「秘密主義」とは? 心理や特徴、付き合い方をカウンセラーが解説
「秘密主義」とは「何でも秘密にしておこうとする考え方や主張」という意味。秘密主義者が身近にいると、コミュニケーションに迷うこともあるはず。今回は心理カウンセラーの秋カヲリさんに、秘密主義者の心理や特徴、付き合い方を解説してもらいます。
男女問わず、秘密主義の人と会うとどうコミュニケーションしたら良いか分からず、付き合い方に悩んでしまうこともありますよね。
プライベートであれば無理して話さなくても問題ありませんが、職場の人だと「仕事上どうしても話さないといけないのに、心を開いてくれる気がしない……」と不安になる人もいるようです。
そこで今回は、秘密主義な人の心理や特徴、スムーズにコミュニケーションできる付き合い方などを解説します。
秘密主義な人との接し方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
「秘密主義」「秘密主義者」とはどんな意味?
まずは「秘密主義」や「秘密主義者」の意味について確認しましょう。
「秘密主義」という言葉を辞書で引くと、以下のように記載されています。
ひみつしゅぎ【秘密主義】
何でも秘密にしておこうとする考え方や主張。
(『精選版 日本国語大辞典』小学館)
つまり「秘密主義者」とは、あまり自分の話をしない人のこと。
プライベートな話をしたり、自分の感情をさらけ出して本音を話したりすることはほとんどありません。
そのため親しくなりにくく、心理的な距離を感じて「とっつきにくい」「何を話したら良いか分からない」と悩むこともあるでしょう。
秘密主義者の心理と特徴4つ
相手があまり話してくれないと「どうしてこんなに秘密主義なのかな?」と気になりますよね。
ここでは、秘密主義者の心理や特徴を4つ解説します。
(1)恥ずかしい思いをしたくない
プライドが高かったり自信がなかったりすると「恥ずかしい思いをしたくない」という気持ちが強くなります。
そうなると、親密になるのを避けて人間関係を制限したり、親密になっても自分の話を極力しないようにしたりして、自分を守ろうとします。
一見堂々としていて自信がありそうな人でも、意外とデリケートで傷つきやすく、その結果として秘密主義になることは珍しくありません。
男女ともにこうしたタイプの人はいますが、どちらかというと競争意識が強い男性に多く見られます。
(2)自己評価が低い
自己評価が低いと、「自分は人から受け入れてもらえない」「本音を言ったら批判されるに決まってる」といった偏見が強くなり、他人に心の内をさらけ出せなくなります。
よく「私なんて」と言う人や、すぐに「ごめんなさい」と謝る人は、自己評価が低いから秘密主義になっている可能性が高いです。
このタイプの人は、飲み会などに誘っても「自分が行っても盛り上がらないから」と断りがちで、参加してもほとんどしゃべりません。
また、話を振っても「まあ、私は……。○○さんはどうですか?」のように、質問に答えずに他の人にパスしたりします。
(3)他人から評価されるのが怖い
他人から批判されたり悪く言われたりすることへの恐怖心が強い人も、秘密主義になりやすいです。
いわゆる「嫌われる勇気」がない人だと考えると分かりやすいかもしれません。
自分に自信がないので、他人から悪く評価されてさらに自尊心を傷つけられるのを恐れ、他人との交流を避けようとしたり、自分の話を控えたりする傾向があります。
(4)不安を感じやすく慎重
もともと不安を感じやすく、心配性な人は恐怖心が強く、自分をさらけ出すことへの恐れも感じやすいです。その結果、秘密主義になることも少なくありません。
特に今までの失敗経験を引きずっていると「また同じようになったらどうしよう」と不安が強くなり、行動しないことでリスクを減らそうとします。
こうした人は「自分の話をすればするほど、弱みを握られたり嫌われたりする可能性が上がる」と考えるので、あまりプライベートな話はしません。
事前に「~だったらどうすれば良い?」「もしこうなったらどうする?」というように入念に計画を立てたり慎重に行動したりする人は、強い不安から秘密主義になっていると考えられます。
▶次のページでは、秘密主義者との付き合い方を解説します。