チャンスをつかみ取る「チャンキャリ」。ヤーマン川﨑文恵さんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材・文:松岡紘子/マイナビウーマン編集部
撮影:洞澤佐智子
コロナ禍による外出自粛によって、自宅で行えるセルフケアとして注目が集まっている美容家電。
美容家電と言うと、ウェアラブル美顔器「メディリフト」をはじめとする美顔器はもちろん、ミネラルコスメブランド「オンリーミネラル」など、幅広い美容アイテムを取り扱うヤーマンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
そんな美を追究するヤーマンでマーケティング業務に携わるのが、川﨑文恵さん。
自己紹介がとても丁寧で、「真面目な人なのかな?」と思っていたら、美容の話になったとたんパッと顔が輝いて、自身の仕事に対する想いを熱く語ってくれました。
美容がつなげた海外でのコミュニケーション
本日はよろしくお願いします! プロフィールを見てびっくりしたんですが、合計で13年間も海外で暮らしていたんですね!
そうなんです。生まれてから高校生までは海外と日本を行ったり来たりしていて、大学生の時に1年間アメリカへ留学しました。
早速すごい経歴ですね……! 美容はずっと好きで仕事にしたいと思っていたんですか?
実は、二度目の海外での生活で起こったことがきっかけになっているんです。当時の私は、英語の聞き取りはできたんですが、話すことはあまりできなかったんです。
その頃は中学生でおしゃれに気を使い始めた時期だったのですが、現地の子に「そのリップかわいいね! どこのブランド?」と話しかけられたことがあって。その時に使っていた日本製のコスメを紹介できたことで、やっと「話せた!」と思えたんです。
その出来事がきっかけで、日本のものを自分の力で海外に発信していきたい、そして大好きな美容で仕事がしたいと思うようになりました。
とってもすてきなエピソードです……!
そうした経緯から、新卒の時は化粧品メーカーだけを受けて入社しました。そこではヘアケアブランドの販売企画・マーケティングの他、海外の取引先のアテンドや通訳など、英語を活かした仕事もできて充実していました。
でも、急に「この会社の外で私はどのくらい通用するんだろう」と、自分の力を試したくなって、PR会社への転職を決意しました。
好奇心というか、チャレンジ精神が旺盛なんですね!
「今しかできない! やってみないと分からない!」という精神で挑戦するようにしています!
転職先では、どのようなお仕事をされていたんですか?
転職したPR会社では、美容に限らず幅広い業界のクライアントを担当していました。ここでも外資系クライアントへの新規営業など、英語に関わる仕事もしていました。
でも、PR会社という立場上、それぞれの企業のブランディングに対して“点”でしか関わることができないことに、もどかしさも覚えていったんです。
あと、さまざまな業界のクライアントと関わる中で、やっぱり自分が「楽しいな、役に立てているな」と感じられたのが、美容系やファッション系など、自分が経験のある分野だったんです。
そこで次のステップとして、1から10までブランディングに関わることができるメーカー、そして美容の業界に戻ることを決意しました。
理想的な環境で好きな仕事を実現
二度目の転職でヤーマンを選んだ理由は何ですか?
ヤーマンは美容機器メーカーでありながら製品を出すスピードがすごく早いし、お客様に求められている製品をいち早く形にして提供している会社だと思い、そこに魅力を感じて入社しました。
実際に入社してみて、イメージ通りでしたか?
メーカーはどうしても物事が進むのに時間がかかるというイメージがあったのですが、ヤーマンでは、社長や経営陣とも直に意見交換できる機会が多く意思決定が早いので、スピード感を持って取り組むことができると感じています。
私、自分の会社の社長と一度しか話したことないです……! 社長の意見が聞けて、自分の意見を直接社長に言える環境なんですね。
そうなんです。その分スピードが早いので、ついて行くのに必死です(笑)。
美容が好きで入社した方も多いと思うのですが、社内で美容のことを話したりしますか?
めちゃめちゃします! コスメの新作は試したらすぐ情報共有していますね。特に自社の新製品が出ると「これ使った?」と感想を言い合って、勝手に「社員ランキング」をつけたりしています(笑)。
とっても楽しそう! そしてそのランキングをぜひ知りたい……。
あとで教えますね(笑)。みんなで共通の好きなものがあるから、会話も弾むし、話をしていて楽しいです!
常に変化のある働き方を追求
直近では「FACE LIFT GYM」のオンライントレーニング発足に携わったと伺いましたが、どのような取り組みなんですか?
「FACE LIFT GYM」というのは、トレーナーがお客様それぞれの悩みに合ったアドバイスをしながら、ヤーマン製品を実際に使用できる顔専門のパーソナルトレーニングジムです。
実際に店舗に来店していただくサービスは以前からあったんですが、コロナ禍で外出自粛になった状況を受けてオンライントレーニングを立ち上げたところで、私はチームに参加しました。
プロジェクトを進める中で大変だったことはありますか?
「FACE LIFT GYM」は「表情筋トレーニング」をコンセプトとしているのですが、まず“表情筋を鍛える”ということを身近に感じてもらう必要がありました。
ヤーマンでは「FACE LIFT GYM」と同時期に「表情筋研究所」という情報発信プロジェクトを立ち上げて、美容機器開発の中で培ってきた表情筋理論や、専門家による記事や表情筋にまつわる調査結果を発信するといった取り組みを行いました。
ただ、緊急事態宣言が出てしまって、お客様が実店舗に行きづらい状況が生まれて中々うまく進まない時期もありました。けれど逆に、コロナ禍でマスク下の表情筋の悩みを抱えるお客様が多く、人と会わない間に何とかしたいというご要望は高まっていたので、オンライントレーニングという場を立ち上げました。
結果として店舗にもご来店いただき、一度体験していただけると気に入ってくださることが多く、リピーターとなってくださるお客様も増えました。
いろいろな苦労があったんですね……。
あと、お客様の声を聞くことができる貴重な場なので、そのメリットを活かしてお客様からのご要望によって「FACE LIFT GYM」のトレーニングでも使用しているオリジナルの筋膜リリースボール『FACE LIFT GYM リリースボール』の発売が実現しました。
お客様の声を見逃さずに、より良いサービスを実現しているんですね! そして、現在は新規事業の「ライブショッピング」の立ち上げメンバーとしても活躍されているんですよね?
はい。ライブ配信で製品の魅力を伝えながら販売するライブコマース事業として、「ライブショッピング」を本格的に強化していこうとしていたタイミングで参加しました。こうした形で商品を紹介するのは初めてだったので、通販番組や他社のオンラインライブを見たり、事前にトークの構成を練ったりして配信に臨んでいました。
また新たな挑戦をしているんですね! 本当に好奇心が旺盛で素晴らしいです!
自分が「やりたい」と言ったことに対して声をかけてもらっているので、とてもありがたいなと思います。あと、常に新しいことに取り組んでいたいという気持ちがあるので、スペシャリストというよりは、ジェネラリスト寄りのキャリアを歩んでいると感じますね。自分でチャンスをつかみながら次の新たな目標を立てて前進していくのが、自分のキャリアなのかなと思っています。
自らチャンスをつかんで前進する。とてもかっこいいです……! 今後やってみたいお仕事はありますか?
個人のスキルもレベルアップしていきたいし、それを身につけた上で会社の中で自分の可能性も広げていきたいと思います。
今までやってきた経験を活かせる仕事はもちろん、新規事業に携わって会社の成長につながるような仕事は今後もしていきたいですね。あと、どのくらい先になるかは分かりませんが、やはり国内だけでなく海外と関わる仕事もしていきたいと思っています。
※この記事は2022年01月20日に公開されたものです