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傷つきたくない心理とは。克服方法と恋愛に前向きになる方法

高見綾(心理カウンセラー)

恋愛や人間関係を通じて傷ついた経験は、どの人にもあると思います。誰しも傷つくのは嫌なものですが、「もう傷つきたくない」という思いから、恋愛から遠ざかってしまう人もいますよね。

「傷つきたくないから恋愛をしたくない」と思ってしまうのは、なぜなのか、それはどういった心理から来ているのか解説します。また、傷つきたくない気持ちを克服し、恋愛に前向きになるにはどうしたらいいのかについても考えてみました。

傷つきたくないのはなぜ?

傷つきたくないと思うということは、そうなるきっかけになった出来事があるはずです。通常は傷つくような出来事があっても、自分と向き合うことで心の傷が癒されて立ち直っていくことができます。ところが、あまりにも傷が深い場合には、時間が経っても癒えることなくその痛みを持ち続けてしまうことになります。そんなとき、私たちは「もう傷つきたくない」と思います。

恋愛では、失恋した、大切にされなかった、振り回されて大変だった、裏切られたなど、ひどく傷ついた経験があると、人から距離を取ることでその痛みから自分を守ろうとします。恋愛をしなければ、あんなふうに傷つくこともないはずだ、と考えてしまうのです。

特に、自分の存在意義や自己価値を脅かすような傷があると、恋愛そのものに臆病になってしまいます。自分は愛されない存在だ、女性としての価値がない、などと思い込んでしまうと、ネガティブな発想でいっぱいになります。自分を責めて心の余裕がなくなるので、恋愛がうまくいくという発想そのものが生まれにくくなります。このような状態に陥ると、「ただでさえ今でも傷ついているのだから、これ以上はもう無理、もう傷つきたくないから恋愛はしたくない」と思うようになります。

傷つきたくない気持ちを克服するには?

誰しも傷つきたくはないものですが、そうはいっても、自分を守っているだけだとうまくいきません。傷つきたくない気持ちを克服するためのコツを解説します。

「傷つきたくない」という思いを受け入れる

傷つきたくないがゆえに恋愛をしたくないと思っているとしたら、「そう思うに足る理由が自分にはあるのだな」と理解しましょう。「恋愛に前向きになれない自分は情けない」と自分を否定する必要はありませんので、できるだけ自分に寄り添ってあげるところからはじめていきましょう。

自分の気持ちを言葉にして表現する

傷つきたくないと思うということは、かなり大きな心の傷があるということ。自分の気持ちをため込んだまま抑圧していると、いつになっても癒えることがありません。どんなふうに自分が感じたのかを信頼できる誰かに話を聞いてもらったり、紙に書き出したりしてみましょう。泣きたくなれば思いっきり泣いてみるのもいい方法です。「私はこんなふうに思っていたんだな」と気づき、自分の気持ちを理解して受け入れていくことで、傷つくことへの恐れを解放させていく効果があります。

自分を責めない

過去の恋愛がうまくいかなかった理由を、私たちは一生懸命考えます。どうして振られたのか、どうして暴言を吐かれたのかなど、理由がわからないと、「自分が悪かったからだ」と自分に原因を求めやすくなります。しかし自分を責めているとどんどん自信がなくなってしまいます。恋愛は相手がいることなので、責任は50:50。自分が100%悪いことはありません。どんな自分であっても、そのときは精一杯やったのだと理解し許してあげることが大切です。自分を責めるのを止めるだけでも、ずいぶんと気持ちは楽になるはずです。

恋愛に前向きになる方法

恋愛をしなければ傷つくこともない、というのは確かにその通りかもしれません。ですが、好きな人との親密な関係は、私たちに安心感や大きな喜びを与えてくれます。それを手にすることなく、ずっと孤独で分離された世界にいるのもまたつらいものですよね。

過去の恋愛でうまくいかなかったからといって、自分に価値がないわけではありません。起こった出来事と自分の本質的な価値は関係がないことを知りましょう。どんなことがあったとしても、自分には愛される価値があるのだと知ることが大切です。今までの相手は真実のパートナーではなかったというだけ。いつもよりていねいな生活を心がけて自分を愛してあげましょう。たとえば、お風呂に入るときには、自分の身体をやさしく慈しみながら洗ってあげます。自分のために、一杯のお茶をていねいに入れてあげるのもいい方法ですね。

これらはなんとなくやるのではなく、「自分を大切にしよう」と意識しながら行うことで意味が出てきます。ときには自分をぎゅっと抱きしめて日ごろのがんばりをねぎらってあげるのもいいですし、「もう幸せになってもいいんだよ」と何回も言って自分の中にしみ込ませてあげるのもいい方法です。こういった自分に対するていねいな扱いの積み重ねが、自分は愛される価値があるのだという意識を少しずつ育んでくれます。

ひとりでやるのが難しいときは、サポートしてくれる人を持つといいですね。自分の価値を見つけるのは、ほかの人のほうが上手なことも多いものです。あなたの価値を見てくれる人がまわりにたくさんいれば、自分ひとりでやるよりも簡単に進むことができます。恋愛は相手との相性がありますので、次は必ずうまくいくという保証もなければ、傷つかない方法も残念ながらありません。ですが、「もしがんばってみてうまくいかなかったら、そのときは友だちになぐさめてもらおう」「話を聞いてもらおう」と思えるような人がまわりにいれば、それほど怖くなくなるものです。心の安全基地のような場所を持つことができれば、恋愛に前向きになっていけるでしょう。

自分には愛される価値があることを知り、自分を大切に扱ってあげよう

ひどく傷ついた経験があって、その痛みがずっと癒されずにいると、私たちは「もう傷つきたくない」と思います。特に自分の存在意義や自己価値が傷ついてしまうと、もう一回恋愛をすることが怖くなりますし、うまくいくイメージが持てなくなってしまうこともあります。

そんなときは自分を責めることなく、丸ごと受け止めてあげましょう。心の傷を癒し、自分には愛される価値があることを知っていくことで、徐々に心は回復していきます。自分を愛し応援してくれるサポーターを持つことでひとりでがんばるよりも、楽に前向きに進んでいくことができるでしょう。

(高見綾)

※画像はイメージです

※この記事は2022年08月29日に公開されたものです

高見綾(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

“質上げ女子”のカウンセリングをメインで行っている。電話、面談(ZOOM、名古屋)によるカウンセリングや講座を中心にあなたのお悩みをサポート。

大学卒業後、民間企業の経理・財務業務に従事。自身の悩みを解決するために心理学を学びはじめ、人生がうまくいくためには特定の法則があることに気づく。豊富な臨床経験から、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただいている。

著書は「ゆずらない力」(すばる舎)。他、PHPスペシャルに記事を寄稿するなどマルチに活動中。

高見綾のブログ https://takamiaya.com/

 

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