在宅勤務で暖房代が高額に。節約するための「意外な方法」
働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、FP(ファイナンシャルプランナー)の丸山晴美さん。
今回のお話「ワンルーム・1Kで暖房代を節約するには?」
在宅勤務が増えて、以前より光熱費がかかるようになった人も多いのではないでしょうか。冬はエアコンなどの暖房でさらに費用がかさんでしまうのもやむなし……。それでもできるだけ節約したいところです。暖房器具にもエアコン・こたつ・ストーブなどさまざまありますが、どれをどのように選択すれば良いのでしょうか。
暖房効率がいいのはダントツで「コタツ」!
まず前提として、ワンルーム・1Kで使える暖房器具は、エアコン・こたつ・電気ストーブ・オイルヒーター・ホットカーペットが一般的。灯油を燃料とするようなファンヒーターは、火災や結露の原因になるので禁止されていることが多いです。
使用できる暖房器具の中で一番節約になるのは、コタツ。
エアコンとコタツ、ワンルーム・1カ月の電気代を比較すると……
・エアコン:3,192円
・コタツ:660円
※1日8時間つけっぱなしにした場合
コタツは電気代が安い上に、80cm四方から熱が逃げにくい仕組みになっているので、非常に暖房効率がいいとされています。在宅勤務が多いのであれば、コタツに入りながらPC作業もできますしね。
エアコンは部屋全体を暖める効果がありますが、電気代がとにかく高い。またストーブやオイルヒーターは狭い範囲しか暖めることができず、ホットカーペットは床に直接敷くと、床に熱が逃げたり、温かい空気は天井の方に上がってしまいます。
知っておきたい、エアコンを使うときの節電のコツ
とはいえ、「部屋にコタツを置くほどの広さがない」「新しい暖房器具は増やしたくない」という方もいるでしょう。
ここからは、今あるエアコンだけで部屋を効率良く暖める方法をご紹介します。
エアコンの適正温度をチェック
まずは適正温度に設定すること。冬場は一般的に20度とされていますが、住環境によって変わってきます。寒い地域の方や、関東でも北・東向きの部屋は肌寒く感じることも多いので、もう少し高めに設定してもOKです。
頻繁につけたり消したりはNG
冷房も同様ですが、頻繁につけたり消したりしないようにしましょう。エアコンは立ち上げ時に電力がかかります。ダイキンの調査によると、冬場のエアコンは30分間ならつけっぱなしの方がお得。ゴミ捨てや近所のコンビニに行く程度なら、消さずに出かけましょう。
ただし、長時間の外出でつけっぱなしにしておくのは電気代のムダになるので要注意。エアコンを消して、熱を逃さないようにカーテンを閉めて出かけましょう。
定期的に買い替え・メンテナンスを
エアコンの効きが悪いと感じたら、内部やフィルターが汚れている、室外機が不調、ガスが抜けている、エアコン自体が古くなっている……などの可能性も。
家電は基本的に10年が耐用年数なので、それを超えていたら買い替えの準備を。10年未満の場合は、掃除や修理など、定期的にメンテナンスを行ってくださいね。
暖房器具を増やさなくてもすぐできる、あったか節約術
この他にも、暖房器具以外の工夫で部屋を暖める方法があります。
窓から熱が逃げないように
部屋の暖気は窓ガラスを通して逃げていき、外の冷気も窓ガラスを通して部屋に入ってきます。そのため、薄すぎるカーテン、丈が足りていないカーテンは熱を逃しやすいので、買い替えましょう。
おすすめは遮光性の高い厚手のカーテン。もちろん丈の長さもきちんと満たすものを選んで、隙間なく閉めましょう。これは冷暖房効率を上げるための工夫なので、夏場の冷房使用時にも有効です。
衣類で体感温度を上げよう
首、足首は寒さを感じやすい部位です。ネックウォーマー、靴下、羽織などで工夫しましょう。エアコンの温度を上げなくても体感温度が上がります。
見逃しがちな「加湿」も忘れずに
冬場に部屋が乾燥すると湿度が下がり、そうすると体感温度も下がるといわれています。湿度計を取り入れて、適正な湿度(40〜60%程度)を保ちましょう。
加湿器を使わなくても、ワンルームだったらお風呂上がりにシャワールームのドアを開けるくらいで十分。ただし、湿度が60%以上になるとカビが発生する可能性があるので、湿度計を見ながらコントロールしてくださいね。
節電はお部屋探しから始まっている!
効率良く部屋を暖めるためのコツをお伝えしてきましたが、実は我が家では、今年の冬は一度も暖房器具を使っていません。
その理由は、関東のマンション住まいかつ、リビングが南向きだから。暖房なしでも窓から太陽光が入って暖かいのです。
私も何度も引っ越しを重ねて学んだことですが、在宅時間が長い人は「住環境」にこだわるのが一番の節約になるんですよね。
選ぶなら東南・南・南西向きの、できれば2階以上の太陽光が入りやすい部屋。角部屋は窓の数が多く冬は寒くなりやすいので、真ん中の部屋だとなお良いです。また、木造アパートよりも、少しお値段は張りますが冷暖房効率が高いマンションをおすすめします。
いくら家賃が安くても、適切な部屋を選ばないと、あとから発生するコスト(光熱費)が高くかかってくることも。「節電はお部屋探しから始まっている」と考え、より良い間取り・位置を選びましょう!
令和のマネーハック42
冬場はコタツに窓周り・衣類などの保温テクニックをプラスしてあったか節電! 今後引っ越しの機会があれば、冷暖房効果の高いお部屋をチェックしてみて。
(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe)
※この記事は2022年02月14日に公開されたものです