるだけでもOKです。砂糖、塩、酢、醤油、味噌といった基本の調味料で味つけを変えると、飽きがきませんよ。
あとは、卵とじ丼も簡単で良いでしょう。残り物のフライやてんぷら、油揚げ、ニラ、鶏肉などと玉ねぎ、もしくは長ネギをスライスして、残り物と一緒に天つゆで煮たら、溶き卵をかけてひと煮立ちしたら完成。
最近ではYouTubeでも簡単にできるレシピ動画が観られます。少しずつレパートリーを増やしていくと、スーパーに行っても「この材料はあの料理に使えるな」とだんだんわかってきます。そこまでいくと、さらに次のステップに進めるのではないでしょうか。
キッチンツールで節約料理も簡単に!
自炊をするには、便利なキッチンツールが必要不可欠です。
私が最近注目しているのは、100円ショップで購入できる電子レンジ調理器。レンチンするだけでパスタが茹で上がる容器や、ご飯一合炊きができるアイテムもあります。
また、メーカー各社から発売されている20cmほどの深型のフライパンが使い勝手抜群です。深型ですが、テフロン加工されておりフライパンと鍋の役割を兼ねているので、炒め物や焼き物はもちろんのこと、袋めんを茹でるときにも使えます。キッチングッズをあれこれ買いそろえるより、深型のフライパンをひとつ持っておくといいでしょう。
令和のマネーハック69
給料日前は、肉や野菜などの生鮮食品を使い、レンチン調理や炒め物で乗り切りましょう! 自炊のバリエーションを増やして、楽しく健康的な食生活を。
(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe)
※この記事は2023年03月06日に公開されたものです